2009年12月号 市 川 依 子

わが道をゆく

 平成二十一年十二月六日於倉吉未来中心大ホールで、打吹音楽倶楽部ブレーメンと共演します。

 生演奏で舞台に立つことは十年振りとあって、生徒たちはワクワクしています。

 「つぼみバレエ」と呼ばれてから、この教室は五十二年経ちました。花は咲き、花は散り、幾年月。いつもつぼみで百点満点の満足感もなく、ゆらゆらと歩んで来たのですが心のトキメキはありました。昭和の、あの戦争体験者の生き残りである私は、夢も希望も無い暗い青春時代を過ごしました。終戦後にバレエと出会ったことで、世の中がバラ色に見えて来たと言う思いでした。この教室では幼少の頃よりバレエのおけいこを始めてから十年選手たちが多勢世間に旅立ってゆき、現在は親子のカップルで楽しくバレエレッスンに励む人達が増えました。同じおけいこをするなら、とことんやりたい、との思いから、法村友井バレエ学校からプロの指導者を派遣し続けて頂いています。倉吉の文化向上に役立つならば…と継続しているこのバレエ団に、倉吉出身者数名が現役で活躍しています。

 つぼみ会の長い年月には山あり谷ありですが、私はこのバレエをやめようと思ったことは一度もありません。生徒たちの生き生きした姿を見るのが嬉しくて。又、彼女たちから教えられることも多いのです。そして、多くの人々から応援歌を頂いているからこそ、私があるのだと感謝しています。

 次の世代を育てるには「良き場所と良き指導者と本人の努力」が揃わなければ成り立ちません。今回倉吉市勤労青少年ホームが日曜日も利用出来ることになり長年の思いが実って喜んでいます。勤労青少年ホームは、内部の環境整備もととのい、多くの利用団体が増えています。楽しい場所としていくよう希望しています。

 私は、わが人生に悔いはありません。又、私からバレエを取ったら何も残りません。感謝の心のみ。

(倉吉つぼみ会バレエ教室)