2019.12月号
フロリダで民泊
ニューヨークから夫の親戚たちが休暇でフロリダに来た。夫の弟夫婦、夫のいとこたち、いとこの友達たちで全部で6人。彼らはAirbnb(エアビーアンドビー)というウェブサイトで予約する民泊システムをつかって隣町の一軒家をレンタル。夫と私、それから近くに住む夫の娘夫婦が招待されて遊びに行った。それで総勢10人のうち3人が偶然にも10月終わり頃の誕生日なので合同でバースデーパーティーを開いた。
5寝室、バス・トイレが3つ、キッチン、食堂、リビングルーム、大きなテーブルが置ける広いパティオ、プール、屋外ジャクージ(日本でいうジャグジー)。リビングルームには電気式のデジタル暖炉があった。フロリダはハワイのように常夏なので暖炉のある家は少ない。だが暖炉の火を見ると人間はリラックスするので暖炉に一定の人気がある。ニューヨークのような寒冷な州の郊外では暖炉がある家は多い。しかしフロリダでは暖炉はあるとしても熱くならないデジタル暖炉なのだ。
民泊の値段を聞いたら一泊3百ドルだと言っていた。私たち夫婦はエアビーアンドビーを使ったことはないのでよく知らなかったが、彼らは何度も使ったことがあるそうで、特に大人数で行く時は一軒家を借りると広いし、人数で割るとホテルよりずっと安上がりでよいと言っていた。オーナーは遠くに住んでいるそうで、この家の近くに管理人を雇っている。彼らが到着した時にその管理人がこの家で待っていて、部屋の案内や備品の使い方などの説明をし、鍵を渡してくれたそうだ。
私たちはフロリダに住んでいるので10月末になって真夏の猛暑がようやく去り、まともな夏の気温になってほっとしていた。しかしニューヨークの10月末はもう寒い。家には集中暖房がすでに入っている。紅葉のピークでとても美しい時期だ。ニューヨークから来た彼らにとってはフロリダはビーチやプールを楽しむ所だ。彼らはその民泊に着いた初日の午後から庭のプールで楽しみ、近くのビーチにも行ったそうだ。初日夜の写真を見せてもらったが、庭のプールは夜にはライティングがされていてプールの水が紫や緑や紺色に輝いてきれいだ。
パーティーは午後3時頃始まって、庭のプールで泳いだり、プールサイドでしばらくおしゃべりをしたり、アペタイザーや飲み物を楽しんだ後に、バーベキューが始まった。ハンバーガーとホットドッグを焼く。フロリダ州は湿地帯が多いのでガスラインが来ておらず、どこの家もオール電化だ。庭のバーベキューグリルはプロパンガス式だ。
他の食べ物はコールスロー(キャベツの千切りをマヨネーズであえたサラダ)、煮豆(日本の金時豆の小さいのと似ている)、それから私たちが持って行ったポテトサラダ、民泊のオーナーがくれたフルーツ(パイナップル、リンゴ、バナナ、オレンジ)、そしてバースデー・ケーキ。
翌日は彼らはパームビーチのダック・ツアーと呼ばれる観光に行った。これは水陸両用のバスでもありボートでもある乗り物に乗って、パームビーチの街を走り、それから海岸から海に入って、オーシャンフロントに建ち並ぶ高級別荘、豪華なホテル、ヨットなどを眺めるというものだ。ツアーガイドがユーモアたっぷりに観光ポイントを説明してくれる。ダック・ツアーのダックはアヒルという意味で、アヒルは陸も歩けるし、水上も泳いで進める。
話がそれるが、この水陸両用の乗り物は洪水の時に威力を発揮する。つい最近、日本で大きな水害が連発した。こういう時にこの乗り物があれば多くの人を素早く助け出せる。特殊車両なので多分高額で、水害救助目的で各自治体がこの乗り物を保有することは困難だろうが。
ダック・ツアーの後、夫の弟夫婦といとこたちは、夫と私が住む家に遊びに来た。米国では客を応接間に通すだけでなく、全部の部屋を案内して客に見せるのが普通だ。新築の家を買ったのでそんなに掃除を気にしなくてもよいので助かる。お茶だけして、その後クラブハウスを案内しに行った。うちはゲイティッド・コミュニティーと呼ばれる塀で囲まれた地域に6百軒位ある家の中の一つで、ゲイティッド・コミュニティーには、クラブハウスと呼ばれる施設が中央にある。
カフェ、プール、テニスコート、ジム、ヨガやピラテスなどのフィットネス・クラスをやるフロア、ビリヤードの部屋、カードゲームの部屋、ステージのある大きなホール、イベント用のキッチン、事務所などがある。そこを一つ一つ案内して、最後にジムのフロアの大きな鏡の前に並んでみんなで一緒に記念写真を撮った。楽しい週末だった。