リレーエッセー

田中希美

『いちばん星に祈る〜

それが私のくせになり〜

♪〜夕暮れに見上げる空〜♪』

今回はカラオケでもよく歌われている『ハナミズキ』の中の 『いちばん星』についてお話させてもらいたいと思います。

これはまだ私が高校生をしていた頃、いうなれば1980年代の話なのですが、『宵の明星、明けの明星』いう言葉がなにかの教科書にあったのを記憶しています。

地球は24時間かけて自転・みずからが回転しながら、約365日かけて公転・つまり太陽の周りの軌道を1周します。地球は地軸がわずかに傾いているので、1番太陽に近い赤道付近では常夏であり1番太陽から離れている南極北極は常に極寒の地です。その間の中緯度の地域は、日本もそうなのですが太陽に近い時期の暑い夏の時期と太陽から離れている時期の寒い冬の時期があります。それに至るまでの春や秋もあります。この中緯度のあたりでは春夏秋冬がはっきりとしていますね。

地球以外にも太陽系の惑星はすべて太陽の周りを公転している。金星も惑星のひとつで地球より内側の軌道で太陽の周りを回っています。

水・金・地・火・木・土・天・海

どこかで聞いたことがあると思います。

惑星の太陽からの順番を覚える時の覚えかたですね。

金星は太陽から2番目。太陽の光を浴びて輝く金星はピーク時には火星の約150倍もの明るさで地球から見ることができると言われています。

明星とは金星の別名で他にもその分野で光彩を放っている人・スターという意味もあります。また明星はあかぼしとも言われ、ルビーのような星とも言われています。

ローマ神話では美の象徴であり

Venus

と表現されています。

しかしこの金星はなどの惑星は、みずからが自分自身で光を発している星・例えば太陽のような恒星ではなく、太陽に近いからというだけで金色に光輝いているのだ。また月と太陽を除いて1番明るく地球から見えるから1番星とも呼ばれている。

だからこそ、わらべ歌や絵本などにもよく表現されている『いちばん星、みーつけた』の『いちばんぼし』が金星である美の象徴のVenusであり、スターの今イメージなのです。

実際の金星は二酸化炭素を主成分とする分厚い大気におおわれています。その地表近くの大気圧は90気圧にもなり、温室効果的に地表付近の温度が470℃にもなっているとか。そしてその上空は自転の約60倍の時速約400キロメートルもの暴風スーパーローテーションが吹き荒れています。

面白いことにこの金星の自転周期は243日と異様に長いです。これは地球が自転する24時間の243倍という意味で、惑星の中で最長と言われています。そして地球よりとても短い周期の225日かけて太陽の周りを回っています。まあそれは地球より内側なのだから周期の軌道が短いから当然なんですけどね。それより何より自転とは真逆の方向に公転するのが金星。これは惑星の中では金星と天王星のみ。

まさにフリーダムな象徴 !!

太陽の近くに存在するというだけで黄金に光輝いてVenusの異名を持ち美の象徴のように言われていますが実際の金星はこんな感じです。美の象徴Venusのイメージとは大違いですよね。

イメージついでに勝利の女神像について一言。

よく凄く美人の彫りの深い西洋系美人の顔でロングヘアの勝利の女神像をよく見かけます。これもまさにVenusのイメージなんでしょうね。

だからこそ私はルーブルの『サモトラケのニケ』こそが勝利の女神だと思っているのです。

Venusのイメージではなくて真の金星のような強さを持つ力強さの象徴でフリーダムな自由の象徴とでも言いましょうか。だからこそ自由を求める翼があるのだと私は思います。