文化サロン第11期 音楽サロン「第九を歌おう」
第7回 「対立の構造 二重フーガ」 (11月11日)


〈 感 想 〉

 今回も、第九演奏のためのオーケストラ練習・合唱練習の様子を鑑賞しました。
 合唱では、660小節あたりからのフーガを練習していました。私達も楽譜を見ながら歌を追っていきましたが、どうやったらこんな曲を創ることができるのだろうと不思議に思いました。複数の旋律が絡み合って、ぐちゃぐちゃになるわけでなく一つの素晴しい作品になってしまうところが、私にとっては奇跡のように感じました。この第九という作品がどのようにできていったのか、当時のベートーヴェンの頭の中を覗けるものならぜひ見てみたいものです。
 映像鑑賞後も、フーガのことに迫りました。フーガ(遁走曲)とは、『ひとつの主題を複数の声部が模倣しながら、後続の旋律が次々に追いかけ、または絡み合いながら演奏する様式の曲』のことだそうです。同様に旋律を追いかける「カノン」という形式との違いなどを講師の三谷さんに教えて頂きました。第九とは別の、もっとシンプルなフーガの曲も聴くことができましたが、改めて不思議で面白い形式だと感じました。
 その他にも、今回は『テンペスト』、『悲愴』第2楽章など、ベートーヴェンが作曲した他の作品や、別の作曲家(19世紀後半)の作品をいくつか聴くことができました。聴き比べを行うことで、音楽も美術作品と同じように「作風」というものがあるのだということを実感しました。今日聴いた中ではドビュッシーの『夢』が一番お気に入りだったのですが、彼の音楽は俗に「印象主義音楽」と呼ばれていることをサロンの後に知りました。絵画では「印象派」とされているモネの作品が好きなので、美術と音楽の好みは似通うのかもしれない、という発見ができました。芸術を通して新たな発見を得られることをとても嬉しく思います。来週も楽しみです。

(倉吉市/20代/女性)