リレーエッセー

今月の執筆者

中 川 端 月

人生の師匠

叱られる事が無くなったことの寂しさと不安は、責任として重く背負うようになりました。これからも師匠が健在なら、どのように対処し決断と指導をされただろうかと?私自身に問いかける日々が続いています。でも毎日を楽しく充実させて、日本南宗会の発展をどうすれば築けるか?毎日頭から離れることはありません。亡くなられた三島右畊先生は、それは思いやりと気使いはいつも頭の下がる思いでした。その反面、指導行儀にはとても厳しく、私ほど怒られた人はいないと思います。でも怒られる事は、見込みが有る証と自分に言い聞かせながら毎日指導を仰ぎました。

日本自由画壇の副理事長を勤められ、画壇の重鎮としてその重みを遺憾なく発揮され、それは多くいる会員がいつも回りを取り囲み、その気さくさや思いやりで魅了されていました。私たちが展覧会をしている所に、今でも「お〜やっとるな〜」と声をかけていただく気が毎回しますし、会員のみんながそう感じています。でも!「ここは何でこうなるか、この構図は変だぞ!もっと大胆にしかも細心の注意をして描かないか?あんまり説明するな!感じてもらえる様な絵を描け」と、声がかかりそうです。亡くなってその大きさと必要不可欠な存在がしみじみと伝わり感じています。

「人の事は悪く言うな!人の作品を批評、評論をするな!評論は評論家に任せておけばよい」と、きつく言われていた事を思い出します。自分が喜びたければ、人が喜ぶことをしなさい、人を泣かせたら自分の泣かされるはめになる、口ばかりではダメだ、自分が行動しろ、人の為になるように、常に心がけろ!」そのほかいろいろな事を師匠から学びました。事細かく注意を受けましたし、指導も受けました。これが私の宝です。そんな教えを、引き継ぎ仲間と共に師匠の意思を生かした日本南宗会の発展と、より一層の精進と努力を、会員みんなで意識しながら、支え合いながら、新しい人を育てて行けたらといつも思う所です。しかし、なかなか難しい面も多く苦労していますが、あせらず努力して参ります。皆さんも気軽に仲間になって、倉吉市美術展、東京の新国立美術館での日本自由画壇展本展と秋の東京都美術館での秋季展を目指して、人生の目標としませんか。やり始めたら続けることです。そして都合の悪いときには、歯を食いしばり細々でも続けることが大切なことです。これはなんにでも通用することです。皆さん頑張りましょう。私たちは、これからも力を合わせて水墨画を基調とした作品作りに努力します。    (日本南宗会)