今月の執筆者

堀内幸子

My favorite coffee     「ウ‐、寒むッ!」風雪の季節。山陰の冬は辛い。「アー!ハワイ島はやっぱり温かいんだろうなぁ」熱めのコーヒーを啜りながら、遥か太平洋に浮かぶハワイ島を想う。過去5回行ったハワイ島の温暖な気候、キラウエア火山や水平線へと続く大海原などの雄大な自然、おおらかでアロハな人々のスマイルなど、癒しの情景が次々と脳裏をかすめる。「また、行きたい。ウン、行く!」と一人でその気になってコーヒーを飲み干す。吹雪の日には、立て続けに2杯飲みたくなる。インスタントの粉をまたカップに入れる。でもね、本当は、ドリップのUCCのコナ・コーヒーだったらなぁ、と思う。スッゴク、うまい!サイコウ!

実は、ハワイ島に行って初めて、UCCがハワイ島にコーヒー農園を営んでいて、高品質の「コナ・コーヒー」を生産していることを知った。以来、UCC系のコーヒーには、優先的に目が向く。ドリップのコナ・コーヒーではなくインスタントのこな(粉)コーヒーでも。

☆(資料)「コナ・コーヒー」について

@  コナ・コーヒーって?

 ハワイ島の西海岸、コナ地区のファラライ山麓で栽培・収穫されたコーヒーのこと。

 農園が広がる一帯は、「コナ・コーヒ・ベルト」と呼ばれ、コーヒーミルやリテール・ショップ(小売店)が点在している。ブルーマウンテン、キリマンジャロと並ぶ世界三大コーヒーの1つ。特長は、すっきりとした酸味とさわやかな後味。本来はコナ地域で栽培された豆だけを使用した「100%コナ」だけがコナ・コーヒーと呼ばれる。最高級のエキストラ・ファンシー・ビーベリー・ファンシー・ナンバーワン、プライムの順で、この格付けによって値段も違ってくる。

A  おいしいコーヒーができる理由

火山島ならではの水はけの良さと弱酸性の土壌、適度な雨量、加えて昼には暖かい海風が吹き、夜には冷たい山風が吹く激しい寒暖の差、決して霜が降りない…。これらの条件がすべて揃っている。コーヒーは5月ごろ白い花(コナ・スノー:コナの雪)を咲かせ、8月から翌年2月ごろに真っ赤な実(コーヒーチェリー)を収穫する。

B  コナ・コーヒー」の歴史

 ハワイにコーヒーの木が持ち込まれたのは、1825年。当時のハワイ王国カメハメハ2世と女王らがロンドン訪問中に麻疹で死亡。遺体を乗せた船が帰る途中ブラジルに寄港した際、同乗者が持ち帰ったのが始まりと言われている。ハワイ島へは1828年、キリスト教宣教師が鑑賞の目的でコナに持ち込んだ。植えられたコーヒーの木は目を見張る早さで成長。鑑賞用としての栽培が流行し、数年で一帯はコーヒーの木だらけになったとか。

産業化したコーヒー栽培も、サトウキビ全盛の時代を迎えると価格が下がり低迷。サトウキビ栽培に適さない土地を離れて行く外国人農家が多い中、コナに残り、コーヒー栽培を支え続けたのは日系移民だった。1910年ころは生産量の8割が日本人農家によるものだったという。現在も、ハワイ島で日系人はコナ・コーヒー農園を経営している。

現在も、ハワイ島で日系人はコナ・コーヒー農園を経営している。2013.1.記) 

(倉吉日本語教室)