文化サロン 第5回(623日) モダンアート100年の衝撃「自由の扉」感想

 

 今回は、20世紀前半から中ごろの「シュルレアリスム」のことについての内容でした。シュルレアリスムとは、超現実主義という事で、コラージュ(貼り付け)やフロッタージュ(こすり出し)などの手法をもちいて意外な効果をかもしだし、不可解な作品の中に不安や普段の現実では感じることのできない超現実を表現しようとすることだそうです。ここでいう超現実の解釈は、非現実という事ではなく、より強い現実という感じの意味だそうです。映像の中のコメンテーターの方の説明を聞いていても、表現が抽象的で理解が難しかったのですが、代表的な作家の作品を数多く紹介され、見ていくうちに何となく、おおざっぱに理解が出来て行きました。

 そして、第2次世界大戦という時代背景、つまり、戦争に対する怒りや正気を保てない現実が、シュルレアリスムに大きく影響を及ぼし、夢や欲望、理屈どおりにいかないということを自由な曲線で表現をするというような、人間の精神に支配されない世界を表現しようとさせていたのだと思いました。

 今回紹介された作品の中に、時計がグニャグニャになっているダルバドール・ダリの「記憶の固執(柔らかい時計)」がありました。これは、学生時代に美術の教科書で見て変な作品だと思っていたのですが、実は、そういう時代背景で、こういう事を表現したかった(しようとした)という事を知り、驚きと嬉しさを感じられる時間を過ごせました。

 回を重ねるごとに、少しずつですが芸術に対する知識や考え方や見方が増えていき、だんだん次回が楽しみになっています。