2015.1
今月の執筆者
福 井 康 夫
藍を織りなすー倉吉絣!
倉吉絣保存会は、吉田公之介会長をはじめ会員83名で活動しています。保存会は、昭和51年当時立ち上がり組織されまして、今年で38年を迎えます。私たちの年間の行事として、絣の着付け、展示、括りの講習会などの開催と、ふるさと工芸館での直売所の運営をなど行っています。さらに、鳥取短期大学などの支援を得て、今年は絣研究室も27年目の入学式でした。研究生の卒業作品の展示は毎年3月末に、倉吉博物館での発表が恒例となっています。研究生の一年間の成果を、是非見ていただきたいと思います。
また福井貞子先生による「伯耆しあわせの郷絣教室」でも、後継者の育成に取り組んでおられます。藍と白の世界の魅力は、これからも変わらず受け継いでいきたいと思います。
食欲の秋を迎えて!
原稿依頼を絣保存会の牧田圭子さんからいただいた11月6日は、松葉カニの解禁日でありました。
山陰の山海珍味は特にこれからがお酒と合います。そしてこの時期は、何よりも新そばが一番おいしい時期であります。お店でなく自宅で、手打ちの新蕎麦を初めていただいたのは、平成8年頃でありました。当時、長野オリンピックの開催前であり、選手村開催に向けた準備が進められていました。そこで、元県立倉吉農学校の田渕清美校長さんが修行と称して、選手村近くで蕎麦打ちを経験して帰ってこられました。少し自慢そうに出された蕎麦を、先生の家の縁側でいただきました。この時期になれば、ワインと新蕎麦をいただいた記憶が何時までも忘れることが出来ません。その後、私は「吉華」のお師匠さん、「藍染蔵そば同好会」の池田宣之の下で蕎麦打ちを楽しんでいます。
国際情勢は尖閣列島、竹島など領土問題でゆれています。2020年には東京オリンピックの開催が決定いたしました。かつて1978年の第33回長野国体のスローガンは「日本の屋根に手をつなぐ」でありました。今でも通用する大切な言葉であります。
先日、「藍染蔵そば同好会」と鳥取県国際交流財団による在住外国人の方々との蕎麦打ち体験交流をいたしました。この交流を通じて、改めて互いに手をつなぎ、理解しあう大切さと交流の楽しさを感じています。
(倉吉絣保存副会長)