今月の執筆者

吉田 貴子

昭和・平成・令和                    

ご縁があり、合唱をするようになって、数年がたちます。少しだけ我が家のエピソードをお話しします。

 私は昭和でいうところの適齢期をチョッピリ(?)過ぎた年齢で平成二年に結婚しました。結婚をしたら子供はすぐにできると思っていましたが、コウノトリはすぐに運んでくれませんでした。道に迷ったのか、はたまた我家がわからなかったのか、我家にきたのは結婚して6年目でした。

 すくすく成長していったある日の出来事です。職場の人が私の車に落書きがあるよと教えてくれました。半信半疑で見てみると、うっすらですが、立派なグルグル渦巻きがボンネットに…他にはないかと後ろにまわってみると、なんとうっすらと私の名前が…ひょっとして…。その日帰っておそるおそる息子に聞いてみました。「おかあさんの車になんか書いた?」「うん!だって名前書かんといけんって言うが」確かに、…そんな長男は、今春大学を卒業し社会人1年生で頑張っています。

 長男が運ばれてきてから三年後、コウノトリは我が家に男女の双子を運んできてくれました。何をしているのかわからないくらいの速さで日々が過ぎていきました。夜の授乳も時間差で、♪からす、なぜ鳴くの…♪と歌いながら二人を寝かせると東の空が白くなっていく、そんな日も珍しくありませんでした。一才を過ぎたくらいの頃でしょうか、二人がいるだけで賑やかなのに、すごく静かな日がありました。その日は出前を取り、器のはいっていた入れ物を床に置いていました。「どうした?」とそっと台所に行ってみると、その入れ物の中に二人が入っています。そして日本語ではない()言葉を上手に使い、楽しそうに、おしゃべりをしていました。「これが双子なんだ」と思った瞬間でした。そんな二人もそれぞれの、道を歩み来年は成人式を迎えます。平成という時代は結婚・子育て等々、あわただしいのに加え、人生でこんなことってあるんだと思うようなこともありました。でも心がホッと温かくなるようなことが沢山ありました。そして人と人との繋がりの大切さを感じた時代でもありました。

 いよいよ新しい時代「令和」がやって来ます。人と人との繋がりを大切にし、少しゆったりと笑顔をたやさないように日々過ごしたいと思う今日この頃です。

(コール・ウィンドミル)