2010.5.15号 今月の執筆者
山 岡 輝 美
出会いは宝物
「コールげんげ」は、御船和子先生が女声合唱団として立ち上げられました。その後、平成八年に山本喜三先生に指導をお願いして、混声合唱団として歩み始めたのです。
わたしも縁有って、喜三先生と同じ年に入団しました。遥か昔、中学三年生だった私は卒業間近の一月半ばに河北中学校に転校して来ました。その日から卒業迄、短い間でしたが、音楽を教えて頂いたのが喜三先生でした。まさか、「げんげ」で先生に再会できるなんて思ってもみない事でした。
混声となった年に第一回、それから第十回迄年一度コンサートを開催する事ができました。団員のほとんどは合唱一年生のようなものでしたから、お二人の先生がどんなに大変な思いをされてコンサート迄こぎ着けられたか、今思っても申し訳ない気持ちでいっぱいです。喜三先生が、第十回コンサートを最後に勇退されると知った時の衝撃は、今も忘れる事はできません。喜三先生のいらっしゃらない「げんげ」はとても考えられませんでしたから。そんな時に伴奏をして下さっている藤井百合子さんから、小谷弘幸先生を紹介して頂いたのです。どんなに有り難かった事でしょう。小谷先生もまた、とても素晴らしい先生でした。「げんげ」は指導者に恵まれているなぁと、本当に嬉しく思っています。
指針を見失ってさまよっていた私達を小谷先生に救って頂き、新たな「げんげ」がスタートしました。その後一年間のブランクはありましたが、第十一回・十二回とコンサートを開催する事ができました。「げんげ」にとってコンサートは、大きな目標になっています。十二回コンサートの最後に「いのちの歌」(作詞Miyabi/作曲 松村崇継)をうたいました。この曲は、NHKの連続テレビ小説「だんだん」の中で歌われた曲です。「この星の片隅でめぐり会えた奇跡はどんな宝石よりも大切な宝物」という詞が、心に響き胸がいっぱいになってしまいました。出会ってもただそれだけで終わってしまう事も多い中で、私にとって「げんげ」と出会えた事は本当に大切な宝物になりました。先生方から音楽の素晴らしさや難しさ、合唱の楽しさ、またお客様に聞いて頂く事の喜びを教えて頂きました。合唱を通して得られた「げんげ」の仲間達、そしてコンサートに足を運んで下さった一人一人のお客様との出会いも、また大切な宝物です。
これからも三朝町の合唱団「コールげんげ」が、末長く活動していけることを願っています。そして沢山の出会いが出来ますように。(コールげんげ)(「げんげ」とはレンゲの別称)