文化サロン (121日)
3期 「この世はすべて舞台」
11回 モスクワ芸術座とアベイ座

 

〈 感 想 〉

 今回は、19世紀後半の主にロシア、アイルランド、そしてアメリカへとつながる演劇についてのお話でした。

 ロシア演劇のみならずその後の演劇界に大きな影響を与えたコンスタンチン・スタニスラフスキーとヴラジーミル・ネミロヴィチ=ダンチェンコの話、モスクワ芸術座と戯曲「かもめ」、そしてアメリカの近代演劇を築いたユージン・オニールに影響を与えたアイルランドのアベイ座の成り立ちとアイルランドとイングランドの演劇会でも対立していた事、アメリカでの俳優養成学校のような「アクターズ・スタジオ」設立の流れなど、興味をひかれることが多い回でしたが、その中でも重要で大変興味深かったのが「スタニスラフスキー・システム」の事でした。

 それは、話が進んでいくと、この「スタニスラフスキー・システム」を採用したアメリカの「アクターズ・スタジオ」で確立された「メソッド」を習得した出身者達として、よく耳にするハリウッド俳優が多数紹介されたので、そこで演劇界にとても重要な考え方なんだと改めて思いました。

 個人的にハリウッド映画が好きなので、多くのハリウッド俳優の演技力が、コンスタンチン・スタニスラフスキーとヴラジーミル・ネミロヴィチ=ダンチェンコの提唱による「スタニスラフスキー・システム」に大きな影響を受けていることと、その流れと背景を知ることが出来て、今回もとてもためになりました。

 

(倉吉市/30代男性)