今月の執筆者

松嶋園珠

「月曜短歌会」に入会して      

10年程前から短歌や俳句のテレビ番組に、心ひかれるようになっていた私は、退職したら本格的に短歌を学びたいと考えていた。

昨春退職して早々、赤瓦界隈を友人とブラブラしていた時に、そのチャンスは訪れた。

友人が高校時代の恩師と偶然出会い、一緒に話を楽しんでいるなかで、その恩師が短歌会に入っておられることがわかったのだ。私は早速短歌会に入会させて欲しい旨を伝えた。

縁もゆかりもない私を受け入れていただいたのは「月曜短歌会」で、そのひと月後のことだった。「月曜短歌会」は、毎月の第1月曜日に開催されている会で、その発足は相当古い。会員は14名で、和気藹藹とした中にも凛とした雰囲気に溢れ、何より短歌にかける想いの熱い方々ばかりの会であった。40年以上も短歌を詠み続けておられる方や、歌集を発刊したという方もおられたりで、未熟なわたしは、後悔の念にかられることもあった。

しかし、諸先輩の磨かれた感性や豊富な人生経験から生まれくる含蓄に富んだ短歌に触れることは数知れず、その刺激を糧に力量を高めていこうと気持ちを奮い立たせているこの頃である。数年前までは指導者を招いての歌会であったそうだが、現在は、会員間の意見交換による進行となっている。各会員の短歌を、毎月二首ずつ名前を伏せて一覧表にし、その中から各自が五首ずつ選歌。選歌した理由や、選歌しなかった理由等について忌憚のない意見交換をしていくという方法である。まだ私は、批評に悲喜このごもの状況だが、「とにかく沢山短歌を作ることが大切。そうする中で、飾らぬ言葉で素直に意見交換できる喜びの方が大きくなり気持ちの切り替えも早くなる。」との励ましが支えである。

奇縁からスタートした私の短歌修行は、まだ始まったばかり。私なりの一歩を積み重ねながら、日々精進していかねばと思っている。