「恩師の言葉に導かれて」
コールげんげ 樋口雅恵
私は、三朝の「コール・げんげ」でピアノ伴奏をさせていただいています。
早いもので、伴奏させていただくようになって、もうすぐ2年になります。
伴奏のお話をいただく、数カ月前に、私が大学の時に師事していた、河上敬三先生の訃報の知らせがありました。先生は、白髪で、背の高いダンデイーな紳士で、いつも優しく、レッスン以外でも、「何か困っていることはないですか?」などと、一人暮らしの私を気遣って下さいました。私が、卒業後は、倉吉に帰りますという話をした時は、「地域の文化に貢献できる人になりなさい。」という言葉をいただきました。
「コール・げんげ」の伴奏のお話をいただいた時、先生の言葉と優しい笑顔を思い出し、お受けすることにしました。げんげの皆さんは、とっても明るく、ポジティブシンキングな方ばかりで大好きです!本番の後は、「いい声が出てたよ〜。本番が1番よかったね〜。」という声が飛び交い、私までその気になって嬉しくなってしまいます。
指揮者の小谷先生とは、大学卒業してすぐに、鳥取中央育英高校の音楽部の合唱伴奏をさせていただいた時から繋がりがあり、この度、十数年ぶりに、またご一緒出来て嬉しく思っています。毎回、楽しい合唱指導で、皆さん楽しみにしておられます。
「コール・げんげ」は、ボランティアの訪問演奏を続けておられ、三朝温泉病院やひまわりさんなどに行かせてもらいました。なかなかコンサート会場に足を運ぶ事が出来ない方もいらっしゃいます。そういった方達のために、私達の方が出向き、音楽と元気をお届けしています。病気で入院されている方、私の祖父母と同じ位の年代の方が、童謡メドレーを嬉しそうに一緒に歌ったり、涙ぐんで聴かれている姿を見ると、音楽の力ってすごいなぁと思います。私の今までの「本番」のイメージは、教室の発表会にしても、何かの伴奏にしても、何処かのホールのステージ上でするものでした。訪問演奏という、聴いて下さる方との距離がとっても近い「本番」は初めてで、新鮮でした。毎回、とっても喜んで下さる姿を見ると、恩師の言葉のように、地域の文化に微力ながら貢献できているかなと嬉しく思います。
現在、「コール・げんげ」は、12月3日に行います20周年記念コンサートに向けて準備を重ねています。心に響く良い曲ばかりです。是非、ご来場いただきますようお願い申し上げます。