高速道路1,000円がなつかしい!

中川端月

 高速道路1,000円がなつかしい!

 原則「どこまで走っても1,000円」の高速料金制度がなくなって久しいが、あの時は良かった!

 最高の旅の始まりは、浦安を午後9時ごろ出発して東京に翌朝の7時ごろ到着し千葉市内の倉庫で3時間ほど作業した後、青森県八戸市まで走り続け午後7時半頃到着し、とりあえず夕食。その後、温泉施設を探してようやく大きなホテル内の風呂で疲れを癒し、奥入瀬渓流に向けて走り、次の日の準備をする。

 震災の2年前の7月の終りの事でしたが、埼玉あたりは灼熱地獄の様相がうかがえるようなとても暑い時でした。八戸まで走っても約3,000円で高速料金がかからなかった!安上がりの旅でした。朝早くは交通量の少ない事を知っていましたから、どこでも駐車が出来、好きなだけ奥入瀬渓流が歩き回れ、ゆっくりと時が流れ、静寂の中に渓流の響きが伝わる、そんな、人の少ない貴重な時間でした。

 その後、十和田湖から秋田県玉川温泉に向かい名前は知る人ぞ知る湯治場です。本物の岩盤浴を体験しました。1日の予定の所2日間いましたが、単なる観光目的では、癌と戦い打ち勝とうとしている人にとても負い目を感じた思いが今でも残っています。反省!話を聞くと、肺がんにやられ3年目で年2回半月の間車泊しながら、放射線の良く出ている所を心得ていて、そこで45分間岩盤浴を12回する、そんな人と長話したりしました。テントの中で話を聞くと治療目的での人がほとんどでした。よろよろしながらござを抱えて岩盤浴にいく人の多い事。皆、現状をよく理解し、必死に元の身体に戻したいと願い闘っている姿を見た時は、自分自身の健康に感謝しましたし、単なる物見では本当に失礼に当たるそんな気持ちで少しへこみました。

 元に戻って1,000円では四国八十八カ所の巡礼を計画し徳島近辺、高知周辺松山今治あたり、そして讃岐と日帰りコースでした。徳島と高知県の県境室戸岬、足摺岬周辺、宇和島から松山の奥地はさすがに日帰りにはならず、車中で泊まりです。毎日朝640分にはお寺に入り、しきたり通りに手と口を清め、灯明し納札を納め、若干の賽銭を入れ般若心経を中心としたお経をあげます。1寺に本堂と大師堂が有り、どちらも同じように手順を踏んで1カ所終了となり、次の寺を目指します。

 歩いて遍路する人、車でする人、団体で来る人それぞれですが、思いは共通する所があると思っています。

 八十八番が終われば1番札所に満願のお礼参りをし、その後高野山(和歌山県)奥の院に報告参りして、無事1回目終了となります。なんとも心洗われるのは、朝一番のお参りでお経を唱えている時で、ジーンと心にくるものがあります。

 これがあるから四国病になるのかなと思います。そんな気持ちになれるお蔭で、地域の上手にある家の墓と聖観音さんなどが居られる五所納堂石地蔵さんに、お経を唱える日が、休むことなく2年間続きましたが、3年を目標に続けようと思っています。

 高速はとても行動範囲が広がりありがたかった制度でした。今の休日、土日、深夜の5割引も来年331日をもって終了だそうです。今のうちにETC割引で楽しみましょう!取り留めの無い話で申し訳ありませんでした。