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指揮者ぶんらく

アザレアのまち音楽祭2010





アザレアのまち音楽祭 2010 公演記録


【中嶋由紀子ピアノ・コンサート】

6月13日(日)14:00 大栄農村環境改善センター 700円

第1部

@イタリア協奏曲 ヘ長調 Bwv.971  1楽章 (バッハ作曲)
Aプレリュード Op.28-15 雨だれ  (ショパン作曲)
 前奏曲『雨だれ(Raindrop)』は、ショパン「24の前奏曲(作品28)」の第15番目の曲で、彼が恋人ジョルジュ・サンドとスペインのマジョルカ島で静養中だった20代後半頃に完成された作品。20代後半頃のショパンは、恋人ジョルジュ・サンドとスペインのマジョルカ島で静養中だったころの作品。
Bスケルツォ  第2番 変ロ短調 Op.31(ショパン作曲)
 非常に有名な曲。ショパンのスケルツォ2番ということは知らなくても、どこかで耳にしたこともあるであろう。構成は複合三部形式だが、トリオの後半に大々的な展開部を置いているのがポイントである。ここで主部のフレーズを持ち出して展開しているために、ちょうどソナタ形式の展開部のような位置づけとなり、単なる三部形式とは異なる複雑さと深さを感じさせてくれる。平凡な作曲家だと冗長な箇所はカットしてしまうのだが、この曲は新たな展開を加えることでトリオの存在意義そのものを高めた。技術上も跳躍以外はそれほど難しくなく、演奏効果の高いフレーズが多くてピアノがよく鳴り、さすがショパンと感じさせる。4曲のスケルツォの中では、最も演奏頻度が高い曲である。

第2部

@スペインの歌 作品232より(アルベニス作曲)
 やしの木陰
 組曲『スペインの歌』はイサーク・アルベニスが作曲したピアノ独奏のための組曲。すべて華やかなスペイン舞曲である。軽やかさと異国趣味を併せ持っており、よく演奏される。「やしの木陰」は、その第3曲である。変ホ長調、4分の2拍子。 簡単な序奏のあと、右手が緩いオクターブを歌う。同主調に転調が多く調性が不安定なのが特徴である。
Aスペイン組曲 作品47-3(アルベニス作曲)
 セビリヤ
 アルベニス初期の作品であり、8曲の組曲として知られる。躍動感あるリズム、ギターを思わせる音色など、いずれもスペイン色の強い作品。第3曲セビリヤは、セビリヤの雰囲気をたたえた作品。A−A’−A−B−Aの形をとっていて、舞曲セビリャーナスの速いテンポ、カスタネットのリズムにのって、祭り(復活祭聖週間)の主題が情熱的にうたわれる。それとは対照的に、中間部では、哀愁ただよう宗教歌が聞かれる。リズムを活かしつつ、効果的に音をつなげるために、ペダリングが大変難しいと言われる。
Bドゥムカ ハ短調 作品59 「ロシアの農村風景」 (チャイコフスキー作曲)
 アンダンテ・カンタービレ−コン・アニマート 4分の4拍子
 1886年。「ドゥムカ」とはポーランドに起こり、スラヴ諸国に広まった民謡の一種で、ゆっくりとした悲哀を表す部分とテンポの速い情熱的な部分からなっている音楽。タイトルは“哀歌”と訳されることが多いようである。この曲はその形式を基にした演奏会用の作品であり、「ロシアの農村風景」という副題がついている。初演は1893年、チャイコフスキー死後だったといわれる。


プロフィール

 中嶋由紀子(なかしま ゆきこ) Piano

 倉吉市出身。武蔵野音楽大学を経て、同大学院終了。オーストリア国立グラーツ音楽大学に留学。97年、クロイツァー賞受賞。鳥取県人材発掘ピアノ・オーディション鳥取県知事賞受賞。関西フィルハーモニー管弦楽団と共演。また、2001年、2003年、2008年東京にてリサイタルを開催。これまでに、新田恵理子、永田順子、佐藤俊、エレーナ・アシュケナージ、アレクサンダーザッツの各氏に師事。聖徳大学短大兼任講師。


ディレクターのコンサート案内
 昨年のオープニング・コンサートで、ベートーヴェンの皇帝を豪快に弾きとおした力量には、全く感服したものです。すっかりピアニストとしての条件をクリアし、自立した演奏家として堂々たる風格さえ感じました。多くの皆様から、もっと聴きたいとの要望があり、スタインウエイを設置している大栄農村環境改善センターでのコンサートが実現することになりました。
 今回はショパンやアルベニス、チャイコフスキーを演奏して頂きますが、よく知られた曲ばかりで、楽しみです。中嶋さんのピアノは、いつも明晰なアナリーゼ(楽曲分析)に基づいた演奏を聴かせてくれますが、ショパンのプレリュードのテンポ設定をどうするか楽しみです。スケルツォの二番もとても有名な曲であり、個性が出やすい曲なのでワクワクしています。アルベニスの曲は、ギター曲でよく聴くことがありますが、酔っ払いのような演奏が多いものです。ピアノで聴くと、アルベニスが表現したかったことがより鮮明に見えるものです。そして、チャイコフスキーの「ドゥムカ」は、私にとって初めて聴くチャンスとなり、今からワクワクドキドキしています。



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