【鶴崎千晴ソプラノ・コンサート】
Piano 兼田恵理子
2011年6月8日(水)19:30〜 倉吉交流プラザ 700円
第1部
@夕映えの中で(シューベルト作曲)
窓から見える夕映えに、父(神)の恵み、この美しい世界を作った神への畏敬の念を感じ、それを極めて美しく、内面的な静謐さをもって歌いあげている。シューベルトの傑作の一つで、ラッペによる歌曲の中では最も感動的で最も美しい作品といわれている。
曲は変イ長調、分散和音を基調とする伴奏の内声を、歌唱声部が歌ってゆく。曲は途中、大きく盛り上がるものの、その頂点も外面的なクライマックスとは全くほど遠い、極めて内省的な内面の心の高まりを感動的に歌う。
Aミニョン(あの国をごぞんじですか)(シューベルト作曲)
『ミニョン』は、アンブロワーズ・トマのオペラ作品。1866年、パリのオペラ=コミック座で初演された。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの小説「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」を基に大幅な脚色を加えている。
Bミニョン(話すようにと言わないで下さい,第2作)(シューベルト作曲)
上記参照
C夜と夢(シューベルト作曲)
『夜と夢』は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが1825年頃作曲した歌曲。マテウス・フォン・コリンの詩による。
シューベルト版『夢のあとに』(ガブリエル・フォーレの歌曲)と呼んでもよい内容の作品で、過ぎ去った美しい夜と夢に対する限りない憧憬を歌った、シューベルトのあらゆる歌曲の中で最も美しい曲の一つ。
ロ長調で始まりきわめてゆっくりとしたピアノの刻みの上に、歌声部が極めて美しい旋律を歌う。この刻みを美しく響かせるのは至難の技で、20世紀を代表する歌曲ピアニスト、ジェラルド・ムーアは最も難しい曲のひとつ、と述べている。また、歌い手にとっては、限りなく続くレガートを保つための、高度なブレス・コントロールを要求される難曲である。
中間部でト長調(ロ長調の六度の準固有和音調)への急激な転調があり、大きく感情が動くが、最初の静けさが戻って、美しく全曲を閉じる。
D夜に(シュトラウス作曲)
リヒュルット・シュトラウスのクレメンス・ブレンターノの詩による6つの歌曲第1曲
新婚の初夜のことを歌ったかなりキワドイ内容のようにも見えますが、もっと深い象徴的な意味合いもあるようにも思えます。
Eイヌサフラン(シュトラウス作曲)
リヒュルット・シュトラウス8つの歌曲の第7曲
ヘルダーリンの「希望に寄せる」で出てきた「イヌサフラン」の詩の歌曲です。この植物にはコルチカムという別名があり、「犬サフラン」の語感を嫌ってかこちらの方が園芸関係では使われているようです。シュトラウスの作曲は、「献呈」「万霊節」「夜」などを含む最初期の傑作歌曲集作品8に収められていますが、曲集中では地味な作品で歌詞の扱いもやや常識的です。
F朝(シュトラウス作曲)
リヒュルット・シュトラウス4つの歌曲の第4曲
Morgenとなっているけれど、よく日本語では「明日の朝」「明日」と訳されています。
愛する人と二人で迎える明日の朝、幸福の予感でみなぎっているという内容です。
第2部
@くつがなる(清水かつら作詞/弘田 龍太郎作曲)
幼児がみんなで手をつなぎながら道を歩き、靴音を鳴らす情景を、小鳥やウサギになるという擬態化(擬人化の逆)表現を含めて描いている。
1919年(大正8年)に刊行された雑誌『少女号』11月号が初出である。2007年(平成19年)に「日本の歌百選」に選ばれた。
Aうさぎのダンス(野口 雨情作詞/ 中山 晋平作曲)
『兎のダンス(うさぎのだんす)」は、『証城寺の狸囃子』、『シャボン玉』などで知られる野口雨情(作詞)と中山晋平(作曲)の名コンビにより1920年代に発表された童謡。
Bゆりかご(北原 白秋作詞/草川 信作曲)
『揺籃のうた』(ゆりかごのうた)は、北原白秋作詞、草川信作曲の日本の童謡である。2007年(平成19年)に日本の歌百選に選出されている。
1921年(大正10年)、雑誌『小学女生』8月号にて発表。子守唄のことを別名で「揺籃歌」(ようらんか)とも言うが、文字通り「揺籃歌」であるこの曲は子守唄として広く親しまれている。
Cわれは海の子 (文部省唱歌)
われは海の子(われはうみのこ)は文部省唱歌のひとつ。2007年(平成19年)に日本の歌百選に選出されている。
D「六つのロマン」より(木下 牧子作曲)
木下牧子(きのした まきこ、1956年9月20日 - )は日本の作曲家。主に合唱曲、歌曲、吹奏楽、管弦楽曲等を作曲。歌曲集「六つの浪漫」は1995年にカワイ出版より発表させる。
1.風をみたひと (クリスティナ・ロセッティ作詞・木島 始訳詩)
2,夢 (吉行 理恵作詞)
3,草に寝て…(立原 道造作詞)
4.重いのはなあに?(クリスティナ・ロセッティ作詞・木島 始訳詩)
5.風が風を (多田 智満子作詞)
6.ほのかにひとつ (北原 白秋作詞)
プロフィール
鶴崎千晴(つるさき ちはる)Soprano
武蔵野音楽大学声楽科卒業。声楽を森原紀美子,故藤田みどり,佐伯真弥子,平野弘子の各氏に師事。ジョイント・コンサート,ソロリサイタルほか,鳥取オペラ協会公演「フィガロの結婚」(伯爵夫人・マルチェリーナ)、「アマールと夜の訪問者」(母親),ラクゴペラ「ドン・ジョヴァンニ」(ドンナ・エルヴィラ)、イソップオペラ(よいきこり)に出演。山陰の名手たちコンサート出演。アザレアのまち音楽祭参加。県民による第九2010アルトソロ。コールやまびこ指導者。鳥取オペラ協会理事。
兼田恵理子(かねだ えりこ)Piano
武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。新田恵理子、コッホ・幸子の各氏に師事。
アザレアのまち音楽祭においては、アザレア室内オーケストラと共演の他、ソロリサイタル等で参加している。
現在,後進の指導にあたるとともに、声楽、器楽の伴奏者として各地で演奏活動を行っている。倉吉市在住。鳥取オペラ協会ピアニスト。
ディレクターのコンサート案内
鶴崎さんは、すっかりアザレアのまち音楽祭の顔として定着いたしました。豊かな声量、音域の広さ、そして表現力の確実さは、鳥取オペラ協会の中でも指導的立場に位置するようになっています。昨年末には、第九鳥取公演のソリストを務め、大きな反響を呼んでいます。テノール以外は、全て県内在住者で第九のソリストが編成できる時代になったと感慨ひとしおです。それも中央と引けを取らないレベルを担保してのことであり、大変素晴らしいことです。
ところで、今年のコンサートは、前半でシューベルトとシュトラウスの歌曲を、そして後半は日本歌曲です。その中でも今年は、人気の高い木下牧子作曲の「六つのロマン」を演奏してくれます。ロマンチックでお洒落なメロディーたちを、サロンの空間に飛翔させてくれるでしょう。甘酸っぱく匂うような木下牧子さんの音楽を堪能していただけるものと期待しています。