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アザレアのまち音楽祭2008





アザレアのまち音楽祭 2008 公演記録


アザレア弦楽四重奏団演奏会

2008年6月7日(土) プレゼンター:中海工業

ヴァイオリン/伊藤明、井上志保 ヴィオラ/井川晶子、チェロ/原田友一郎

倉吉交流プラザ視聴覚ホール 午後7:30  700円


【プログラム】

【第1部】
ボロディン/弦楽四重奏曲第2番ニ長調「夜想曲付き」
 第1楽章:Allegro moderato(ニ長調)
 第2楽章:Scherzo. Allegro(ヘ長調)
 第3楽章:Notturno. Andante(イ長調)
 第4楽章:Finale. Andante - Vivace(ニ長調)

【第2部】
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番ヘ長調「ラズモフスキー第1番」作品59-1
 第1楽章:Allegro
 第2楽章:Allegretto vivace e sempre scherzando
 第3楽章:Adagio molto e mesto-attacca:
 第4楽章:Tema Russe. Allegro


【プロフィール 】

 アザレア弦楽四重奏団

 1988年結成。松江を中心に各地でのコンサート・イベント・ウェディングなど通算約600ステージの演奏活動を展開する、山陰随一の弦楽四重奏団。1991年からアザレアのまち音楽祭に出演(1517回目)。1991年全国育樹祭で皇太子殿下ご臨席のもとで演奏して称賛を博す。1995年ねんりんピック開会式出演。2002年日英グリーン同盟植樹式で記念演奏。2005年島根県立美術館「名曲で飾るロビーコンサート」出演。クラシックから映画音楽・ポップス全般、歌謡曲や日本のメロディまで幅広いレパートリーを縦横に組み合わせた楽しい選曲、そして4人という自由気軽なアンサンブルのスタイルがリスナーから支持されている。


〜ご 案 内〜

 【アザレア弦楽四重奏団演奏会】

 アザレアのまち音楽祭の最古参の一チームである「アザレア弦楽四重奏団」は、これまで、倉吉博物館での名物コンサートとして定着して来ましたが、今回はサロンのメイン会場である「倉吉交流プラザ視聴覚ホール」に会場を移しての公演となります。今年のプログラムは2曲のみですが、大変聴き応えのあるボロディンとベートーヴェンです。 弦楽四重奏に限らず、私たちが室内楽に期待するのは、そこにオーケストラの原型があるからです。音楽鑑賞のベテラン仲間では、いろんなスタイルの音楽を聴き継いで、最後に到着するのが弦楽四重奏だと言われます。そんな意味でも、アザレア弦楽四重奏団は期待されています。近年、そのメンバーの変動があり、不安を感じる聴衆もありましたが、中心となる「伊藤明氏」の音楽性が貫かれていますから、大きな変化はありません。しかし、少しでもアンサンブルが乱れると「俄仕立て」ではないかと勘ぐられるのも事実です。今年のステージは、弦楽四重奏曲の定番です。きっとその演奏の魅力は、私たちを納得させてくれるでしょう。ご期待ください。

 【ボロディン/弦楽四重奏曲第2番ニ長調「夜想曲付き」】

 第3楽章のノクターンが非常に美しいため、「ノクターン」と標題を付けることがある、この曲は、ボロディン、58才の時の作品です。ロシアの大作曲家チャイコフスキーが、登場する前に、5人組(バラキエフ、キュイ、ボロディン、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ)が、グリンカの純粋なロシア音楽を作ろうという精神を引継いで実を結ばせた。バラキエフ、キュイの作品は、演奏されることはほとんどないが、ムソルグスキーの「展覧会の絵」、「はげ山の一夜」、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」、ボロディンの「中央アジアの平原にて」等は、よく知られている。ボロディンは、純粋なロシア音楽を意識して作曲したにちがいないが、西はヨーロッパ、東は極東、南は中東・中国に連なる大国で、一口にロシア色といっても限定することは難しい。ボロディンも父方の祖先がタタール人(ロシア国内のトルコ系住民)であるため、東方的な色彩の強い音楽が多い。チャイコフスキーが、そんな様々のロシア音楽のエッセンスを集めて、ロシア音楽と呼ばれる範疇の音楽を完成させたのは、大きな功績であるといえる。  有名な第3楽章「夜想曲」、そして負けず劣らず人気の高い第1楽章は、作曲家自身が得意としたチェロの豊潤な響きが曲の性格を決めている。まさにチェロの独壇場。第2楽章「スケルツォ」も、いかにもボロディンらしさが出ている。終楽章は、ボロディン節が炸裂する魅力あふれる楽章ですが、出だしに違和感をもたれる方もあるかもしれない。摩訶不思議なムードが楽しる。意外と知られていないエピソードを紹介する。この曲はボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念に捧げている。あまりにも曲がマッチしており、ちょっとできすぎた感のあるエピソードだ。

 【ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番ヘ長調「ラズモフスキー第1番」作品59-1】

 第一楽章;「人の心を柔らかく包み込みながら、それでいてこれほどの人格的な力、大きさで僕らを捉えてしまう音楽があっただろうか。」
 第二楽章;「この軽やかな心持ちのファンタジーは、それ自身が目的でありそれ自身で意味を持つものなのである。しかし、それは何かを熱望する感受性に満ちたファンタジーでもある。」
 第三楽章;「人を包み込む柔らかさと深い悲しみが見事に調和し、何のためらいもなく哀しみに涙することが出来る。」
 第四楽章;「抑圧された情念が、こらえきれなくなって噴出したものである。」



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