【寺内智子ソプラノ・コンサート】
Piano 新田恵理子
6月17日(木)19:30 倉吉交流プラザ 700円
第1部
日本のおもちゃうた(全7曲、岸田衿子作詞/中田喜直作曲)
中田喜直作曲の「日本のおもちゃうた」は、わらべ歌風のメロディが多く、一見子どもでも歌えそうな感じであるが、実は凝った仕掛けが隠されている。例えば3曲目「お手玉とおはじき」では、12音風のコーダが付けられていたり、4曲目「海ほおずきと少年」は、詩にも出てくるモーツァルトのK.414のピアノ協奏曲を思わせる前奏で始まったりする。7曲目の「紙風船」は短調で始まるが、長調に解決しないまま終わっていたりする。
@あねさまにんぎょう
Aヨーヨー
Bお手玉とおはじき
C海ほおずきと少年
D竹とんぼ
Eおまつりはどこ
F紙風船
第2部
トスティ歌曲より
トスティは、イタリアの歌曲作曲家として著名。声楽を志すものにとって避けて通ることのできないイタリア歌曲の珠玉の作品群が残され、歌い継がれている。有名な作品には『理想』『悲しみ』『マレキャーレ』『最後の歌』などがある。
GAprile「4月」
HPenso「僕は思っている」
INotte bianca「白い夜」
Jその他未定
Kフィレンツェの花売り娘(ロッシーニ作曲)
Lオペラ「セミラーミデ」より(ロッシーニ作曲)
〜麗しき光〜
セミラミーデ(Semiramide)はロッシーニが1823年に作曲したオペラ・セリアである。同年、ヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場で初演された。ロッシーニのイタリア時代最後の作品。このアリアは一幕2場で、女王セミラーミデは士官アルサーチェの帰還を心待ちにして歌うのが、アリア「麗しい光が」である。しかし、アルサーチェはかつて蛮族からアゼーマ姫(彼女は王子ニーニャの許婚で、ニーニャのいない今は彼女との結婚が新王となるための条件である)を救出したことがあり、彼女と結ばれることを望んでいる。複雑な糸のもつれ合いの始まりを感じさせるアリア。
プロフィール
寺内智子(てらうち ともこ) (Sprano)
大阪音楽大学音楽学部声楽科卒業。同専攻科終了。声楽を天野春美、E・ラッティ、伊藤京子各氏に師事。関西二期会研究生を経て、1998年イタリアへ留学。M・フェラーロ氏によるマスタークラス受講。イタリアにてオペラ「ラ・ボエーム」ミミ役、「カプレーティ家とモンテッキ家」ジュリエッタ役を歌い好評を得る。帰国後も、神戸アーバンオペラ「フィガロの結婚」スザンナ役をはじめ「愛の妙薬」「カルメン」「魔笛」「ポラーノの広場」「沈黙」などのオペラに出演。第29回イタリア声楽コンコルソ金賞、第20回飯塚新人音楽コンクール大賞、第12回ABC新人オーディション最優秀賞を受賞し外山雄三指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第2位、神戸灘ライオンズクラブ音楽賞、鳥取県声楽オーディション県知事賞等受賞。2006年、鳥取県知事賞受賞者コンサートで関西フィルハーモニー交響楽団と共演。日本演奏連盟会員、関西二期会、鳥取オペラ協会会員。
新田恵理子(にった えりこ)(Piano)
武蔵野音楽大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業 倉吉市在住。ソロリサイタル、室内楽、声楽・器楽の伴奏など、各地で幅広い演奏活動を行なっている。全日本ピアノ指導者協会正会員、同鳥取県支部事務局。鳥取オペラ協会ピアニスト。ハーモニッシェの会主宰。
ディレクターのコンサート案内
寺内さんは山陰を代表するソプラノ歌手として、人気実力共にトップに位置しています。東京の新国立劇場でのオペラ「沈黙」への出演、大阪シンフォニー・ホールでの大阪フィルハーモニーとの共演、いずみホールでのリサイタル、大阪NHKホールでのモツレクなどと、まだまだ沢山の県外公演を、まるで追っかけのように聴き続けていますが、益々進化を続けています。年間のコンサート数では、もっとも多くをこなしている歌手だと思います。昨年の「鳥の演劇祭」に招聘していただいた室内オペラ「電話」では、オペラ初演出となる中島諒人氏の指導を受けて、ぐんぐん変貌する様を目の当たりにして、その力量の高さに舌を巻いたものです。
また、昨年の暮れには、アザレアのまち音楽祭のリサイタル・シリーズに登場し、聴衆を圧倒的な感動で包み込みました。私たちの身近にこのような素晴らしい演奏家が共に暮らしていることに感動を覚えるものです。アザレアのまち音楽祭という仕組みのお陰で、低料金で最高の音楽が提供できることに歓びと感謝の念を抱いています。そして、その感動を分かち合える聴衆が、この山陰の地に育ち広がっていることを誇りに思います。
今年のアザレアのまち音楽祭では、一部の「日本のおもちゃうた」が楽しみです。日本歌曲にこれまでに無かったお洒落でエスプリの効いた歌は、寺内さんの完璧な歌唱で香りの沸き立つサロンを作り出すことでしょう。爽やかな風を、6月の輝きを満喫されますようお勧めします。