リレーエッセー 2010.8.15
今月の執筆者 桑田のり代
「月曜短歌会のご紹介」
「月曜短歌会」は毎月第一月曜日の午後に、「歌会」を行っております。「うたかい」と雅な読み方もありますが、普通「かかい」と呼びます。その内容も、高尚とか優雅とかは関係のない、現実に個々の生き方を一首に託して話し合い、批評もし合う現代短歌です。まず、各自が創作した短歌二首を、作者を明らかにせずにまとめ、選歌をします。選歌とは文字通り、各自が優れていると思う歌を選び出し、それを点数化します。先輩も後輩もわかりません。先生の作品も一切わからない状態で歌会をすすめ、一首一首を批評し合っていくのです。
「月曜短歌会」は、超結社(所属するグループが異なる人)の歌会で、発足したのは昭和四十四年。四十年をこえて倉吉を中心に、連綿と続いてきた歌人の活動です。当初八名ではじまったということですがそのうち、四名は今も健在です。石井絹枝、藤原みち恵、村尾和子、三好和恵の諸姉は、この年月を欠けることなく今も新鮮な物の見方、感性をもって創作されています。指導者は主に池本一郎氏にお願いしていましたが、現在多忙のため、会員相互の意見交換ですすめています。高齢のため、参加できない方も出てきましたが、幸いにも、力のある新メンバーが入会されました。宮原玲子さん、福井陽子さんです。高木和子さんは、昨年度県短歌大会で最優秀賞を授与されました。宍戸さち子さん、竹内多美子さんは、倉吉文芸の優秀賞の常連。更に本間温子さんは、堂々大伴家持大賞をとられたこともあるキャリアをお持ちです。計十一名が会員。
しかし私たちの目的は、賞をとることではないのです。賞は結果としてついてくるもの、「褒めあい」は禁物。あくまで正直に真実の研鑚をすることこそが、「月曜短歌会」の自負であり誇りとするところであると考えています。思えば日常生活の中で、自分の発言が他の人にどのように受け止められるかを、一切気にすることなく発言できる場があるだろうかと自問する時、「歌会」という場は会員にとってまさにかけがえのない集いの場になっていると確信します。
平成四年に「月曜短歌会」は、「投影」という合同歌集を出版しています。当時の会員は二十名。すでに故人となられた方もありますが、今も先輩の築かれた馴れ合いのない歌会を、継続していることを天国へご報告したいと思います。またこの「倉分協だより」等で短歌に関心をもたれた方は、いつでもご連絡下さい。新鮮な感覚で、刺激していただくことを願うものです。(月曜短歌会)