吉田章一バリトン・コンサート
2007年6月20日(水) プレゼンター:潟Gナテクス
ピアノ/伊賀奈ゆり
会場:倉吉交流プラザ視聴覚ホール
午後7:30 700円
【プログラム】
歌曲集「美しき水車小屋の娘」より
(ミュラー作詞/シューベルト作曲)
第1部
1. さすらい
3. 止まれ!
4. 小川に寄せる感謝の言葉
5. 仕事を終えた宵の集いで
6. 知りたがり
7. いらだち
10. 涙の雨
11. 僕のものだ!
第2部
13. 緑色のリュートのリボンを手に
14. 狩人
15. 嫉妬と誇り
16. 好きな色
18. 枯れた花
19. 水車職人と小川
20. 小川の子守歌
【プロフィール】
吉田章一(よしだ あきかず)
鳥取大学教育学部卒業。広島大学大学院学校教育研究科修了。声楽を小松英典、西岡千秋、佐藤晨、吉田征夫、平野弘子の各氏に師事。ソロ・コンサート、ジョイント・コンサートのほか、モーツァルトやフォーレのレクイエム、バッハのヨハネ受難曲、ヘンデルのメサイア、ベートーヴェンの第九等のソリストを務める。オペラでは、モーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」に出演。特に2002年の国民文化祭オペラ公演「ポラーノの広場」では、主役のキューストを歌い圧倒的な成功をおさめた。昨年の再演では、更にバージョンアップしたキューストを歌い、全国レベルで通用する風格を見せた。又、特筆に価するのはドイツリートに対する造詣の深さと演奏力の高さである。既にCDリリースされているシューベルトの「冬の旅」は、高く評価されている。現在、淀江小学校勤務。鳥取オペラ協会理事。
【ご案内】
倉吉市において、吉田章一氏と言えば、シューベルトの「冬の旅」と言えるほどイメージが固定されています。それは、これまで再三「冬の旅」を公演してきた事によるものだと思われますが、リートの素晴らしさを倉吉市民に植えつけたのは吉田氏だと言って過言ではないでしょう。未だに毎年、「冬の旅」の公演希望が寄せられます。アザレアのまち音楽祭としては、これからもずっと、吉田氏の「冬の旅」を聴き続けたい意思を持っています。しかし、吉田氏の魅力はその他にも沢山ありますので、様々な音楽を聴いていただいています。
今回は、再び、リートに戻り、「冬の旅」と双璧をなす歌曲集「美しき水車小屋の娘」より20曲を聴いていただきます。歌曲の鑑賞にとって、歌われる歌詞の意味が分らない事はかなりの致命傷となりそうですが、実はそんな事はありません。歌詞の持つ発音や抑揚がそのままメロディーになり、その内容を音楽で表現しているのがシューベルトの歌曲なのです。事前に翻訳を知っておき、聴く時にはテキストなど見ないで、そのメロディーに身を任せるのが最高の鑑賞法なのです。歌詞の意味が分ったからと言って音楽が深く染み入るとは限らないものです。ドイツ語の全く分らない子供たちに、リートを聴かせ、その感じたままを語らせると、ほとんどその曲の大意をつかんでいるものです。大人の肥大化した虚養(教養)をそぎ落とせば、シューベルトの世界は、私たちに音楽の言葉で語りかけてきます。対訳に頼らない鑑賞法を模索していただければ幸いです。
今回のピアニストは、近年よく共演している鳥取市在住の伊賀奈ゆり氏です。伊賀奈氏はピアニストとしてのキャリアも豊富であり、鳥取県ピアノオーディションでも入選したりしている俊英です。声楽会の大御所「平野弘子氏」の薫陶を受けて、声楽伴奏のピアニストとして、とみに力をつけています。どうぞ、あなた自身の「美しき水車小屋の娘」を見つけてください。