【小椋順二ホルン・コンサート】
Piano 藤本真基子
2011年5月15日(日)15:00 倉吉交流プラザ 700円
第1部
シンフォニア(ペルゴレージ)
ペルゴレージ(1710-1736)は、ナポリ楽派最後の代表的作曲家。代表作のひとつオペラ『奥様女中』は、オペラ・ブッファの先駆的役割を果たし、フランスのオペラ・コミックの成立にも影響を与える。
シンフォニア(sinfonia)は、ギリシア語の「syn-(〜とともに)」+「phone(音)」を語源とするイタリア語で、元来は漠然と合奏曲を意味する言葉である。「交響曲」(シンフォニー)と同語源であるが、バロック音楽の分野においては主として「声楽作品中に挿入された合奏曲」を指す用語として用いる。
ソナタ 作品178 (ラインベルガー)
ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(1839 - 1901)はリヒテンシュタインのファドゥーツに生まれ、ドイツのミュンヘンに没した作曲家、オルガン奏者。作曲家としてはオルガン曲が有名で、20あるオルガンソナタは彼の代表作である。そのほか宗教曲、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲にも多くの作品を残している。
このソナタは1894年、55歳のときに作曲された。
第1楽章 Con moto
第2楽章Quasi adagio
第3楽章Con fuoco
第2部
オリジナルファンタジー 作品6(フランツ・シュトラウス)
フランツ・シュトラウス(1822-1905)は、リヒャルト・シュトラウスの父でドイツの作曲家、ホルン奏者。一部の作品が金管楽器のレパートリーとして知られる。
ソナタ 作品17(ベートーヴェン)
当時最も有名なホルン奏者プントの知遇を得たベートーヴェンがウィーンにおける彼の演奏会のために一晩でかきあげたといわれるソナタ。
第1楽章 アレグロ・モデラート、ヘ長調、4/4拍子、ソナタ形式。
第2楽章 ポコ・アダージョ・クアジ・アンダンテ、4/4拍子、ヘ短調。楽章と呼べるほどの規模ではなく、寧ろ第3楽章への序奏をなすものである。
第3楽章 ロンド、アレグロ・モデラート、ヘ長調、2/2拍子、ロンド形式。
プロフィール
小椋順二(おぐら じゅんじ)Horn
鳥取県倉吉市出身。1996年大阪音楽大学卒業。大阪シンフォニカー交響楽団を経て1997年10月ドイツ国立ケルン音楽大学アーヘン校入学。在学中、アーヘン室内オーケストラ、ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーに在籍。2000年2月卒業。帰国と同時に仙台フィルハーモニー管弦楽団入団。2001年5月より京都市交響楽団に在籍。ホルンを三宅知次、D.ブライアント、R.アルメイダ、H.ツィーグラーの各氏に師事。京都ラビッシュ アンサンブル、シンフォニア・ホルニステン、リバスト・ブラスクインテットのメンバー。相愛大学音楽学部非常勤講師。
藤本真基子(ふじもと まきこ) Piano
神戸女学院大学音楽学部ピアノ科卒業、同専攻科修了。野村国際文化財団による奨学金を得て英国ロンドン、Royal College of Musicの大学院ソリストディプロマコースにて研鑽をつみ、演奏家資格を取得。
第10回PTNAピアニストコンペティションE級全国大会にて第1位金賞受賞、あわせて日本テレビ賞受賞。東京青山カワイミュージックショップにて初リサイタル。第7回吹田音楽コンクールピアノソロ部門第3位入賞。日本演奏連盟主催「演連コンサートOSAKA」のオーディション合格、いずみホールにてリサイタルを行なう。第10回宝塚ベガコンクール第6位入賞。
秦はるひ、池田洋子、野平一郎、Kevin Kennerの各氏に師事。
ディレクターのコンサート案内
倉吉市出身のクラシック音楽界で活躍するプロの演奏家は多々あります。その中でも、毎年里帰り公演としてアザレアのまち音楽祭に参加していただけるのは、京都市交響楽団の小椋順二氏のみです。倉吉西中学校から倉吉東高校、そして音楽大学へと進み、プロオーケストラに入団します。しかし、更にドイツに留学し、その後次々にステップアップを重ねて来ている方です。現在も進化の途中であり、今後が大いに期待されています。
中央でも、ホルンのソロコンサートはなかなか聴くチャンスがありません。そんな中でアザレアのまち音楽祭では毎年聴ける幸せをもたらしてくれます。ホルンのまろやかな、そして聴く者を包み込むような音の広がりが、サロンと言う小さな空間では私たちを音楽の桃源郷に誘ってくれます。
プログラムは、ホルンのために書かれた作品ばかりであり、ホルンの良さが十二分に味わえるものです。音を楽しむという「音楽」の鑑賞法は、知っている、耳慣れた旋律をなぞりながら聴く事よりも、新しい、見たこともない風景を見せてくれる旅のように、音の流れる時間に身をゆだねる快感を味わってほしいと思います。
毎回、ピアノを担当される藤本真基子さんの、柔らかくて透き通ったピアニシモは、心のひだにそっと触れて流れるそよ風のようなホルンの響きと合体し、何とも言い難い幸福感を醸し出します。どうぞ、お楽しみください。