文化サロン第9期 美術サロン「アクリル画の世界」
6回 新進作家群像「星 憲司」(725日)

 

〈 感 想 〉

今回は、さまざまな技法を用いて、前へ浮き出るような動きのある画面を作り出す星憲司さんの作品・技法・表現したいものについての映像を鑑賞しました。

 映像では、まだ乾いていないアクリル絵の具の上から水を流したり、サンドペーパーと呼ばれる機械で塗った下地を削りだしたりと、思いもよらないような荒々しい技法が連続していました。そして、そこから生み出された作品は、平面であるのにたくさんの層が現れ、キャンバス上に塗られた絵の具が意志を持って動いているように見えました。「強い画面を創りたい」という星さんの言葉通り、その作品には私にとって強く刺激を受けるものがありました。絵を描くうえで小さくまとまらず、自分の描きたいものを描くためにまずはとにかくいろいろやってみよう、と素直にそう思いました。

 映像後のお話は、星さんの作品が美学の視点から見てどう優れているかという話題や、「絵は鑑賞する人を映す鏡である」というお話など、とても興味深いものばかりでした。サロンで得た熱を失わないうちに、さっそく作品制作に励みたいと思います。