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ハロウィーン

 

毎年1031日はハロウィーン(Halloween)だ。ちなみにハロウィーンは最初の「ハ」ではなく、後ろの「ウィーン」にアクセントがある。近年は日本でもハロウィーンのイベントがちらほら行われているそうだ。ハロウィーンとは、ごく簡単に言うと、子供たちがお化けや魔女などの仮装をして、数人のグループで夕方から夜にかけて近所の家を回り、「トリック・オア・トリート!(Trick or treat!)」 「お菓子ちょうだい、じゃないと、いたずらしちゃうよ」と言って近所の人たちからお菓子をもらう伝統的な北米を中心としたイベントだ。

 

本来は子供のイベントだが、大人たちも楽しむために各地で夜にハロウィーン・パレードが行われる。若い人たちは自宅や店などで仮装パーティーをして騒ぐ。ニューヨークのマンハッタンでは毎年恒例のハロウィーン・パレードがビレッジで催され、主に若い人たちが様々な仮装をして夜の街をねり歩き、テレビ中継される。本来はフランケンシュタインとか、ミイラとか、ホラー系の仮装が主流なのだが、自由の女神とか、白雪姫とか、トランプのキングとか、特に決まりはなく何の仮装でもかまわない。その年にはやった有名人をモデルにした仮装というのも世相を反映して面白い。

 

私は独身の頃、毎日仕事が忙しくて、ハロウィーン・パーティーなどに行ったことがなかった。ある時、ハロウィーンの日だということすら忘れていて、夜、家にいたら親に連れられた子供たちが家のドアをノックして「トリック・オア・トリート」をした。「ごめんなさい、何も用意していないの。」私はハロウィーンのお菓子を買って子供たちが来る準備を全くしていなかったのだ。せっかく来てくれたのに。

 

その時から、私は毎年子供たちが来ても来なくてもハロウィーンのお菓子は用意しておくことにした。子供たちは安全の問題があるので必ず親など大人たちと一緒にグループで近所の家を訪問する。普段付き合いのないお宅へ行ってもよい。しかし近年は親が用心深くなって、あらかじめハロウィーンでどこのお宅に訪問するか事前登録制にしているコミュニティーも少なくない。たしかに、どんな危険な人が住んでいるかもしれない家を訪問するのも怖いし、子供をだしにして強盗が自宅をノックするかもしれないのも怖いと言えば怖い。

 

921017日に、ルイジアナ州のバトンルージュで、日本人留学生の服部剛丈君(高校2年)が、少し早い日程のハロウィーン・パーティに行く際に訪問する家を間違えて、怖い仮装をして他人の家の敷地内に入って、住人に「Freeze! (動くな!)」と言われてもその意味がわからず、ふらふら前進して、銃で撃ち殺されてしまった事件があった。あれは本当に悲劇だった。

 

さて、我が家ではハロウィーンの日は毎年お菓子をたくさん買って子供たちが来るのを楽しみにしている。うちは集合住宅だが、特にハロウィーン訪問の事前登録はなく、自由のまま。知っているお宅の子供も来るが、普段付き合いのないお宅の子供たちも来る。だいたい午後5時ごろから9時ごろまでの間に8グループくらい来る。お菓子はハロウィーンの為に各お菓子メーカーが工夫を凝らして小袋にした様々な種類のチョコレートやクッキーなどが主流。

 

友人の日本人女性は、ハロウィーンで近所の子供にカンロ飴のような丸くてかたい飴をあげて、後でその子の親に叱られたそうだ。「こんな飴、子供が喉を詰まらせて窒息したらどうするの?こんな飴を絶対あげちゃだめ。」と。たしかにその通りだ。カンロ飴で私は3歳か4歳の頃に喉を詰まらせて窒息しかけたことを鮮明に覚えている。その時、すぐそばに母親がいたので私は異変をすぐに伝え、母親がすぐ分かって背中をどんどん叩いて吐き出すことができて事なきを得た。そういえば、米国のドロップには丸い穴があいていて、商品名は”Life Savers”。誤って飲み込んでも喉は詰めない、命を助ける飴だ。

 

ハロウィーンは親たちも大変だ。この日の為に事前に、子供たちに仮装の為のコスチュームの用意をしなければならない。コスチュームは親が手作りする場合もあるし、店で買うことも多い。近年はインターネットで多種類のものが安価で売られているのでそれを利用する人も多いと思う。当日は、子供たちを夕方から近所を連れ回らなければならないので、少なくとも父親か母親のどちらかが勤務先から早く帰ってきて、準備をしなければならない。

 

ハロウィーンの伝統的な飾りは、パンプキン(オレンジ色の西洋かぼちゃ)をくりぬいて作る「ジャコランタン」”Jack-O’-Lantern”。これを作るのはお父さんの役目らしいけれど、固いかぼちゃをくりぬいてこの飾りを作るのは結構大変で、近年は少なからずの人は店で買うのではないかと思う。

 

我が家ではハロウィーンの飾りものとして小さなオーナメントを持っていて、それはパンプキン、黒猫、お化けのデザインだ。ハロウィーンの10日前ごろから室内に飾っている。子供のいるうちはもっと派手にハロウィーンの飾り付けをするお宅もある。家の中だけでなく家の外にもホラーものの飾り付けをしてお化け屋敷っぽく演出したりする。

 

私は今日、ハロウィーンの為のお菓子をスーパーで買ってきた。ハロウィーンの時期はうっかり体重が増えてしまう危険期間でもある。家に甘いものを買い置きしていると、つい食べてしまう。ハロウィーンが終わった後が一番良くない。残ったお菓子を捨てるのももったいないので自分が食べる。数日間お菓子が全部なくなるまで食べる。昨年はそれを避ける為に例年よりお菓子を少なめに買った。するとどういうわけか子供たちが例年よりたくさん来てお菓子が足りなくなってしまった。今年はどのくらい子供たちが来てくれるのだろう?かわいい訪問者が「トリック・オア・トリート」してくれるのが楽しみだ。