文化サロン第13期 美術サロン「ピカソ〜スペインの巨きな子ども」
第4回 生の喜びと悲しみ〜作品は日記だ〜(2月24日)


〈 感 想 〉

今日は、ピカソの生涯とその作品に影響を与えた女性に焦点を当てた回でした。  観賞した映像では、ピカソの作品は熱烈なまでに自伝的であり、女性たちとの恋愛が創作の力になっていたと紹介されていました。90年近い長い生涯の中で様々な女性と出会い、様々な手法を用いながら、それぞれの女性の絵を描いていました。
 その中で感じたのは、ピカソは自分の感情に正直であろうとした人なのではないかということでした。幸福を感じているときは明るく美しい色彩を用い、女性との仲が悪くなれば、その苛立ちや怒りが表れたような絵を描く。それは日記のように率直であり、むしろ日記よりも自分の中にある想いをつぶさに見つめ、何十枚ものデッサンを重ねて正確に描こうとしているかのようでした。
 実生活でもピカソは自分の欲求に正直にあろうとしていたようで、生涯に2度結婚し、そのさなかにも複数の愛人と関係を持っていたそうです。画家としてゆるぎない権力を持ち、財を成した彼が、妻以外に愛人を複数持っても別段不思議ではありません。時代やお国柄もそれを許していたのかもしれませんし、また現代でも同じように振る舞う人はおそらくいることでしょう。しかし、ピカソと似たような考えを持つ人や、実際にそうあろうとしている人を身近で何人か知っていますが、その人たちとピカソには燃えるようなエネルギー、意志の力、そして実際にやり遂げる力に歴然とした差があることを感じました。そのエネルギーこそが、数々の女性を惹きつけ、また今もなお作品によって人々を惹きつけているのかもしれません。なんにせよ、一度ぜひピカソの作品の実物を、間近で鑑賞してみたいと思います。

(倉吉市/20代/女性)