文化サロン・演劇サロン第9回(11月24日)「メロドラマとスター」感想

 

 今回は、18世紀末から19世紀にかけての西洋で流行した演劇、特にメロドラマについての映像を鑑賞しました。冒頭では劇作家ゲーテとシラーが紹介され、映像ではシラーの作品『群盗』が、のちにメロドラマが生まれるきっかけとなった、と解説されていました。現代の役者が演じた『群盗』の一部を観ることができましたが、人の心を揺さぶるようなその激しさに驚きを隠せませんでした。上演当時は、失神する観客さえいたというのもうなずけました。

 メロドラマとは元々音楽を伴った演劇であり、劇中に音楽を流して聴衆の感情を誘導するという手法を用いたものだったそうです。今では当たり前となった、むしろ流行遅れとも言えるかもしれないメロドラマですが、その衝撃的かつ明快なストーリー(結末は必ず死など悲劇的なものとなる)も手伝ってか、不安定な時代だった当時のイギリスなどでメロドラマは爆発的に流行したとのことです。日本でもひと昔前、テレビドラマの視聴率が2030%ほどあった時代がありましたが、それと共通するものを感じました。