新田恵理子ピアノ・コンサート
2008年5月14日(水) プレゼンター: 倉吉インターヒルズ・ゴルフクラブ
会場:倉吉未来中心小ホール 午後7:30 700円
【プログラム】
【第一部】
グリーク/抒情小曲集より
1 農民の歌
2 春に寄す
3 小川
4 蝶々
5 即興的ワルツ
6 フランスのセレナーデ
7 スケルツォ
8 夜想曲
9 ノルウェー農民の行進曲
【第二部】
アルベニス/スペイン組曲より
1 タンゴ
2 グラナダ
3 アストゥリアス(伝説)
グラナドス/スペイン舞曲集より
1 オリエンタル
2 ビリャネスカ
3アンダルーサ
グラナドス/演奏会用アレグロ
【プロフィール】
新田恵理子(にったえりこ)Piano
武蔵野音楽大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業 倉吉市在住。ソロリサイタル、室内楽、声楽・器楽の伴奏など、各地で幅広い演奏活動を行なっている。内外のオーケストラとの共演も数多く、そのうち、ザルツブルク室内オーケストラ、下北山弦楽オーケストラとのライブ録音が、カウベルホールよりCDリリースされている。後進の育成にも力を注ぎ、各地で門下出身の若手ピアニストが活躍している。主宰するハーモニッシェの会においては、若手演奏家のジョイントコンサートや、ピアノ・リサイタル、来日演奏家との交流コンサートなどを企画している。全日本ピアノ指導者協会正会員、同鳥取県支部事務局。鳥取オペラ協会ピアニスト。ハーモニッシェの会主宰。
〜ご 案 内〜
【新田恵理子ピアノ・コンサート】
猛烈な勢いで進化し続けているピアニスト「新田恵理子氏」は、山陰で最も優れた実績と実力の持ち主だと言っても過言ではないでしょう。その活躍ぶりは、枚挙に暇がありませんが、2005年の鳥取県総合芸術文化祭で取り組んだ「祝祭オーケストラ鳥取」とのベートーヴェンの第一番の協奏曲は、県内ピアニストがこれまでなし得なかった次元での完成度の高さを誇るものでした。
それは、センスの良さとか豊かな音楽性の有無などと言う次元を超えて、音楽を行為するセオリーが確実にこなされて、初めて成立するプロとしての芸術が、存在していたからだと思います。誰かを模倣したり、似たような情感表現を表面的になぞる愚行ではないのです。凍れる音楽(楽譜)を思考し、音と音を拮抗させる響きの中に、作曲家と対話しながら音楽を紡ぎ出しているのです。新田氏の音楽づくりは、音づくりから始めて、音楽を構築するフレーズをブロックとして堅牢に固め、そして、一旦崩して再構成するスタイルをとっているように見受けられます。ですから、情に流されないクリアな音色と、明確なメッセージを見失わないのでしょう。美しい音色と心をときめかせるようなリズムの快感、フォルテシモの強靭な響きから絶え入るようなピアニシモへの落差は、スケールの大きな構造物を思わせ、ダイナミックに交響する空間を広げて、私たちに音楽の喜びをもたらせてくれます。
ほとんど毎年のように、プロ奏者やオーケストラと共演し、一期一会のチャンスを全力で疾走する姿は聴衆の拍手喝さいを浴び続けています。優れた演奏が高く評価されるピアニストとしての実力もさることながら、鳥取県という音楽環境が新田氏を、愛しみを持って包み込む懐の深さが、大きな恵となっているのだと感じています。