文化サロン第12期 哲学サロン「第二の性(ボーボワール)」
第3回 (1月20日)


〈 感 想 〉

今回も、「男」「女」というのは社会的に作られた役割であるということを、様々な視点から考える映像を鑑賞しました。その後、男女共同参画センター「よりん彩」の職員の方とともに、映像の感想や男女共同参画のことなどについてお話をしていきました。
 映像は、女性の胸や脚などを強調した広告や、化粧やファッション、美容整形、夫からの暴力など多岐にわたる話が紹介されました。それらから見えるのは、女性にこうあってほしい、こうあるべきだという男性の幻想から生まれた「女性の神話」が社会の中に深く根付いているということでした。最初に女性という区分けが行われることによって、「女性は美しくあるべき」「女性は男性に従うべき」という、ひとりひとりの考えや能力を無視した役割を押し付けられるということを、繰り返し主張していました。
 映像とその後の話の中で考えたことは、男女共同参画の定義である「男女が社会の対等な構成員」となるためには、それなりの能力と責任が求められるということでした。私は、職場で求められる能力など、社会に参加する上で必要な能力が全体的に乏しいことを自覚しています。そのため、今までは日本の社会に残っている「女性であるから」「まだ若く未熟であるから」という隠れ蓑を使ってどうにか生きてきました。それは、男性に従う役割を担うことで得られる利点を活かした小狡さを含んだものであり、精神的な弱さを抱えた自分が潰れないように生きていくため、意識的に選んだやり方でした。
 しかし今後、自分が持っている「こうありたい」という意志に沿って生きていくためには、更なる成長が必要であることをこの講座で再認識しました。男女共同参画社会の実現のためには、社会全体の制度や意識が変わることも必要ですが、ひとりひとりが社会に参加し生き続けるための能力を備えておくことも必要であるのだと感じました。これからの人生を有意義なものにするためにも、もっと成長していきたいと思います。

(倉吉市/20代/女性)