今月の執筆者
福原明知
交流そして自立へ
〜登校拒否・不登校、
引きこもりから学ぶ〜
わたくしは「父母の集い」に参加して10余年になります。
会の名称はトトロの会、世話人代表3人のお名前で2ケ月ごとに「倉吉トトロの会・定例会ご案内」が送られてきます。案内状のデザインが素晴らしいのです。何か参加したくなるような気分にさせるのです。ちょっとした絵そして文章、「家の周りでは、水の張られた田んぼに若田が整然と並び、田を渡る風に揺れています」また、「あたたかい飲み物を用意してお待ちしています」「今年も無理なく続けていきたいと世話人一同考えています。」
トトロの会にわたくしが出席するようになったのは、現職の時から登校拒否(不登校)の子どもたちとかかわってきた経緯がありました。子どもとのかかわりは、親御さんとの交流も必要になってきます。私は親御さんや子供たちとの交流から学んできました。どう考えれば、どうすればこの子の自立が促進されるのかなどと考えながら聞きいっています。わたくし自身は、登校拒否の子どもたちとかかわっていくためには、自らの勉強が必要だと意識しながら大学院での研究にも取り組んでもきました。しかしながら、何といっても子供さんと親御さんについてしっかり理解していくことが大切だと思い、実践的に親御さんと対象の子どもたちの中に飛び込んでいくことの重要性を意識しながら、今日までそのような場で学んでいます。
トトロの会は毎度、わたくしに学ぶチャンスを与えてくださっています。年回6回の会合には、時に欠席もしますが可能な限り出席するように心がけ、ここ10余年親御さんや子どもさんの気持ち(心理)の理解に役立つ多くの実践的な勉強をさせていただいています。
例会では、私がしゃしゃり出てお話しなどをすることはありません。多くはご出席の親御さん、時には当事者である子どもさんたちのお話を聞きながら、聞き役といいましょうか、時には必要なことかな?と思うことがあれば、お話の中に割り込むという姿勢で今日まで交流に参加させていただいています。
私が思いますのは親御さんと子どもさんたちの交流ですから、そこに集う方々は登校拒否・不登校の経験を持っておられる親御さんたちが多く、かつて経験者であったが今では立派に成長しておられる子どもさんなどが出席され、自由にお話に参加されています。お互いに学んでおられる様子が伺えます。時に共感して笑い声が出たり、思い余って涙がにじむようなお話が語られます。こうすることでお互いが持つ悩みの鬱積が解きほぐされ、相互の理解がすすみ登校拒否(不登校)の理解が親子に染み入ってくるだろうと思います。こうしてお互いに自立する道筋を探求しているのだと思います。少々時間がかかっても、まっとうに自立する道ではないだろうかと思っています。
子どもさんが学校へ行きづらくて悩んでおられる親御さん、引きこもりなどで日常的に困っておられるご家族の方々、あるいは関心のある方など、トトロの会においでになると、大変参考になると同時に、親子、他人の関係が有効に作用するようになるのではないかと思います。ご出席をされてはいかがでしょうか。 (倉吉トトロの会・セルフカウンセラー)