文化サロン第3期 「この世はすべて舞台」第二回 神々と人間のドラマ〜古代ギリシャ悲劇〜  922

 

 

  今回は、演劇の始まりの有力説の一つである紀元前5世紀の古代ギリシャのお話でした。演劇の始まりは宗教的儀式であったこと。そして、古代ギリシャの遺跡でよく目にするすり鉢状の劇場の話や、役者の起こり、そして100年ほど続く黄金期を支えた3大悲劇作家の説明を通して演劇の起こりと初期の発展の説明がありました。
 その中でも特に興味深かったのが、すり鉢状の舞台とセット、そして、俳優の数の変化です。劇場がすり鉢状になっているので、後ろの席にも舞台からの声がよく通り、そして、人間をつり下げたり、寝たままの人間を移動させるセットがすでにこの時代の演劇で使用されていたことにとても驚きました。また、俳優という役割のいない宗教的儀式から俳優が生まれ、俳優が二人になり対話が生まれていき、そして3人になっていったという解説で、初めから出演者すべてが俳優ではなかったことそして一人ずつ増えていった事にも驚きました。
 現代の舞台では当たり前になっていることが、実はいろいろな紆余曲折を経ているのだという事を、今回、改めて思いました。残りの11回で、現代までにどのような変化をしていくのだろうと、とても楽しみになりました。

(倉吉市、男性)