今月の執筆者

     土井 承夫

初秋の候、皆様には益々ご清祥の事と存じます。私は、現在、倉吉市の福庭公民館の責任者の一人を務めさせて頂いており、毎月第一土曜日に開催される定例公民館役員会で、その月のトピックスを中心にして短い随筆の形で報告を行っております。すでに、2年目に入り15回を数えるに至りましたが、その中で住民の皆さんから反響のあったものを下記致します。

1. 平成28年5月7日報告

 国民的人気を博した「あさが来た」の後継として始まった朝ドラ「とと姉ちゃん」も好調だ。

 結核での死を間近にして、「とと」が妻と幼い3人の娘に語った「当たり前にある日常は、かけがえのないもの」との言葉は胸に響く。公民館活動もこの精神で勤めたい。

 「当たり前にある毎日、それはとっても大切な一瞬の積み重ね。いつ失うか分からない。」とも…

2. 平成28年6月4日報告

 先月は朝ドラの話だったので、今回は大河ドラマ「真田丸」です。秀吉の命で宿敵、家康の家来に降格された真田家当主「昌幸」が息子信繁と信幸にぽつっと言った「辛い事があれば、その分良い事もある。世の中は良くできておる。」…ダイアナ・ロスの歌にも同じ趣旨の英語の歌詞、

Valley,mountain,There is a fountain. Washes our tears all awayがある。人種言語を超えて人の想いは同じだ。

3. 平成28年9月3日報告

 8/6、リオ・オリンピックの開会式生中継を観た。開催が危ぶまれていたにも拘わらず、今までのオリンピックに引けを取らない素晴らしい出来だった。その中で、「Celebrate Difference」(違う事、異なる事を祝おう!)のスローガンが印象的だった。私も家族で、多民族国家で生活した事があるが、人種、言語、宗教等の異なる人々が一つの国民として暮らす事の難しさは身に沁みている。ブラジル!頑張れ! 

4. 平成2811月5日報告

 この前、大阪からバスで倉吉に帰ったが、途中久しぶりに院庄を通り車窓からその景色を観た。大正15年生まれの父が生前、尋常小学唱歌「児島高徳」の話をしていたのを思い出した。忠臣、児島高徳が隠岐に流される後醍醐天皇を院庄で必ず救出致しますと誓って歌った「…御あと慕いて院の庄」、そしてあの有名な「天、句践(こうせん)を空しゅうする莫(なか)れ。時、范蠡(はんれい)無きにしも非(あら)ず。」は若輩の私の身にも響く。この漢詩や「仰げば尊し」の古文の連体形の係り結び「今こそ別れめ」などが教科書から消えてしまった。無念に思うのは私だけか…

. 平成2812月3日報告

 日頃、日本で英語だと思って使っている単語が実は海外では全く通じない事例がある。「カットバン」「バンドエイド」は「プラスター」と言わないと通じない。「ホッチキス」は日本語で「ステイプラー」だと通じる。英語圏に行って「マンション」と言ったら、これは一戸建てのそれも豪邸の事。日本で言う「マンション」は「コンドミニアム」と言うのが正しい。

 皆さんが夜、街に飲みに行く「スナック」「クラブ」も外国では通用しない。「ラウンジ」と言えばタクシーの運ちゃんも連れて行ってくれる。

6. 平成29年3月4日報告〜「豪雪を体験して」〜

今年は、1月、2月と記録的な大雪となり、特に2月は倉吉の観測史上最大の  62センチの積雪となった。各種社会インフラが麻痺し市民生活に大きな支障がでた。長時間の雪かきで苦労された方も多いだろう。これに関し、札幌の友人に北海道の除排雪の状況を聴いてみて驚いた。札幌では62センチ程度の雪では 日常生活に全く問題なく、10センチの 降雪でも除雪車が深夜中除雪し 通勤通学時に間に合わせるとの事。総除雪道路の距離は5,400キロで、これは稚内から鹿児島までを往復するのと同じ。しかし、その除雪総費用は年間約200億円で、毎年この金額の雪を運んでは、それが春には溶けてなくなるという生産性の低い話。雪国の大きなハンデイだ。然し、反面札幌の重要な冬場の産業となっていて、雇用等の経済効果がある事は否めない…さて、皆さんは倉吉と札幌のどちらに住みたいですか?…

.平成29年6月3日報告

〜広島カープ

快進撃を支える驚くべき話〜

「神ってる」は昨年の流行語大賞。今年も広島カープは絶好調だ。ご存じない方のために一言…「広島城」は別名「鯉城(りじょう)」という。その「鯉(こい)」は英語で「CARP(カープ)」といいます。これが球団名の由来です。

このカープのスカウト統括部長に苑田聡彦(そのだとしひこ・71歳)というスカウト人生40年の方がいる。人を色メガネで観るのはいやで、野球だけの 技術よりも大切にしているものがあるという。

東都大学野球リーグの試合をベンチわきのスタンドで観て、ベンチの中の選手の態度や表情、また帰ってくる仕草で、この選手がプロで通用するかどうか、大体の事が判るという。「今日は2本ヒットを打ったからいいや」ではなくて、味方のピッチャーが点を取られた時に「頑張れ」と一言励ます事ができるどうか…自分が良ければどうでもいいという人はチームプレーが出来ないし勝負にも勝てないという。

潤沢な資金力もつ球団とは違って他球団からの補強を積極的に行わない広島カープは、常に自前で選手を育成してきた。そうして苑田さんがスカウトしてきた沢山の選手の中で忘れられない人がいる…専大で無名だったピッチャー あの「黒田博樹」だ。

この苑田さんの話は、私たちの日常生活や公民館活動の上でも参考になるのではないでしょうか。なお申し添えますが、筆者はカープファンではなくて昔から熱烈なタイガースファンす。お間違えの無きように。

〈解説〉何よりも人間性を重視した苑田聡彦さんがスカウトし、育てた選手は他に、次の人がいます。

江藤智 88年ドラフト5位

金本知憲91年ドラフト4位

*以上ですが毎月報告しているので他にも沢山の文章があります。ご希望の方は、私の携帯(080-4261-1979)にご連絡下さい。直ぐに原稿をお届けします。

また、メールでもお送りできます。その旨ご指示下さい。

ありがとうございました。

  (混声合唱団 「みお」)