文化サロン第5期 近未来写真術 第1回 ミューズの囁き「服部冬樹」(2月18日)


〈 感 想 〉

今回から第5期写真サロン「近未来写真術」が始まりました。
 映像は、篠山紀信さんがナビゲーターを務められ、今回は服部冬樹さんと写真についての回でした。実際に、ダゲレオタイプにて服部さんが撮影されて現像されるまでを本人の解説を踏まえながら話が進んで行きました。
 服部さんは、当時でもあまり使われなくなったダゲレオタイプでの写真撮影を突き詰めようと、いろいろ御自分で工夫しておられました。それは、写真の技術進歩があまりにも早く、古い技法でやり残したものがあるのではないかと思い、ダゲレオタイプをしていると説明されていました。銀メッキをした銅板をヨウ素や臭素を使い感光させ水銀の蒸気で現像しているところは、普通の素人が取り組むには敷居が高いものだと感じさせられ、写真が昔は特別だったという意味をまざまざと思い知らされました。
 取り扱いに注意が必要な薬品などを使い、特別な設備の必要なダゲレオタイプでの写真だからこそ出せるデリケートな色彩や絶妙なトーンが魅力の一つだと思いました。
 最近はデジタルカメラが普及し、撮って見ることが簡単になり、写真が身近になってきたのはとてもいいことだと思います。だからこそ、苦労して作成した写真にしか出せない深い味わいというものの価値を再度考えてみたいと思いました。

(倉吉市/30代男性)