今月の執筆者
藤森美奈子
「第九1年生、
第九のススメ」
私の住んでいる琴浦町赤碕は海辺の町で、しかも船上山の伏流水のため、お水が大変おいしい所です。
それだから、お米や海の幸・山の幸もすべて、あまり手を加えなくても素材の力で美味しく食べられます。こんなに食べるのも好きな私ですが、この頃、といっても2年前から地元のコーラスグループ「まどか」に入団したことがきっかけで、音楽と接する機会が増え、ジャンルにかぎらず、音楽を仕事としている人、その周りの音楽に携わる人、とりわけコンサートなどで歌う人と楽器を演奏する人の呼吸がピタッと合っているとき(演奏者の方からは、当たり前だと言われそうですが)、私たちにそうやって感動を与えてくださる人を尊敬するようになりました。何回か発表会もあり週1回の練習で、歌うレパートリーも増えました。
この次は、中部では3年後になるという第九のコーラスにも挑戦してみました。5月の終わりに募集があり、暑い時期から練習場である成徳小学校の音楽室に行き、経験者さんの近くへ、近くへ移動しながら音をとり、合わせて家や車でも練習用CDを聞きながら練習しました。秋の終わりのある日、初のオーケストラに合わせる段になり、ホールの扉を開けたとたん、その音のすばらしさと、ソロの方の声量に、これまで味わったことのない、ホール全体がつつまれたような、心の底から体がじわーっと暖かくなる感じがして、じーんときてしまいました。
そして、ここに集うオーケストラ・声楽の方々は、個人個人で鳥取県外に音楽の学校に行くなり、勉強して来られて、県全体の音楽のレベルを上げておられるのだということも解りました。本番の日は雪にもかかわらず友達も聴きに来てくれました。そこにも感動しましたが、何より、このオーケストラと合唱の一員になって歌えたこと事体、深く胸を打ちました。そして、歌ったあと、なぜか気持ちがすっきりしました。
コーラスグループでは通常ピアノの伴奏です。地元にコーラスグループがあって、ピアノ奏者がおられる事を大変ありがたく感じています。第九1年生の私が言うのも笑われると思いますが、もし、あなたがコーラスグループに在席していらして、まだ第九デビューしておられない方なら、一度試してみてはいかがでしょうか?経験者さんが少なからずおられる理由がきっとわかりますよ。
(女声コーラス「まどか」)