今月の執筆者 徳山 亜希子

雲稜山友会との出逢い

私の趣味といえばドライブ、映画鑑賞、そして山登りです。高校生の時、国体の強化選手だった姉に半ば強引に誘われて登山部に入部したのがきっかけだったのでしょうか。部員数は少なかったのですがそのせいか、みんな親切で温かい、だからしんどくても汗臭くても楽しい部活動だったことを今でも覚えています。

それから数年後、社会人になったある日、偶然新聞の広告で「山仲間募集」を目にした私は軽い気持ちで連絡をしたのでした。それが勤労者山岳連盟に所属している「雲稜山友会」との出逢いでした。週一回の例会に大勢の会員が出席し、登山計画や技術の取得、会報の作成などを精力的に行っていました。

それまでは自分ひとりか友達を誘っての単純な登山だったのが、専門的知識と技術を持った仲間を得ることができたのでした。

そして、むやみに登るのではなく、岩登りや沢登り、雪山などに行こうと思うなら、まずは自分の技量を見極めること。技術が無いのに危険なところには行かない。それは山で起こる怪我などの事故や遭難を防ぐための当たり前のことなのですが、私たちはつい基本を忘れて山の名前や魅力に惹かれて無理をしてしまう…。

登山の知識や技術の取得、トレーニングを積むことの大切さを改めて知りました。

今は、地元の山に登りつつ、年一回数人の仲間と県外に夏山登山に行っています。計画を立てる楽しさと、山頂からの素晴らしい眺めが下界の騒々しさを忘れて癒しとなっています。もちろん天気のいい時ばかりとは限りません。雨の日の山もまた無理をしなければ雨具を着てのいい経験となります。

先日も職場の人と大山に登ってきました。息が切れて、足が疲れた・・そんな時にちょっと立ち止まり後ろを振り向き、歩いてきた道のりを眺めてみるように声を掛けたのです。町があんなに小さい、雲に届きそうなくらいのところにいる自分たち。その時の感動はいい思い出となり、みんなが口々に「また登りたいね」と。嬉しい言葉でした。

 私が入会して約10年が経ちます。今は会員数も減り寂しくはありますが、加藤会長の言葉を忘れず基本に忠実に歳をとっても楽しい登山が今後も長く続けていけるようにしたいと思っています。それにはまず一緒に山に登る仲間に感謝ですね。(稜山友会)