今回紹介するのは、竹工芸の専門家でその道50年以上の山際瑞竹軒さんです。山際さんは書道にも精通しておられます。市展で無鑑査になる程の腕前で山際法仙という名前で活動されていました。ただ、残念なのは昨年で書道は辞めたとお話しされていました。
父親が初代瑞竹軒として竹工芸をされていました。山際さんが竹工芸の道に本格的に入られたのは高校卒業してからです。高校時代はレコードがほしくて父の工房アルバイトをしてそのままのめり込まれてたそうです。中野竹藝で働いておられましたが、平成2年に弟と共に独立されたそうです。独立後は左図の丸窓を主力として作成されていました。竹を丸く曲げる技術は山際さんの専売特許だそうです。
竹は、松竹梅と等級の象徴として頻繁に使われており馴染みが深いものです。しかし、竹工芸は意外と浸し身がないかもしれません。今回は、よく目にする?茶筅ができるまでをご紹介します。
と、その前に竹の種類を紹介します。左から班竹、煤竹(すすだけ)、真竹、黒竹です。煤竹は古い藁葺き屋根民家の屋根裏や天井からとれる竹のこと。100年から200年以上という永い年月をかけ、囲炉裏の煙で燻されて自然についた独特の茶褐色や飴色に変色しているもので、高価な素材です。真竹、黒竹は竹細工でよく使われていて身近なものですね。ちなみに真竹は緑のよく目にする一般的な竹です。
茶筅には真竹を使います。