文化サロン第9期 美術サロン「アクリル画の世界」
第2回 アクリルの魔術師たち「智内兄助」(6月29日)


〈 感 想 〉

今回のインタビュイーは智内兄助さんで、智内さんの事やアクリル絵の具を使い始めたいきさつ、作品に登場するモデルの女性のこと、絵を描くときに注意している事や書き方、日本古来の美しさに影響を受けた事などについての映像でした。
 今回、とても興味深かったのは、ハッチングという技法を用いて重ね塗りをしていき、重ねる回数によって肌の質感や立体感を出されている事でした。そして、その部分以外の着物や背景は平面的に感性で描かれているそうです。その対比によって生まれる女性の存在感がとても好きでした。そして、モデルの女性は一見無表情の様なのですが、いろいろな表情にも読み取れるはっきりしない表情に描かれているところにも存在感を感じさせられました。
 講師の山根さんも智内さんの作品はお好きだそうで、智内さんの作品集を今回2冊持ってこられていたので、拝見させていただきました。映像での智内さんの紹介された作品もそうでしたが、見させて頂いた2冊のどの絵もきれいで、日本古来の美しさの表現も本当に美しく、細部まで細かく書かれていました。智内さんの絵を見て怖いという印象を持たれる方もいるとは思いますが、僕には好きな作風なので、どれも好きな絵でした。

(倉吉市/30代男性)