VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)

本来手描きの画家であるはずが、すっかりデジタルへ浮気してしまった僕が注目している話題についてお話します。皆さんは、最近話題になっているVRARをご存知でしょうか。

VR「バーチャルリアリティ(仮想現実)」とは、特殊なゴーグルをつけることでゲームに登場するような架空世界から現実世界まで、あらゆる世界に今自分がいるかのような体験をすることが可能な最先端技術の名称です。

一方AR「Augmented Realtyの略。(拡張現実)」は、スマホやAR用ゴーグルなどを使い、現実世界に視覚的に情報を付加する技術です。有名なのが「ポケモンGO」です。自宅でもオフィスでも公園でも、どこでもポケモンが現れて楽しいです。

このARは一昔前に流行した「QRコード」の延長にある技術です。QRコードが専用2次元バーコードを読み取らなければ情報を得られないのに対し、ARはあらゆる写真や物に情報を付加できることが強みです。「ARナビキャラ」などは、企業パンフにスマホのカメラを向けただけで現実のパンフの上に3Dのキャラクターが出現し、企業案内をしてくれたり、ユーザーの質問に声で答えてくれたりします。まあ、ペッパー君が出てくるようなものですね。

さて、今度はVRの話ですが、VRのすごいところはその圧倒的な可能性と没入感にあります。特殊なゴーグルをつけることで、360度上下左右、どこを見ても設定された世界に「自分自身が入り込む」ことができます。自由に歩き回り、飛んだり跳ねたり触ったりできます。時にはデロリアンを操縦したり宇宙空間を飛び回ったり、好きなアイドルとディズニーランドでデートしたり、あるいは時空をさかのぼり亡くなった家族と一家団欒を楽しんだり・・・。人間のあらゆる夢や欲望をかなえてくれるのが、VRなのです。

VRはまだ昨年ようやく世に出たばかりの技術で、対応アプリケーションが少なくまだ身近とは言えないものですが、日本ではソニーがゲーム専用端末「プレステVR」を発売し、Oculus Rift(米国)やHTC Vive(台湾)などのハイエンド機種は世界最先端の仮想現実体験が得られこの2機種はVR業界をけん引する存在として世界中から注目されています。(秋葉原などで体験できる店舗があります。)

かつてスタートレックのエンタープライズ号内でピカード艦長が体験したホロデッキや、押井守監督の映画アヴァロンで主人公アッシュが戦った仮想戦闘など・・・古今東西のさまざまな映画や小説のキャラクター達が体験した「ヴァーチャル空間」が、今や私達自身が体験できる時代となってしまいました。

マイクロソフト・グーグル・アップル・フェイスブック・ファーウェイ・・・世界中の有名IT企業がこぞって開発競争するVRとAR・・・・。あなたが目にしている世界は、もうすでに「現実」ではなく、作られた「仮想世界」かもしれませんよ?

(画家・山根大和)