海外在住日本人の特典

色々あるのだけれど、まずジャパン・レール・パス。ＪＲグループが外国人の日本旅行促進のために作ったもので30年以上前からある。これは日本国籍者で日本国外に連続10年以上在住する人も購入できる（在外公館での在留証明が必要）。新幹線ののぞみとみずほには乗車できないが日本中のＪＲ鉄道網とＪＲバス、ＪＲの船に乗り降り自由で乗り放題のパスだ。指定席もとれる。連続する７日間、14日間、21日間の三種類があり、さらに普通車用とグリーン車用がある。日本国外で購入する。値段は表の通り（2019年現在）。

私はジャパン・レール・パスを過去何度も使ったことがある。日本帰省時に独身の頃は日本国内をこのパスを使ってあちこち行った。新幹線は速いから特に便利で、大阪の友達の家に連泊していた時、東京まで日帰りで美容院に行ったこともある。東京に住んでいた頃ずっと何年もお世話になっていた美容師さんに髪をきれいにしてもらいたかったから。東北新幹線が盛岡まで開通して間もない頃、用もないのに東京から盛岡まで日帰りしたこともある。広島の実家に滞在中に日帰りで博多に行ったり、大阪の友達に会いに行ったり。大変助かる。

夫と一緒に日本帰省する時は日本旅行もするので、このパスを使って東京・広島・神戸・大阪・京都と回って東京に戻ったり。しかし近年は夫と一緒の時はゆったりとした旅程を組むことが多いので、ここ数年はジャパン・レール・パスを買っていない。私たちは沖縄に５年前に初めて行った時から沖縄が気に入って、日本の国内線飛行機のエア・パスを買うようになった。

これは日本航空と全日空が別々に運営しているエア・パスで、日本を訪問する外国人旅行者向けだが外国在住の日本人も購入できる。外国在住を証明できればよく、ジャパン・レール・パスのように10年以上外国に滞在していることという要件はない。海外から日本への往復航空券（どこの航空会社の航空券でもよい）を購入済みであることが条件。購入は日本国内では買えず、海外で購入する。

日本航空の場合はJAL Welcome to Japan Fare というものがある。日本航空の国内線ならどこでも距離に関係なく（すなわち羽田・大阪間でも羽田・沖縄間でも同じ）片道１区間を１万３千円プラス消費税で、最低２区間から５区間まで購入可能。値段はとてもお得だ。全日空の場合はANA Visit Japan Fareというものがあって、同じく片道１区間１万３千円プラス消費税で２区間から５区間まで購入可能。日本航空と同じ仕組みだ。

これと紛らわしいが日本航空が提携している国際航空会社グループのOneworld Yokoso/Visit Japan Fareと呼ばれるものもある。こちらは１区間から購入可能で１区間１万円プラス消費税だ。しかしこれは海外から日本への往復航空券はOneworld系列の航空会社の航空券を購入している人でないと買えない。ほかに全日空が提携する国際航空会社グループのStar Alliance Japan Airpassというものがあったのだが、これは２０１５年に廃止された。

特に沖縄や北海道など遠距離を旅行する場合はこの日本国内線のエア・パスがお得で便利が良い。３年前に夫と私は日本旅行で大阪から沖縄、沖縄から広島、鳥取から羽田という旅程で使った。去年は東京から沖縄、沖縄から長崎という旅程で使った。

次に別の特典は、航空会社のクレジットカードを作る際のボーナスマイルがとても大きいことだ。これは米国在住者の話で他の外国ではどうかわからないが、米系航空会社が発行するクレジットカードを作るとボーナスマイルが４万マイルとか５万マイルとかつくので、すぐに無料航空券や無料アップグレードを獲得できるのだ。

時期によって特典の内容が多少違うが、たとえばアメリカン航空のクレジットカード(Citibankのマスター)を作って３カ月以内に２千５百ドル使うと５万マイルのボーナスマイルがもらえる。会費は初年度無料で、翌年から１年99ドル。

日本にもアメリカン航空のクレジットカード（りそなのビザ）があるが、日本発行のクレジットカードはボーナスマイルがえらくケチだ。アメリカン航空クラシックワイドカードと呼ばれるもので入会ボーナスマイルはたったの２千マイル。年会費は８千円で初年度無料。ゴールドカードでも入会ボーナスは５千マイルで年会費は１万５千円だ。

全日空のワイドカード(ビザ、マスター、ＪＣＢ)の入会時のボーナスマイルは２千マイルで年会費は７千５百円位。日本航空も似たようなものだ。ちなみに米国発行の全日空や日本航空のクレジットカードもあるが、日系航空会社のクレジットカードはなぜか入会時のボーナスマイルがケチで、多くても１万マイルとか５千マイル位しかつかない。

米国ではホテルグループのクレジットカードもボーナスポイントがすごい。たとえばヒルトングループのクレジットカードを作って３カ月以内に２千ドル使うと13万ポイントボーナスがつく。年会費は95ドル。ポイントはホテルの無料宿泊に使ったり、航空会社のマイルに交換することもできる（ポイントとマイルの交換比率は航空会社にもよるが３対１程度）。マリオットグループにも同じようなクレジットカードのシステムがある。

私と夫はヒルトングループとマリオットグループのクレジットカードを持っている。今年３月にマリオットホテルグループのポイントを使って、マイアミのノースビーチにある高級ホテルSt. Regis Bal Harbour に一泊した。３月はフロリダはとても気候が良く、ハイシーズンなのでとても料金が高くて普通に泊まると１泊千ドル位だが、６万ポイント使って無料で宿泊した。

余談だが、この無料宿泊はたまたまだが超ラッキーな宿泊となった。もともと65平方メートルくらいの部屋を予約していたのだが、当日チェックインの時間になっても部屋が準備できておらずホテル側の都合で、スイートルームにアップグレードされた。それも一番大きな２５０平方メートルのオーシャンフロントの豪華なスイートルームだ。ベッドルームが二つでそれぞれにキングサイズのベッドがあり、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチンもある。トイレとお風呂は３か所。広いバルコニーも三つ。私は子供のころからくじ運が悪くてなにも当たったことはないのだが、これはまるで宝くじに当たったかのような幸運ですごくうれしかった。