【辺見康孝ヴァイオリン・コンサート】
〜X [iksa](イクサ)で聴く日本の音〜 Harp 松村多嘉代
6月12日(土)19:30 倉吉博物館玄関ホール 700円
1部
@春の海(宮城道雄作曲/X[iksa]編)
A荒城の月(瀧廉太郎作曲/X[iksa]編)
B耳なし芳一幻想(辺見康孝作曲)
2つの日本民謡(細川俊夫作曲)※ハープソロ
C「さくら、散る」
D「五木の子守歌」(細川俊夫作曲)※ハープソロ
第2部
Eアザレアの歌(山本喜三作曲/X[iksa]編)
F舟歌(徳永崇作曲)
G歌の祭り(新倉健作曲)※ヴィオラソロ
Hもののけ姫(久石譲作曲/X[iksa]編)
プロフィール
X [iksa](イクサ)
2006年10月にデュオとしての初共演以来、これまでに海外公演を含め約100公演行っている。
弦と弦が交わり合う様をイメージした「X」
「X」は未知の可能性
そしてその可能性に挑「戦」!
オリジナル曲やオリジナルアレンジ、新作の委嘱などヴァイオリンとハープによるアンサンブルの可能性を追求する。2008年11年に初CDアルバムX[iksa]をリリース。2010年4月に日本の作品を集めた2ndアルバムをリリース。
http://green.ap.teacup.com/iksa/
辺見康孝(へんみやすたか)Vn
松江市生まれ。現代の作品を得意とし、独自の奏法を開発し従来の奏法では演奏不可能な作品もレパートリーとしている。また自ら作曲も行い、ダンサー、美術家、サウンド・デザイナー、舞台俳優などとのコラボレーションも行う。
これまでにヨーロッパ諸国、オーストラリア、アメリカ合衆国、南アフリカ共和国、韓国でも演奏活動を行っており、様々な国際芸術祭に招待されている。
2001年より2年間はベルギーのアンサンブルChamp d'Actionのヴァイオリニスト、帰国後はnext mushroom promotionのヴァイオリニストとして精力的に演奏活動を行う他、ハーピスト松村多嘉代とのデュオX[iksa](イクサ)では新たな境地を開拓している。
またアメリカ、スタンフォード大学などでの現代奏法についてのレクチャーは好評で、作曲家の創作活動に刺激を与え続けている。
2004年にMegadisc(ベルギー)からリリースされたソロCD、2008年にリリースしたX[iksa]ファーストアルバムの他、多数のCD録音に参加している。
2005年、next mushroom promotionとしてサントリー音楽財団より佐治敬三賞を受賞。
http://sun.ap.teacup.com/yashemmi/
松村多嘉代(まつむら たかよ)Harp
3歳よりピアノを始める。 相愛音楽教室、相愛高等学校音楽科を経て相愛大学音楽学部ピアノ専攻卒業。 大学卒業後にハープを始める。
現在フリーランスハーピストとして、ソロ、オーケストラ、妹・松村衣里とのハープデュオ・ファルファーレ、ヴァイオリニスト辺見康孝とのデュオ X[iksa]で国内はもとよりフランス、イタリア、オーストラリア、韓国等において数多くの演奏会に出演。
自ら編曲も手掛け、クラシックの名曲や日本の歌、ポピュラー、ボサノヴァなど幅広いジャンルの作品をレパートリーとしている。また新作の委嘱初演なども積極的に行い、ハープのための新たなレパートリーの開拓にも努めている。2008年11月CD『 X[iksa] 』、2009年10月CD『眠れる森のファルファーレ』をリリース。
http://gold.ap.teacup.com/farfalle/
ディレクターのコンサート案内
辺見さんはアザレアのまち音楽祭の顔として、すっかりお馴染みになっています。久しく演奏会のパートナーはピアニストでしたが、近年はその座をハーピストが占めています。当初は、ハープとのアンサンブルに違和感を持ったものですが、現在では辺見氏のヴァイオリンに最も合致したパートナーとして、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。当初感じた違和感は、ハープのアーティキュレーション(音の区切り方やつなぎ方)が、空気をたっぷりと含んだ辺見氏の、まるでシャボン玉のようなヴァイオリンの音に突き刺さり、壊してしまっていたことかもしれません。ところが最近は、ハープのアーティキュレーションに変化が見られるようになり、撥弦楽器(はじいて鳴らす楽器)特有のとがった音の立ち上がりが「ふわっとした空気」を押し出すようなやわらかさを持ち始め、空間の中で漂うハーモニーを作り出すようになったのです。こんな演奏を聴いていると、音楽はやはり心の食べ物かも知れないと思い始めてしまいます。完全協和する音はいくらでも作り出せますが、平行するオルガヌム(対位法の原点)は時と運がなければ難しいものです。このペアで「X [iksa](イクサ)」とのコンビ名で活動している意味が、二人のアンサンブルを聴きながら、納得するものがあります。
今回のコンサートでは、新しく編曲した作品が数多くありますが、現代音楽の手法を駆使した斬新なものになっていることだろうと期待しています。倉吉博物館の豊かな空間に広がる、目には見えない、耳には聴こえない空気の縞模様を、辺見氏のヴァイオリンと共に、イメージを描いてみませんか。それこそが音楽を聴く最大の喜びかも知れません。