第1回 訪問リポート(藪敬郎さんの工房) (2010.08.17)
今回第一回のアトリエ訪問は藪敬郎さんの工房にお邪魔しました。
藪さんは40年以上「楽焼」を作られています。
みなさん「楽焼」はご存知ですか?
「楽焼」とは、轆轤(ろくろ)を使わず手やヘラを使って成形する「手捏ね」(てづくね)と呼ばれる方法で成形した後、750度〜1,100度で焼き上げる陶器です。千利休の作らせた「聚楽焼」(じゅらくやき)が原点と言われているそうですよ。
始めに作品を見させて頂きました。
こちらは今年作られた作品です。
着物を着た和服美人にお抹茶をたててほしくなる茶碗ですね。
黒いお茶碗は「黒楽」と言って京都の黒石を砕いて練りこんであるそうです。
これがその京都の黒石です。重量感があり、暑い日でしたが、どことなくひんやりしていました。
次に工房を見せて頂きました。
こちらが藪さんご自慢の窯です。
ご自身でドラム缶にレンガを重ねて作られたそうです。
自分の子供のようだと言われておりました。
焼き上げるときは5分毎に出し入れされるとの事です。
夏のこの時期は暑くてつらいと言われておりましたが、
その分いい作品が出来た時の喜びは一入との事です。
こちらが制作途中の作品です。本当に納得の行く陶器に出会うのは1000個に3つぐらいだそうです。
出来が悪い作品は処分されると言われましたので、私が「それでしたら下さい」と言った所、「自分の納得していないものを人に譲るわけにはいかない」と言われました。使えればいいのではなく愛して使ってもらえるよう妥協はないのだなと感じました。
陶芸の話しをしている藪さんはとても生き生きと楽しそうでした。私も元気をもらいました。
来年(2011年)の11月にコミュニティプラザ百花堂で個展を開かれるとの事です。藪さんは冗談で「自分か生きていたら」と言われておりましたが、きっと素晴らしい作品を私達に見せてくれることでしょう。
藪さん、本日は本当にありがとうございました。
|