今月の執筆者

山本由香里

「歌とわたし

私たちが、心機一転コール・ウィンドミルとして新たに活動を始めたのは五年前、北栄町が誕生したのと同じ年だ。ウィンドミルとは英語で「風車」という意味である。町の海岸沿いに並ぶ風車のように、地域の方々に親しんで

いただきたいとの思いを込めて名付けられた。     

 しかし団員それぞれが何かしら事情を抱えながらの活動であるため、なかなか思い通りにはいかない。仕事、家事、子供や孫の世話等々で、練習に参加するだけで精一杯の人が大多数である。   

私も例外ではなく、ちょうどウィンドミルになった頃から生活が激変した。主人の病気、子供の結婚、孫の誕生。

そうしたことが重なり、練習に出かけるのを後ろめたく感じたこともしばしばである。

 素人のくせに何故歌を続けているのかと自分に問いかけてみる。役員であるという義務感も確かにある。でもやはり基本は楽しいからである。めったにないけどきれいにハモれた時、今日はうまく歌えたと自分で勝手に思えた時、みんなと話をした時、素敵な曲にめぐり合えた時等々。疲れていても練習後に元気になるのは私だけではないようだ。

 今練習している曲の中に「春」という曲がある。『わたしはもう悲しむまい。辛い冬の日々は過ぎ去り、恵みの春が訪れたから』という芯の強さを感じさせる歌だ。歌いながら、まさに今の私のことだと感じた。最近主人もようやく体と心の元気を取り戻しつつある。           

 さて今年12月4日には「コール・ウィンドミル5周年記念コンサート」を未来中心小ホールで行う。コール・あじさいから現在まで、関わりのあったすべての方々のお陰で今の私たちがある。お世話になったすべての皆様へ、そしていつも暖かく見守ってくださる方々への感謝と、今歌えることの喜びを精一杯伝えたい。今までありがとうございました、そしてこれからもよろしくお願いします。

(コール・ウィンドミル)