今月の執筆者

小原貴志

「こさじと私」

 去る二月十九日()、北栄町大栄農村環境改善センターにて、合唱団こさじサード・コンサートを開催いたしました。ご来場の皆様にこの場を借りて篤く御礼申し上げます。「合唱団こさじ」について、最初に少し紹介させてください。「合唱団こさじ」は五年前、平成十八年の一月に産声をあげた、まだ若い合唱団です。単独のコンサートだけでなく、地元北栄町のイベント、アザレアのまち音楽祭、合唱コンクールなどで皆様に歌をお届けしています。

 さて、私は生まれも育ちもこの倉吉市なのですが、二年間だけ県外に住んでいた時期があります。合唱はそれ以前から今まで一度も途絶えることなく続けているのですが、鳥取に戻ってきてからこの「合唱団こさじ」を立ち上げるまでが、私のこれまでの合唱活動の中で大きな転機となりました。

 故丸雅紀氏との出会い、コールあじさい(現コール・ウインドミル)との出会い、鳥取環境大学の学生との出会い、そして妻との出会い。そうした偶然の出会いが重なり、紆余曲折ありながら「合唱団こさじ」は誕生しました。創設時のメンバーは、それまで合唱経験があると言っても、それは合唱の歌い手としての経験であり、合唱団を立ち上げた経験がある人は勿論、団の運営経験のある人はいませんでした。当然、最初のころは上手く行くはずがなく、失敗や挫折を幾度となく繰り返しながら、それでもなんとか団を継続させたいと、あれやこれやと試行錯誤を重ね、五年が経過した今、ようやく軌道に乗り出したのではないかと個人的には思っています(まぁ、まだ自転車操業状態ではありますが)。私は今まで様々な合唱団に所属してきましたし、現在も三団体ほど掛け持ちしていますが、これまでの苦労が多かった分、「こさじ」は私にとってかけがえのない合唱団であり、この団で歌い続けることが私のライフワークだと思っています。

 この五年間、多くの方にご支援・ご指導いただいたお陰で、こさじはここまで活動を続けることが出来ました。私達団員だけではきっと無理だったでしょう。これほど恵まれた環境の中で合唱を続けられることに幸せを感じております。そして何より演奏者にとって自分の演奏を聴いて下さる方の存在が活動するうえでの一番の糧になります。少しでも多くの方に私たちの歌を届けられるように、そして、「またこさじの演奏を聴きたい」と思ってもらえるように、日々精進していきたいと思っています。

 最後に宣伝をひとつ。今年のアザレアのまち音楽祭、こさじは最終日のファイナルコンサートに参加させていただきます。今年はこれまで歌ったことのないような一風変わった曲を用意しました。このコンサートで、こさじの新しいカラーを披露できればと、練習にもますます気合が入っています。是非足をお運びください。(合唱団こさじ)