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勤労青少年のための健康維持について


勤労青少年が健康を維持するために役立つ情報を掲載していきます。


平成23年4月から平成24年3月まで勤労青少年のための健康維持に役立つ情報をコラム形式で掲載したものです。


健康維持 お役立ち情報

第13回(3月特別号):「生活習慣を少しずつ良くしよう‐その2」へ移動
第12回(3月号):「生活習慣を少しずつ良くしよう‐その1」へ移動
第11回(2月号):「花粉のシーズンがはじまりました」へ移動
第10回(1月号):「健康診断に行こう」へ移動
第9回(12月号):「風邪・インフルエンザ予防に努めましょう」へ移動
第8回(11月号):「腰を大事に」へ移動
第7回(10月号):「頭痛」へ移動
第6回(9月号):「お口のトラブル」へ移動
第5回(8月号):「熱中症にご用心」へ移動
第4回(7月号):「夏の疲れに負けない体づくり」へ移動
第3回(6月号):「肩こり」へ移動
第2回(5月号):「睡眠について」へ移動
第1回(4月号):「心の健康」へ移動




☆第13回(3月特別号):「生活習慣を少しずつ良くしよう‐その2」

健康維持 お役立ち情報4月号「生活習慣を少しずつ良くしよう」その2

4月、年度はじめで慌ただしい時期ですね。
年に一度の定期健診や、新しい職場で受ける健康診断など、
春は体のことを自覚する良いチャンス。
この際、今までの生活習慣を少しずつ見直して
元気に春を過ごしてみませんか?
今月も、生活習慣の改善について調べてみました。

○「生活習慣病」のおさらい
前回も紹介しましたが、もう一度おさらいしましょう。
生活習慣病とは、毎日の体によくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる、
いろいろな病気のことをいいます。
◆代表的なもの
 ・肥満   ・高血圧
 ・糖尿病  ・脂質異常症
また、これらの病気が原因となって、
 ・動脈硬化 ・狭心症
 ・心筋梗塞 ・脳梗塞 ・脳出血
などの、命に係わるような恐ろしい病気が起こりやすくなります。
そのほか、喫煙習慣は慢性気管支炎・肺気腫など呼吸器系の病気を引き起こすことや、上で挙げた病気の原因となることもあります。
今回は、この中から「高血圧症」「脂質異常症」「糖尿病」について詳しくみていきます。

○高血圧症
≪特徴≫
代表的な生活習慣病で、成人の3人に1人、高齢者では2人に1人が罹患します。
特別な症状がなく、ある日突然に脳卒中や心筋梗塞が起こるため、サイレント・キラー(沈黙の殺人者)ともいわれています。(『やさしい生活習慣病の自己管理』 改訂版より)
◆診断基準 病院で測った時の血圧の値が140/90 mmHg以上
(家で測った時は、135/85 mmHg以上)
≪怖いところ≫
【動脈硬化を経て、命に係わる病気に!】
高血圧の状態が続くと、血管が常に高い圧力を受け、弾力を失って硬くなっていきます。血管の内皮も傷ついていき、そこにコレステロール等が入ってアテロームというかたまりをつくってしまいます。
かたまりが血管の中にできると血液が流れにくくなるうえ、内皮から分泌される血管を広げる物質も出なくなり、ますます血圧が上がってしまいます。
また、かたまり(アテローム)の皮膜が破れて血栓ができると、さらに血管を狭くしてしまい、最終的にはアテロームや血栓によって血管が完全に塞がってしまうこともあります。
つまり、高血圧⇒動脈の血が流れにくくなる(詰まる)⇒命に係わる病気に!
というわけです。
【自覚症状がない!】
上に挙げた通り、高血圧は命に係わる病気につながるのですが、困ったことに自覚症状がほとんどありません。そのため、せっかく健康診断などで高血圧であることがわかっても「どこも痛くないし、まあ大丈夫だろう」と放置されてしまうこともあるのです。

≪血圧を高くする主な要因≫
【加齢・遺伝的なもの】
・加齢
年をとれば、血管も年をとって硬くなっていきます。これは避けようがありません。
・遺伝的要因
両親が高血圧だと、その子どもは約50%の確率で高血圧になるというデータがあるそうです(厚生労働省ホームページより)。ただ、家族の食習慣・生活習慣が似ていることが影響していることも考えられますし、加齢によって誰でも高血圧になる要因はあるといえます。
【生活習慣によるもの】
・肥満
 脂肪細胞から、血圧を上げ、動脈硬化を進める物質が分泌される。インスリンの働きが悪くなってインスリン濃度が上昇。交感神経を刺激し、血管が収縮する
・塩分のとりすぎ
 血液中に増えた塩分(ナトリウム)を薄めようとして血液量が増えることで、心臓が送り出す血液量も増え、血圧が上がります。
・喫煙
 たばこに含まれるニコチンが副腎を刺激し、血圧を上げるホルモンを出します。交感神経も活発になり、血管が収縮して血圧が上がります。
・運動不足
 肥満につながり、血圧が上がります。
・ストレス
 ストレスによって交感神経が活発になって心拍数が増え、血圧が上がります。ストレスがずっと続いていると、高血圧の状態が続くことになります。

このような生活習慣が身についている場合は、今は大丈夫でも将来的に高血圧になってしまうかもしれません。

≪高血圧予防!生活習慣改善≫
・塩分を控えてみる
【まずはこんなことから…】
外食の時は、塩分量をチェック
ラーメンやうどんの汁を全部飲まない、漬物はひかえる
素材の味を活かした調理法にする(蒸す・ゆでる・ホイル焼きなど)
酸味、香辛料、ハーブなどで味付けして、塩分を控えめに
【血圧を下げる働きのある栄養素をとる】
☆カリウム
 塩分(ナトリウム)の排泄を促し、血圧を下げる効果があります。(ただし、腎臓病の人は医師に要相談!)野菜・果物・海藻・豆類などに多く含まれますが、水に溶けやすく熱に弱いので、果物から摂ったり、きな粉をふりかけたりしてみると効果的。
 【特にカリウムをたくさん含んだ食品】
  切り干し大根(乾いた状態)/昆布(乾いた状態)/煮干し/アボカド/きな粉
   など
・体を動かす習慣をつける
1日30分の有酸素運動(ウォーキングなど)を行うと有効です。肥満予防の運動も兼ねてやってみましょう。
・肥満もなんとかする
⇒健康維持情報3月号をご参照ください。
・思い切って禁煙に挑戦
たばこはなかなかやめられないもの。お医者さんに相談して、禁煙治療を始めてみましょう。
・ストレスを解消する工夫を
昨年の健康情報4月号・5月号も参考になさってください。

≪高血圧がわかったら≫
健康診断などで高血圧であることがわかったら、必ずお医者さんに行って血圧を下げる対策をとりましょう。また、高血圧の中には、腎臓の病気などによって併発する「二次性高血圧」もあり、原因となる病気の治療が必要な場合もあります。いずれにせよ、放置せずにまずは病院へ!

○脂質異常症
≪特徴≫
血液中のコレステロールまたはトリグリセリド(中性脂肪)のいずれか、または両方が標準以上に増加した状態です。(『やさしい生活習慣病の自己管理』 改訂版より)
◆診断基準(空腹時採血)☆厚生労働省ホームページより
高LDLコレステロール血症 140mg/以上
低HDLコレステロール血症 40mg/未満
高トリグリセライド血症 150mg/以上
(日本動脈硬化学会『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版』より)
≪怖いところ≫
【動脈硬化を経て、命に係わる病気に!】
高脂血症も動脈硬化の原因となります。増えた脂質がどんどん血管の内側にたまって、血管を狭くしていくのです。そして進行すると、血管が詰まって狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの命に係わる病気になってしまいます。
【自覚症状がない】
脂質異常症も健康診断で簡単にわかる症状ですが、どこかが痛むなどの自覚症状がないため、悪い生活習慣を続けてしまうことも。取り返しのつかないことになる前に、生活習慣を改善していきましょう。

≪主な原因≫
・偏った食事
油ものをたくさん食べる、ご飯・麺類・パン類などの主食を多く食べる、甘いものの食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎなど、偏った食事は中性脂肪を貯める原因となります。
・運動不足
使われない余分なエネルギーによって内臓脂肪をためることになり、中性脂肪も増えていきます。
・喫煙
たばこに含まれるニコチンが交感神経を刺激して高血圧となり、心拍数が高まるため、心臓に負担をかけます。また、中性脂肪の原料となる血液中の遊離脂肪酸を増やす作用もあります。さらに、血液中のコレステロールが酸化されて動脈硬化が進行する作用や、善玉のコレステロールであるHDLコレステロールの濃度が低くなる作用もあります。
・ストレス
 強いストレスがあると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌され、中性脂肪が多くつくられます。ストレスによる食べ過ぎ・お酒の飲み過ぎなどが、肥満や脂質異常につながることもあります。

≪予防・改善≫
基本的には肥満の予防対策と同じ。「食習慣の見直し」と「運動習慣をつける(特に有酸素運動をする)」ことです。偏ったものの食べ過ぎにならないように気をつけて。
 主食(ご飯・パン・麺類)…ごはんなら1食につき1杯
 主菜(肉・魚など)…タンパク質をとるおかず。油もの注意!
 副菜…野菜・海藻でビタミンなどをとるおかず。1食につき1〜2品。
 果物…1日100〜200gまで。
 乳製品…1日にコップ一杯の牛乳が目安。

また、禁煙すること、ストレスをためないことも必要です。

○糖尿病
≪特徴≫
すい臓から出るインスリンというホルモンが不足するか、その働きが不十分なために、体を動かすエネルギー源となるブドウ糖が血液の中に溢れている状態です。主に1型糖尿病・2型糖尿病に分けられ、生活習慣が原因となるのは2型糖尿病です(日本の糖尿病の95%はこのタイプです)。

≪怖いところ≫
【予備軍の人がいっぱい!】
 厚生労働省ホームページによると、平成19年の国民健康・栄養調査で、「糖尿病が強く疑われる人」は890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は1,320万人、二つを合わせると全国に2,210万人いると推定されるそうです。
【はじめは自覚症状がないけれど…】
 糖尿病も、はじめのうちはどこかが痛むなどの自覚症状はありません。下のような症状が出るときには、かなり症状が進んでしまっています。
疲れやすい/おしっこの回数が増えて、量も多くなった/とてものどが渇く/いくら食べても痩せる など
 そして放っておくと、
・視力障害(失明する場合もある)
・手足のしびれ
・体が化膿しやすい
  ⇒えそ(壊疽:少しの傷などに細菌が感染し、そこが化膿してしまい、皮膚から皮下組織
   などの細胞が死んで腐ってしまう病気)を起こして、切断しなければならないこともある
・狭心症・脳卒中
・腎臓の機能が悪くなる(人工透析が必要になることもある)
 という、とても大変な合併症が出てくるのです。だから放置は厳禁!!
 健康診断などで血糖値が高いことを指摘されたときは、放っておかずにまずはかかりつけのお医者さんに相談して、詳しい検査と診察を受けましょう。

≪予防≫
予防の基本は肥満・脂質異常症の予防策と同じく「食習慣の見直し」と「運動習慣をつける」です。「糖尿病」という名前から、「甘い物さえ控えておけば大丈夫」と考えることもあるかもしれませんが、肥満によるインスリンの働きの悪化も糖尿病を進行させる原因であるため、結局は食べ過ぎない、偏食しないという食習慣全体の改善が有効なのです。

≪参考資料≫
☆厚生労働省ホームページ「生活習慣病を知ろう!」
  http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/
☆やさしい生活習慣病の自己管理 改訂版(北村諭/著、医薬ジャーナル社)
☆NHKここが聞きたい!名医にQ 高血圧のベストアンサー(「ここが聞きたい!名医にQ」番組
  制作班、主婦と生活社ライフ・プラス編集部/編、主婦と生活社)
☆カンタンだから続けられる!内臓脂肪ダイエット(岡部正/監修 昭文社)
☆健康診断で中性脂肪値が高めの人が読む本(宮崎滋/著 幻冬舎)
☆やさしい糖尿病の自己管理 改訂4版 (大阪糖尿病アカデミー/編 医薬ジャーナル社)






☆第12回(3月号):「生活習慣を少しずつ良くしよう‐その1」

3月、年度末で忙しい時期ですね。
また、来月の異動・転勤に向けて準備期間中の方も多いのではないでしょうか。
この際、今までの生活習慣を少しずつ見直して
元気に春を迎えてみませんか?
今月は、生活習慣の改善について調べてみました。

○「生活習慣病」って?
生活習慣といえば、最近よく聞くのが「生活習慣病」。
具体的にはいったいどんな病気なのでしょうか?
生活習慣病とは、毎日の体によくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる、
いろいろな病気のことをいいます。
◆代表的なもの
 ・肥満   ・高血圧
 ・糖尿病  ・脂質異常症
また、これらの病気が原因となって、
 ・動脈硬化 ・狭心症
 ・心筋梗塞 ・脳梗塞 ・脳出血
などの、命に係わるような恐ろしい病気が起こりやすくなります。
そのほか、喫煙習慣は慢性気管支炎・肺気腫など呼吸器系の病気を引き起こすことや、上で挙げた病気の原因となることもあります。

○体によくない生活習慣が重なっていませんか
「きっと体によくないよね、この生活…」と感じている生活習慣、みなさんにもありますよね。まずはそんな習慣を改めて認識してみましょう。
◆こんな習慣がついていませんか?
≪生活全般≫
 ・不規則な生活をしている
 ・睡眠不足気味
 ・ストレスが多い
≪食習慣≫
 ・つい食べ過ぎてしまう
 ・不規則な食習慣(朝食を抜く、夜にまとめて食べるなど)
 ・塩辛い物、味の濃いものが大好き
 ・野菜・果物をあまり食べない
 ・油もの(動物脂肪)をたくさん食べている
 ・お酒の飲み過ぎ
≪運動≫
 ・運動不足気味、ほとんど運動しない
≪嗜好品≫
 ・喫煙の習慣がある

これらの習慣が折り重なって、怖い病気につながっていくわけです。
今回は、この中から「肥満」について詳しくみていきましょう。

○肥満
≪特徴≫
肥満とは、医学的には「体の中の脂肪が一定以上に多くなった状態のこと」をいいます。判断基準は、身長と体重から計算されるBMI(Body Mass Index(肥満指数))という数値で行われています。BMIはつぎの計算式で計算できます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
肥満度の判断基準(厚生労働省ホームページより)
低体重(やせ) BMI18.5未満
普通体重  18.5以上 25未満
肥満(1度) 25以上 30未満
肥満(2度) 30以上 35未満
肥満(3度) 35以上 40未満
肥満(4度) 40以上

例)体重62kgで身長が167cmの人の場合
BMI⇒62÷1.67÷1.67=約22.2なので、「普通体重」と判断できます。
このBMIの数値で25以上になると、日本では「肥満」と判断しています。

≪怖いところ≫
お腹周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」は、生活習慣病に結びつきやすい、危ない肥満です。これは腹囲を測定して判定されます。
【内臓脂肪型肥満の判断基準】
腹囲(へそ周り)を測って 男性85cm以上、女性90cm以上
内臓脂肪が多くなると、内臓脂肪から出ているアディポサイトカインという物質のうち、高血圧や脂質異常症、糖尿病、動脈硬化などになりやすくなる物質が多く分泌されるようになってしまいます。「肥満は万病のもと」は本当なんですね。

≪運動を生活習慣の中に≫
書くまでもない通り、肥満の主な原因は「食べ過ぎ」と「運動不足」。
特に、車通勤・デスクワークなど、体を動かさなくてもよい環境にいる人の場合、
そんなに食べすぎていないのに太ってしまう、ということもあるわけです。
運動をいかに生活に採り入れるかが、肥満を、ひいては生活習慣病全体を防ぐカギとなります。
 【生活の中で運動をはじめるときのポイント】
☆無理しない
 久しく運動の習慣がなかった人がいきなり「毎朝ジョギング3キロ!」など無理をしても、体を痛めたり、億劫になったりで結局続きません。運動は毎日続けられそうな無理のないものから始めていきましょう。運動量を増やすときも、少しずつ。
☆ちょっとした運動量を増やす
 通勤などで、一駅前で降りて歩く区間を作る、エレベーターでなく階段を使うなど、ちょっとした運動量を増やす工夫をしましょう。 
☆自分の性格に合った運動方法を
 気分転換も兼ねてスポーツクラブ・ジムに通うのが性に合う人もいれば、なるべく家や職場で気軽にできる運動の方が続きやすい人もいます。大切なのは習慣として続けること。自分の性格に合った運動方法を選びましょう。
☆運動の前・後にはストレッチを
 運動前にはけが予防のために、ストレッチでからだをほぐしておきましょう。終わった後もストレッチをしておくと、緊張した筋肉を和らげ、疲労回復にも効果があります。
 ※準備運動のしかたが、厚生労働省ホームページ内「メタボリックシンドロームを予防しよう」予防・改善編 運動習慣を徹底しよう』に掲載されています。参考になさってください。
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/yobou/undo/junbi.html

【2種類の運動を行う】
●体脂肪を効果的に燃やす有酸素運動
 脂肪は燃えるときにたくさんの酸素を必要とするので、酸素をたっぷりとりこむことのできる有酸素運動が最適です。
(例)
ウォーキング/ジョギング/サイクリング/水泳(ゆっくり泳ぐもの)など
●体脂肪が燃えやすい体を作る筋力トレーニング
 基礎代謝(体温の保全、血液循環、呼吸などにカロリーを消費すること)を高めるためには筋肉を増やすことが効果的です。この基礎代謝は、何もしなければ年齢と共に少なくなっていきます。若いときと同じ生活をしているのにだんだん太っていく「中年太り」が起こるのはこのためです。
(例)
筋力トレーニングのできる体操(スクワット・腕立てふせなど)/ジムなどの機械類で鍛える運動/軽いおもりを反復してもちあげる運動など

【どのぐらい運動すればいい?】
厚生労働省が策定した「エクササイズガイド2006」では、健康づくりのための身体活動量として、「1週間に23エクササイズ以上」の活発な身体運動を行うことを目標としています。
身体活動の強さ「メッツ」に、その身体活動を行った時間をかけて運動の量「エクササイズ」を計算します。
メッツ×時間=エクササイズ(メッツ/時)
※「メッツ」(強さの単位)
身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位です。(座って安静にしている状態が1メッツに相当)
※1エクササイズに相当する運動
3メッツ 歩行…20分 バレーボール…20分 軽い筋力トレーニング…20分
4メッツ 自転車…15分 子供と遊ぶ…15分 ゴルフ…15分 速歩…15分
例)3メッツの運動(歩行20分)を1時間続ける=3×1=3エクササイズになる。
これが、一週間で23エクササイズになるようにすればよい。

☆詳しくは、厚生労働省ホームページ内『「メタボリックシンドロームを予防しよう」予防・改善編 運動習慣を徹底しよう』に掲載されていますので、そちらもご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/yobou/undo/index.html

≪食事を見直そう!≫
【適正カロリーを知る】
1日に必要なエネルギー量を知っていますか?「そんなに食べすぎてないのに…」と思う方も、まずは自分の適正エネルギー量を知りましょう。
1日に必要なエネルギー(kcal)
  =標準体重(kg)×標準体重1kg当たりに必要なエネルギー
※標準体重=身長(m)×身長(m)×22
☆活動別・標準体重1kg当たりの一日に必要なエネルギー
 軽労作(デスクワーク中心の職業、主婦など) 25〜30kcal
 普通の労作(立仕事の多い職業) 30〜35kcal
 重い労作(力仕事の多い職業) 35〜40kcal
  (日本糖尿病学会編 糖尿病治療ガイド2008-2009)
  (厚生労働省ホームページより)
例)身長160cm、デスクワーク中心の人の一日に必要なエネルギーは、
 標準体重=1.6×1.6×22=56.32
 1日に必要なエネルギー=56.32×25(〜30)=1408〜1689.6kcal となります。

自分の適正エネルギーを知り、それよりも食べ過ぎないように心がけることが大切です。
食べ物のカロリー表などを見て、日々の食事を見直してみましょう。
【こんな食習慣になっていませんか】
・朝ごはんを抜く、1日2食になっている
⇒太りやすい食べ方です。1日3食を習慣にしましょう。夜勤などで朝食がとれないというときも、起きた後すぐの食事を「朝食」と考えて、1日3食にします。
・間食が多い、夜中寝る前に何か食べてしまう
⇒夜寝る前の3時間以内に食べたものは非常に脂肪になりやすいです。
つい何か食べてしまう…というときは、5分位他のことをして気を紛らわせましょう。それでも何か食べたいときは、こんにゃくゼリーなどのローカロリーのものを食べるか、お茶やガムなどで。
・お菓子・甘いもの大好き
⇒油で揚げたスナック菓子や、砂糖やバターを多用している洋菓子・菓子パンは高カロリー。おやつは和菓子を中心にして、洋菓子はたまのお楽しみにしておきましょう。
・早食いの癖がついている
⇒急がなくてもいいときは、20分はかけてゆっくりよく噛んで食事を味わいましょう。
・揚げ物・油ものを食べがち
⇒揚げ物の代わりに、なるべくゆでたり蒸したりなどの油を使わない料理を食べるようにしましょう。マヨネーズもなるべく避けたほうがいいです。
毎日揚げ物、ではなく週に何回かに減らすところから始めてみましょう。
・お酒の席・晩酌が多く、おつまみもよく食べる
⇒お酒自体にもカロリーがあることを心に留めておきましょう(ビール500mlで200 kcal)。毎日晩酌、ではなく「○曜日と△曜日のお楽しみ」にしておくとよいですね。また、お酒が入るとついおつまみが進んでしまうことも。おつまみはなるべく酢の物・枝豆などの低カロリーのものを選びましょう。

≪ダイエットをするときは≫
 ダイエットの基本は運動習慣をつけること・食事習慣の見直し。1か月に1、2kg程度、脂肪を減らしていくやり方が理想的です。摂取カロリーだけを極端に減らすダイエットでは体を壊してしまううえ、ダイエットをやめた途端にリバウンドしやすく、元の体重以上に太ってしまうこともあります。



生活習慣をよくすれば、色々な病気を一度に防ぐことができます。
今のうちからちょっとずつ、よい習慣をはじめていきましょう!


≪参考資料≫
☆厚生労働省ホームページ「生活習慣病を知ろう!」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/
☆やさしい生活習慣病の自己管理 改訂版(北村諭/著、医薬ジャーナル社)
☆カンタンだから続けられる!内臓脂肪ダイエット(岡部正/監修 昭文社)






☆第11回(2月号):「花粉のシーズンがはじまりました」

2月、暦の上ではもう春です。
春といえば…そろそろ鼻がムズムズするあの「花粉症」の季節がやってきます。
鼻が詰まったり、涙が出てしまったりでは仕事に支障が出てしまいますよね。
今月は、花粉症や鼻炎に関する情報を集めました。

○鼻炎もいろいろ
『アレルギー疾患ガイド』によると、
「鼻炎とは鼻粘膜に生じる炎症」のことなのだそうです。
鼻炎といっても原因はさまざまで、主にウイルスや細菌感染によって起こる感染性の鼻炎や、ダニ・ほこりなどに反応して起こるアレルギー性の鼻炎などがあります。
≪感染性の鼻炎≫
感染性の鼻炎の代表的なものは、風邪のウイルスや細菌などに感染したことによる急性鼻炎(鼻かぜ)や、それが慢性化した慢性鼻炎です。
また、急性鼻炎から副鼻腔に二次感染が起こることによって急性副鼻腔炎が起こることがあります。
症状としては、粘り気のある黄色い鼻水が出たり、鼻が詰まったりするほか、
頭痛や頭の重さを感じることなどがあります。

○「花粉症」…季節性のアレルギー性鼻炎
花粉症は、アレルギー性鼻炎の一種です。
ほこりやダニ、カビ、動物の毛などを原因とした、一年を通して症状の出る通年性アレルギー鼻炎に対して
スギなどの花粉を原因とした季節性アレルギー鼻炎のことを「花粉症」と呼んでいます。
☆花粉にもいろいろあります
花粉といえばスギ花粉のことが注目されがちですが、アレルギーを引き起こす原因となる花粉にも様々なものがあります。
【おもな花粉の種類とその飛散時期】
 ・スギ …1月下旬〜4月
 ・ヒノキ…3月上旬〜5月
 ・カモガヤ(イネ科の植物)…4月下旬〜6月下旬
 ・ブタクサ…8月〜10月
 ・ヨモギ…9月上旬〜10月下旬

○2012年春の花粉飛散予報
2012年1月18日、日本気象協会より「全国・都道府県別の2012年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第3報)」が発表されました。
それによると、
 【飛散開始時期予測】
2012年春のスギ花粉は、2月中旬に四国・東海・関東地方から飛び始め、例年の飛散開始時期に比べると、同じか遅い見込みとなるそうです。
鳥取県は2月中旬から下旬(2/20〜25ころ)(一部2/25〜3/1ころ)にスギ花粉が飛び始める予測が出ています。
 【花粉の飛散と天候】
一般に次の日は花粉が多く飛びます。
 ・最高気温が高い日
 ・雨上がりの翌日に晴れた日
 ・風が強く晴れて空気が乾燥する日
特に、春一番が吹くような、気温の高く風が強い日は花粉の飛ぶ量が多くなるのだそうです。天気予報を確認しておくとよいですね。
 【飛散量概況】
≪全国概況≫
2012年春のスギ・ヒノキ(北海道はシラカバ)花粉の飛散量は、ほとんどの地域で例年並か例年よりやや少ないでしょう。中国・北陸・東北地方では例年よりやや多いところがある見込みです。
≪鳥取県≫
鳥取県の花粉の飛散量は例年よりやや多く、昨年よりは非常に少ない見込みとなっています。
※言葉の説明
例年…過去10年(2002〜2011年)の平均値
例年並…例年の90%以上110%未満
やや少ない…例年の70%以上90%未満
やや多い…例年の110%以上150%未満
非常に少ない…昨年度の50%未満

☆詳しくは、こちらをご覧ください。
≪日本気象協会 2012年春の花粉飛散予測(第3報)のページ≫
http://www.jwa.or.jp/content/view/full/4181/
○花粉症の症状
『子どもがかかる耳・鼻・のどの病気百科』によると、スギ花粉症の症状には以下のものが挙げられるそうです。
 ・体がだるくなる、頭痛、微熱
 ・皮膚、外耳道、目、鼻、のどなどの花粉が付着するところのかゆみ
 ・のどがいがらっぽい、乾いたせき
 ・鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)、嗅覚障害

また同書によると、風邪の症状と見分けるポイントは次の通りだそうです。
 ・鼻水の違い
  花粉症の時の鼻水は、サラサラで水のような状態か、すこしねばねばする程度。
  黄色い鼻水が出るときは、風邪の可能性があります
 ・目のかゆみ
  風邪にはない症状です。
 ・熱の高さ
  高熱が出たときは、風邪の可能性が高いです。

○花粉症かも!?という症状が出始めたら…
まずは病院(耳鼻科)に行き、診察を受けましょう。
症状の度合いや、どんな時に症状が現れるか、家族にアレルギー体質の人がいるかなどをお医者さんに話し、アレルギー性鼻炎なのかどうか、アレルギーの原因が花粉なのかなどを調べてもらいましょう。
それによって、治療の方針などを決めていきます。

○なるべく花粉を避けましょう
まだ花粉症になっていない人も、花粉症になってしまった人も予防と症状を軽くするために、花粉を避ける工夫を心がけましょう。

【こんなことに気を付けましょう】(『子どもがかかる耳・鼻・のどの病気百科』より)
 1、花粉が飛びそうな日は窓を開けないようにしましょう。
 2、洋服、帽子などは花粉が付きにくい素材のものにしましょう。
 3、髪や顔など花粉がついているところは入浴の際に洗い流しましょう。
 4、帰宅したら家に花粉を持ち込まないように、家の外で花粉をできる限り落としましょう。
 5、外出時にはマスク、めがねなどで花粉を体内にできるだけ入れないようにしましょう。
 6、花粉が飛ぶ季節は布団や洗濯物を外に干さないようにしましょう。
 7、花粉状況に注意して、花粉が多い日の不要な外出は避けましょう。

 ☆花粉が付きにくい素材
表面のつるつるした素材(ナイロン・ポリエステルなどの化学繊維や綿)のものが良いようです。目の粗いニットなどは、花粉が落ちにくいので避けたほうがよいでしょう。

 ☆めがねについて
『アレルギー疾患ガイド』によると、「通常のメガネを用いることにより、眼に入る花粉量を半分以下に抑えることができ、花粉症用メガネを用いると3分の1まで減らすことができる」そうです。
普段コンタクトレンズを使用している人も、自分にとってアレルギー反応のある花粉の飛ぶ時期は、めがねをかけたほうが良さそうですね。

○アレルギー性鼻炎の治療法
◆薬物療法
薬によって症状を抑えたり、症状を出しにくくしたりします。
そのため、治療を中止すると症状はまた元の状態に戻ります。
さまざまな薬がありますので、お医者さんとよく相談して処方してもらいましょう。

また、毎年花粉症によるひどい症状に悩まされる場合は、花粉が飛ぶピーク期となる前、花粉が飛び始めたころに薬物療法を始めることをおすすめします。早めにお医者さんに相談して、症状をなるべく軽く抑えましょう。

◆減感作療法
アレルギーを引き起こす原因となるもの(アレルゲン)を少しずつ注射することで、過剰な反応を起こさないよう体を慣らして、アレルギー体質を改善していく療法です。
【特徴】(『鼻の病気がわかる本』より)
 ・長期寛解(長期間にわたって症状が出なくなること)や治癒が期待できる。
 ・効果が出るまでに時間がかかる。※2〜3年はかかる
 ・長期の定期的な注射が必要。
 ・まれに重篤な副作用(全身性アナフィラキシーショック)を起こすことがある。
 ・アレルゲンの特定が必須。

◆手術療法
薬物療法などで鼻づまりの改善がみられない例、鼻汁のひどい例に対して行われます。


≪参考資料≫
 ・『アレルギー疾患ガイド』アレルギー疾患ガイド編集委員会/編 2006年、中央法規出版
 ・『鼻の病気がわかる本』飯田誠/著 2007年、法研
 ・『子どもがかかる耳・鼻・のどの病気百科』工藤典代/著 2011年、少年写真新聞社
 ・日本気象協会 2012年春の花粉飛散予測(第3報)のページ
http://www.jwa.or.jp/content/view/full/4181/





☆第10回(1月号):「健康診断に行こう」

みなさん、自分の健康に自信はありますか?
「まだ若いから大丈夫」「病気でもないのに、病院にはなるべく行きたくない」
…という人もいるのではないでしょうか。
でも自分の体のことは、
わかっているようで案外わかっていないのかもしれませんよ。
今回は、体のことをしっかり調べる「健康診断」に迫ってみました。

○労働者の健康診断について
健康診断なら職場でやっているなあ、ということもあるはず。
労働安全衛生法では、「常時使用する労働者」に対して
事業者は健康診断を実施しなければならないと定めています。
【こんなときに事業者は労働者に健康診断を受けさせる必要があります】
・雇い入れたとき
・定期健康診断(一年以内に一回)
・特定業務従事者※の健康診断(配置換えの際および6ヶ月に一回)
・海外に6カ月以上派遣させるとき及び帰国後、国内における業務に就かせるとき

※労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げた業務に「常時従事する」労働者のこと。
具体的には…
イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ 異常気圧下における業務
ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ 坑内における業務
ヌ 深夜業を含む業務
ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
カ その他厚生労働大臣が定める業務


ここで気になるのが「常時使用する」労働者という言葉。
短期間のアルバイトやパート、短期契約の仕事に就いている人は
どうなるのでしょうか。
厚生労働省発行の文書「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律の施行について」
(平成19年10月1日基発第1001016号)によると、
「常時使用する短時間労働者」とは、次の要件1と2、両方にあてはまる人であることと定められています。

【要件1】(どれか一つ)
・期間の定めのない労働契約により使用される人
・期間の定めのある労働契約により使用される人であって、当該契約の契約期間が1年以上である人(上で紹介した「特定業務」に従事する短時間労働者であれば、6か月以上)
・契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている人

【要件2】
1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
(なお、要件2において4分の3未満の場合でも、
・上で紹介した【要件1】にあてはまる
・1週間の労働時間数が、同じ職場で同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数のおおむね2分の1以上である
の両方にあてはまる人に対しても、一般健康診断を実施することが望ましい)

つまり、正社員とほぼ同じ時間、1年以上働いている人であれば
事業者が健康診断を受けさせる必要があります。
逆に、数か月で勤め先を変えているときは
1年に一回は自主的に健康診断を受けに行った方がよいでしょう。

○地方自治体の集団健診
お住まいの地域で、集団健診を行っていることがあります。
自治体が費用の一部を負担してくれるため、
自主的に病院に行くより、比較的安価で受けることができます。
詳しくは、お住まいの自治体の健康関連課へ問い合わせるか、
自治体のホームページや自治体が発行した定期刊行物(市報・町報)などをチェックしてみましょう。

☆倉吉市の場合 ※平成23年度の情報です
倉吉市に住所のある20〜39歳の人であれば、
1年に2回開催されている集団健診を受けることができます。(日曜日の休日健診です)
生活習慣病に関する検査を行う一般健診のほか、
胃がん・肺がん・大腸がん・子宮がんの検診も受けられます。
○健診料(平成23年度)
一般健診:1,900円、
各種がん検診:1,500円(胃)/200円(肺)/600円(大腸)/1,000円(子宮)
○申し込み方法
倉吉市保健センター(伯耆しあわせの郷内)にお申し込みください。

※残念ながら23年度分の集団健診(休日健診)は終了していますが
4月に発行される新年度の「くらよし健康ガイド」や、
毎月発行される倉吉市報に掲載される健診の情報をチェックしておき、
次回の健診に備えましょう。

○受けよう!子宮がん検診
子宮頸がんは近年、20〜30代の女性の発症率が増加傾向にある病気です。
日本では年間約8,500人が発症し、女性特有のがんの第2位の発症率となっています(厚生労働省パンフレット『がん検診推進事業 がん検診手帳 子宮頸がんについて』より)。
そのため、20歳を過ぎたら2年に一回は検診を受けることがとても大切です。

倉吉市では、20歳以上の女性を対象に子宮がん検診を実施しています。
集団検診のほか、医療機関(婦人科)での受診もできます。
対象者には5月上旬に、子宮がん検診受診券(はがきタイプ)が郵送されています。
(受診券の無い人や、新しく倉吉市に転入された方は、倉吉市保健センターに電話でお申し込みください。受診券が郵送されます)
☆生理中でも受けることができます。
☆医療機関での受診期間は12月末で終了しましたが、平成24年1月25日(水)の集団健診で受けることができます。


○健康診断でわかること
健康診断では、おもにこんなことを行います。

 ◆問診(既往歴、業務歴、喫煙歴、服薬歴、自覚症状・他覚症状の有無)
 ◆身体測定(身長・体重・腹囲)
 ◆視力・聴力検査
 ◆血圧測定
 ◆尿検査(糖・蛋白が出ていないか)
 ◆胸部X線検査…レントゲンを撮ります
 ◆心電図検査
 ◆採血をして、いろんな検査を行います
(大事な検査なので、注射が苦手でも我慢です…)
  ・貧血検査(血色素量、赤血球数)
  ・血中脂質検査(LDLコレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール)
  ・肝機能検査
  ・血糖検査

これらの検査で、おもに糖尿病、高血圧、高脂血症など「生活習慣病」を発症するおそれがあるかどうか(または発症しているかどうか)がわかります。

「若いうちは大丈夫」ではなく、若いうちから毎年検査を受けておいて、40代〜50代になったとき大事にならないようにすることが肝心です。
ちょっとした異常が見つかったら、自分の日常生活(食事・運動・飲酒など)に問題はなかったかを見つめ直し、生活改善に努めましょう。

○自主的に健康診断を受けたいときは…
・かかりつけのお医者さんで健康診断を受けたいときは、
まず予約をとってから行きましょう。
・健診料は、上の「健康診断でわかること」に記した検査をすべて行った場合、だいたい1万円前後かかります。
・尿検査がある場合は、検査の直前にうっかりトイレに行ってしまわないように気を付けましょう。


☆参考資料
・平成23年度くらよし健康ガイド
・厚生労働省パンフレット『がん検診推進事業 がん検診手帳 子宮頸がんについて』
・労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の項目の改正について〜平成20年4月1日施行〜 
(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署パンフレット)






☆第9回(12月号):「風邪・インフルエンザ予防に努めましょう」

季節はもう冬、インフルエンザの流行時期になってきましたね。
大事な仕事を抱えているときに風邪やインフルエンザになってしまうと大変!
今月は、風邪・インフルエンザについて調べてみました。

【風邪はどんな病気?】
おもに、ウィルスによって生じる上気道(鼻・のど)の感染症のことをいいます。
ウィルスには様々な種類があり、それによって症状もちがいます。
○症状
・鼻水が出る(鼻がつまる)
・のどの痛み
・せき
・声がかれる
・頭痛
・熱
・関節痛

【「風邪は万病の元」は本当だった!】
普通は風邪のひきはじめから1週間ほどで症状は治まりますが、
風邪で体が弱っていることをきっかけにして合併症が起こることもあります。
≪例えば、こんな合併症があります≫
・急性中耳炎
・急性鼻副鼻腔炎
・結膜炎
・気管支炎
・肺炎

また、風邪かと思ったら別の病気だった!ということもあります。
例)咳が長引くとき…百日ぜき、気管支喘息など 
風邪をひいたときは「たかが風邪」と考えず、
ゆっくり休みましょう。

【インフルエンザについて】
急に38度以上の高い熱が出た場合や、
関節が痛い、
全身がだるく動くのがつらいなどの症状が出た場合は
風邪ではなくインフルエンザである可能性があります。
マスクを着用し、早めにかかりつけ医や最寄りの内科を受診しましょう。
受診の際はなるべく他の人への感染を防ぐため、事前に電話で症状を伝えておき、医療機関の指示に従いましょう。

○ワクチン接種
インフルエンザワクチンを接種することで、
・感染の予防(100%防げるわけではありません)
・重症化を防ぐ
ことができます。
ワクチンの効果が現れるまでには、接種後約2週間程度かかります。
もう流行のシーズンに入っていますので、接種はお早めに!
※ワクチンの接種には、事前の予約が必要です。
かかりつけのお医者さんにワクチン接種ができるかどうか問い合わせてみましょう。

【予防法】
○手洗い
風邪のウィルスはそこら中に付着しています。
たとえば風邪をひいた人が鼻をかんだ後、
手を洗わずに触れた手すり、電話の受話器、パソコン…。
それに触れたあなたの手から、眼や鼻などを経由して
ウィルスは侵入してくるわけです。
(目や鼻を触る癖のある人は要注意!)
ウィルスの侵入を完全に防ぐことはもちろん無理ですが、
手洗いは、自分の予防だけでなく周りの人も守る対策です。
家庭・職場で一丸となって取り組みたいですね。

≪手洗いの頻度≫
食事前やトイレの後、外出先から帰った後はもちろん、
鼻をかんだり、くしゃみや咳を手で抑えたりした後には手洗いを!

≪手の洗い方≫
手洗いは大事、とわかっていても
つい水の冷たさ、年末の気忙しさも手伝って、
「手を水と石鹸に当てておしまい」のような手洗いになっていませんか?
仕事の気分転換も兼ねて、以下のポイントに気をつけて洗いましょう。
◆ポイント
☆30秒くらいかけて、ていねいに洗いましょう。
・手洗いの前に、腕時計・指輪などを外す
・石鹸を良く泡立たせ、手のひらを合わせて洗う
・指は一本一本丁寧に洗う(特に親指)
・指の間・手の甲もしっかりと
・爪の間・手のしわも忘れずに
・手首も洗う
・清潔なタオルなどでしっかり水分をぬぐう
 ☆共用タオルでなく、ペーパータオルや各自のタオルを用意しておくとよいですね。

○人混みをなるべく避ける
予防はもちろん、
すでに風邪気味のときも同様です(周囲にウィルスを撒き散らさないため)。

○咳エチケット
くしゃみ、咳が出るときは
ウィルス・細菌を周りに広げないためにマスクをしましょう。
もしマスクが手元にない場合は、
周りの人から顔を背けてティッシュなどで口・鼻を覆うようにしましょう。

○適度な湿度
インフルエンザウィルスは低温・低湿を好みます。
暖房で乾燥した部屋は、のどを痛めるうえ
ウィルスの温床となってしまいます。
部屋の換気・加湿などで適度な湿度を保ちましょう。

○ごみに気を使う
鼻をかんだあとのティッシュは、
他の人の手に触れないように捨てましょう。
(普通のごみと分け、別の袋に入れて入り口をしばっておくなど)

○しっかり休養&規則正しい生活
上で挙げた手洗いを含め、様々な予防法が世の中にはありますが
外から入ってくるウィルスを完全に防ぐことは不可能です。
問題は、ウィルスが入ってきたときの体の状態。
睡眠不足や、不規則な生活をしている状態では
風邪にかかりやすくなってしまいます。
年末で忙しい時期ではありますが、
・睡眠時間の確保
・3食しっかり食べる
・規則正しい生活
この3つのポイントを心がけましょう。
さらに、適度な運動をして体力を高めておくとなお良いですね。

【風邪をひいたかな?そんなときは…】
○安静にする
とにかく安静にすることが基本です。
上でも紹介したとおり、風邪で体が弱っているときに無理をすると
合併症を起こし、治りが遅くなってしまいます。
また、風邪をひいた状態で職場に出ても
普段どおりに仕事がはかどらないばかりか、
ウィルスを周囲に広げてしまうおそれがあります。
無理せず休んだほうが、職場にかける迷惑が少なくなることもあるのです。

○水分補給
のどを水分で潤し保湿するため、
また汗や鼻水で出てしまった水分を補給するためにも必要です。
食欲がないときも、スープやイオン飲料などで水分補給は忘れずに!

【インフルエンザに感染したときは】
インフルエンザの場合は、症状が出てから7日間程度、
熱が下がってからも2日間程度は他の人に感染させることがあります。
職場にはインフルエンザに感染したことを伝え、
感染のおそれがなくなるまで自宅療養する必要があります。
また、以下の点に注意しましょう。
≪かかった人≫
・処方された薬は、症状がなくなってからも最後まで飲みきる
・毎日体温を測る
・外出は極力控え、個室で安静にして過ごす
・こまめに水分補給をする
・栄養・十分な睡眠をとる
・マスクの着用
・咳エチケットを心がけ、使ったティッシュを家族が触れないようにして捨てる
≪看病する人≫
・毎日体温を測る
・マスクの着用
・看病後は手を洗う
・なるべくかかった人と別の部屋で過ごす
・部屋の換気、適度な湿度を保つ
・タオル・食器の共用を避ける
・かかった人の容態が悪化した場合は、すぐ受診した医療機関へ相談する
(事前に連絡先をメモしておく)

【そのほかの注意】
○鼻をかむとき
スッキリしたい!と考えるあまり
豪快に鼻をかんでしまうことはありませんか?
実は、強く鼻をかんでしまうと
鼻から耳へと病原体が入り、中耳炎を起こすことがあるのです。
鼻は片方ずつ、やさしく静かにかんでくださいね。
そして、鼻をかんだあとは手洗いを忘れずに!

☆参考資料
子どもがかかる耳・鼻・のどの病気百科 工藤典代/著 少年写真新聞社
かぜの科学 ジェニファー・アッカーマン/著 早川書房
「カゼ」と「インフルエンザ」はどうちがう 角田史郎/著 汐文社






☆第8回(11月号):「腰を大事に」



頭痛と同じく、生活の中でよくある症状といえば腰痛。
日本では1000人あたりにつき95人は腰痛もちなのだという
統計もあるそうです。(10人にひとりの割合ですね)
私達の体を支える腰、大事にしていきましょう!


○腰痛もいろいろ
先月の「頭痛」と同様に
腰痛の原因もさまざまで、中には別の病気からくる腰痛もあります。
大まかに分けるとこうなります。
◆一般的な腰痛
  (筋肉の緊張や加齢によるもの)
◆体内の別の問題から起こる腰痛
  (背骨の内側にある神経や、腰回りの骨、内臓に問題がある、
   腫瘍が背骨に転移しているなど)

☆腰痛も日常の中でもよくある症状ですが、
中には別の病気・症状が原因となっていることもあります。
腰痛がずっと続く、どんどん痛くなってくるときや、
ふくらはぎの外側や太ももの後ろにしびれや痛みが走るとき、
立つ・歩くなどの動作で腰の痛みが増すとき、
歩いているときに足に力が入らなくなるなど、
気になる症状がある場合はすぐに病院(整形外科・脳神経外科など)を受診しましょう。

○一般的な腰痛の起こるしくみ
上で紹介した通り、腰痛の起こる原因はさまざまです。
ここでは、一般的な腰痛についてみていきましょう。

1、加齢による背骨のがたつき
人間には背骨がありますね。この背骨のことを「脊椎(せきつい)」といいます。
この脊椎の内側には、「脊髄(せきずい)」という脳からの情報を伝達する
神経の束があります。
この大事な情報伝達ケーブル・脊髄を守っているのが脊椎なのです。




さてこの脊椎、体の曲げ伸ばしができるように
30個の骨に分かれています。

30個の内訳
 頸椎…首のあたり。7個
 胸椎…背中。12個
 腰椎…腰のへん。5個
 そのほか(仙堆・尾椎)…あわせて6個

これらを繋ぎ止め、クッションの役割を果たしているのが「椎間板」。
もともとは水分を含む、プリッとした組織なのですが、
加齢とともに水分を失っていくので、
クッション機能がなくなり、脊椎はがたがたしてきます。
また、骨同士がぶつかってトゲのようなものができることもあります。

2、腰回りの筋肉の緊張
背骨ががたついてくると、背骨まわりの筋肉に緊張が生じてきます。
緊張すると筋肉への血流が低下し、代謝が悪くなることで「コリ・痛み」が
生じるのです。(肩こりのしくみと似ていますね)

これに加え、
・腰に負担のかかる姿勢・動作
   前かがみになる、腰をひねる、長時間同じ姿勢を取るなど
・運動不足
   背骨を支える筋力の低下から、正しい姿勢を保てず腰の負担になる
・重労働
   重い荷物の持ち運びなど、椎間板に大きな負担がかかる
・喫煙
   タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があり、椎間板周辺の毛細血管が収縮し、
   椎間板の栄養補給が不十分となる。⇒椎間板が変性してしまう
・肥満
   上半身を支えているのは腰。重ければその分負担も増える
   お腹が前に出ることで自然と反った姿勢となり、さらに腰に負担増
などの生活習慣からくる要因も、腰痛発症に関わっています。

○腰が痛くなったら…
腰が痛くなった!
 ↓
◆腰痛発生後すぐ
痛みのつらいとき(2〜3日)は冷やす
痛みの出る活動を控え、安静に
 ↓
その後は血流をよくするために温める
安静にし過ぎない
 ↓
◆腰痛発生から一週間後以降
運動不足や悪い姿勢などで腰痛が慢性化することもあるので、
ストレッチ・体操をはじめる
☆痛みがつらいときは無理をしない・痛みがひどいときは病院へ


○生活改善で腰痛を予防・改善しよう!
 上で挙げた運動不足・喫煙・肥満などの腰痛の要因をなるべくなくすようにするほか、
 普段とっている姿勢を意識することが、腰痛予防・改善につながります。

≪姿勢を意識する≫
 ◆立っているとき
  ・背筋をのばす(前かがみにならない)
  ・あごを引く
  ・お腹に力を入れる(お腹を前にださない)
  ☆立ちっぱなしのときは…足を左右(または前後)に開き、重心をこまめに移動させる
 ◆椅子に座っているとき
  ・背筋をのばす(猫背にならない・背もたれに寄りかからない)
  ・あごを引く
  ・お腹に力を入れる(お腹を前にださない)
  ・椅子は足が地面につく高さで、ひざが腰より少し低い位置にくるもの
  ・椅子の背もたれは100〜110度くらいの角度 
 ◆重い荷物などを持ち上げるとき
  ・荷物の前でひざを曲げてしゃがむ
  ・荷物に体を近づける
 ◆横になるとき
  ・腰が反りすぎる状態を避ける(寝転んで読書・テレビ鑑賞・うつぶせで寝るなど)
   ☆ひざを曲げて寝ると腰の反りすぎを避けることができる

 ≪ストレッチ≫
腰痛発生の要因となる運動不足による筋力の低下を改善するため、ストレッチが効果的です。ただしあくまでも無理はせず、以下の注意点に気をつけて行ってください。

※ストレッチを行うときの注意
☆こんな場合は、ストレッチを行う前にまず病院を受診しましょう
 ・痛みが強くて動けない、安静にしていても痛い
 ・腰や脚にしびれがある
 ・痛みがどんどん強くなっている
また、腰痛になってから一週間以内のときはストレッチを行わず、
安静にしておきましょう。

☆安全のために必ず守りましょう
 ・痛みの強い日はストレッチをしない
 ・痛みや不快感が出たら、すぐにやめる
 ・無理せず、できる範囲で行う
 ・やわらかい布団やマット(体が深く沈んでしまうもの)の上で行わない
☆効果的にストレッチを行うために…
ストレッチを行うときは、筋肉を伸ばすときに息を吐きます。
空いた時間などに、無理なくできる回数を行いましょう。

【筋肉・靭帯を伸ばすストレッチ】
○腰・背中のストレッチ
1 あおむけになり、片方のひざを曲げて両手で抱える
2 ひざをゆっくりと、胸に付けるように引き寄せる
  (難しいときは少しでもOK)
3 5秒キープして、元に戻す(無理なら1秒でもOK)
4 反対側も同様に

○太ももの裏のストレッチ
1 あおむけになり、片方のひざを腰のあたりまで上げる
  (両手はひざの後ろで組んで脚を支える)
2 上げた方のひざをゆっくりと伸ばす
3 5秒キープして、元に戻す(無理なら1秒でもOK)
4 反対側も同様に

【腰回りの筋肉を鍛える体操】
○腹筋を鍛える体操
1 あおむけになる
2 両ひざを立て、足を肩幅程度に開き、
  両手を太ももの上に置く
3 あごを引いて、手を太ももの上で滑らせながら、
  上半身をゆっくりと起こす
  (床と背中の間の角度が30度くらいになるまで)
4 5秒キープして、元に戻す(無理なら1秒でもOK)

○腹筋を鍛える体操(椅子でできます)
1 平らな所に置いた安定した椅子に浅く腰掛ける
2 両足をそろえ、腕は手のひらが内側に向くように伸ばす
3 椅子の端を両手でつかみ、両ふとももをゆっくり上げる
4 5秒キープして、元に戻す(無理なら1秒でもOK)

○背筋を鍛える体操
1 うつぶせになる
2 下腹のあたりに枕などをはさむ
3 あごをひいた状態で、上半身をゆっくりと起こす
 (顔と床の間が10cmくらいになるまで)
4 5秒キープして、元に戻す(無理なら1秒でもOK)


【マッケンジー法】
腰痛などの治療に効果のあるとされる、腰を反る方向へ動かすエクササイズです。
丸まりがちな姿勢によって起こる腰痛を解消するため、「腰を反らせる」ことで無理な状態に引っ張られた腰椎の周りの靭帯を緩め、痛みを和らげようという考え方に基づいています。
※すべての腰痛に効果があるわけではありません。
また、一日中痛みが続く、ひざよりも下に痛みが出る、エクササイズの後に痛みが強まる・広がる場合はすぐに中断し、医師にご相談ください。


参考として、いくつかのエクササイズを紹介します。
○腰の痛みの強いとき
1 うつぶせになる
2 深呼吸をしながら全身の力を抜いて、
  両肘を地面について腰を反らす。
3 この状態を2〜3分保つ。
☆10回1セット、1〜2時間に一度行う

○腰を反らしても、それほど痛みの強くないとき
1 うつぶせで両手を肩幅につく
2 下半身は力を抜いて床につけたまま、
  腕をゆっくりと伸ばす(腕立て伏せの要領で)
3 痛みに耐えられる程度まで上半身を上げ、1〜2分キープ
4 元のうつぶせに戻る
☆10回1セット、1〜2時間に一度行う


☆参考資料
『85%の肩こり・腰痛は自分で治せます』谷 諭/著 マガジンハウス
『NHK今日の健康 腰痛スッキリ!「腰みがき」』 NHK出版




☆第7回(10月号):「頭痛」

人生いろいろ、頭の痛くなることもありますよね。
でも、「頭痛がひどくて仕事にならない…」となってしまっては大変です。
今回は頭痛について調べてみました。

○たかが「頭痛」と言えないことも!
頭痛は日常の中でもよくある症状ですが、
中には生命に係わる頭痛もあります。
今まで経験したことのない突然の頭痛、次第に悪くなる頭痛のときは、すぐに神経内科、脳神経外科などを受診してください。
これらの頭痛は、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などから引き起こされている場合があります。言語障害などの症状を伴いますが、頭痛のみの場合もあり要注意です。
必ず頭部CT、MRT、髄液検査などの検査が必要です。

慢性頭痛では、おもに
 ・片頭痛
 ・緊張型頭痛
 ・片頭痛と緊張型頭痛、両方の要素がある混合型頭痛
 ・群発頭痛

などに分けることができます。
これらの頭痛について、詳しくみていきましょう。


○片頭痛
〈おもな特徴〉
 ・頭の片側が痛む(両側の時もある)
 ・脈拍に合わせてズキンズキンとする
 ・特に痛いときは、ちょっとした動作で痛みが増す
 ・吐き気がする
 ・痛みが数時間〜2、3日続く
 ・光や音に敏感になる

また、前ぶれ症状として視野が欠ける、生あくび、肩こり、首すじの張りなどが起こるときがあります。

〈原因〉
 片頭痛の起きる原因は、「三叉神経血管説」という説が有力です。
 何らかの原因でセロトニン(血管を収縮させる作用がある神経伝達物質)が 大量放出される
〈脳の血管は収縮する〉
  ↓
 セロトニンが出尽くす〈反動で脳の血管が急激に拡張!〉
  ↓
 血管をとりまく三叉神経(脳幹から出ている神経・顔面の知覚を司る)が圧迫されて興奮状態になり、炎症物質が分泌される
  ↓
 この炎症の情報が脳幹から大脳に伝わり、痛みとして認識される

〈片頭痛を引き起こすきっかけ〉
 ◆ストレス・精神的緊張
  →ストレスから解放されると、セロトニンが枯渇して血管が急激に拡張するため
 ◆疲れ
 ◆睡眠…睡眠不足のほか、寝過ぎることでも起こります
 ◆月経…月経の前後に起こることが多いです
 ◆季節…天候の変化や、温度差から、体温調節のために血管が広がりやすくなります
 ◆アルコール

〈予防法〉
 ◆片頭痛のきっかけとなるものをなるべく避ける
  規則正しい生活(睡眠不足、寝過ぎなどを避ける)、お酒を飲み過ぎないなど
 ◆予防薬もあります
  片頭痛には、病院で処方してもらえる予防薬もあります。「頭痛の回数が多くてつらい…」というときは、お医者さんに相談してみましょう。

〈痛くなった!そんなときは…〉
 ◆部屋を暗くして、安静にする
  片頭痛が起こっているときは、光や音に敏感になり、体を動かすと痛みが増してしまいます。静かな部屋で横になるのがよいですね。
 ◆痛む部分を冷やす
 痛む部分を冷やすと、血管が収縮して痛みが軽減されます。

 ◆薬もいろいろあります
〈鎮痛薬〉
 鎮痛薬は、痛くなり始めたときに飲んだほうが、結果的に痛みに悩まされる時間が少なくて済みます。

・アセトアミノフェン
市販薬に多用されている薬剤です。比較的軽い頭痛〜中程度の頭痛に効果があります。
市販薬には、このほか併用すると有効な成分(カフェインなど)や、胃粘膜を保護する成分などが配合されているものもあります。

・非ステロイド系抗炎症薬(アスピリンなど)
 
比較的軽い頭痛〜中程度の頭痛に効果があります。
これも市販薬に配合されていることがあります。

〈治療薬〉
・トリプタン系薬剤
近年登場した、片頭痛の治療薬です。
セロトニンに作用して脳の血管の異常な拡張と、三叉神経から放出される炎症物質を抑える作用があります。また、脳内での片頭痛の情報伝達を遮断します。
重度の頭痛や、上に挙げた薬でも効果がなかった場合に推奨されます。
処方してほしいときは、まずお医者さんに相談してみましょう。

☆薬の飲み過ぎで頭痛になることも!
「しょっちゅう頭が痛くなるから…」と、毎日のように薬を飲んでいることはありませんか?薬の飲み過ぎは、かえって頭痛を慢性化・悪化させることがあります。薬の服用は、月に10日以内を心がけてください。


○緊張型頭痛
〈おもな特徴〉
・圧迫、締め付けるような痛み
・頭の後頭部を中心に、両側が痛む
・首や肩のこり、めまいを伴う
〈きっかけ〉
筋肉のこりやストレスによる緊張が、この頭痛を起こす要因となっています。

◆姿勢の悪さ
長時間のパソコン操作やデスクワークなど、うつむき姿勢を長い時間続けていることで肩こりを起こし、その筋肉のこりや緊張によって神経も影響を受け、頭痛が起こります。
◆枕の高さ
枕が高すぎるなど、体に合っていない枕を使っているときも、肩こりから頭痛につながることがあります。
◆冷え
これも、肩こり→頭痛につながります。
◆ストレス
ストレスや不安を感じている状態が続くと、神経や筋肉の緊張が高まり、肩こり→頭痛につながります。

〈予防法・解消法〉
◆肩こり対策全般が有効です。
簡単な体操や、こっている部分を温める、正しい姿勢を心がけるなどして、まずは肩こりを予防しましょう。
☆肩こり対策は、健康維持お役立ち情報6月号でもご紹介しています。
 →6月号へ

〈痛くなった!そんなときは…〉
◆まずはお薬で痛みを抑える
 肩や首のこりを解消すればこの頭痛はなくなりますが、「いま痛い!」というときは何も手につかないですよね。まず鎮痛剤で痛みを抑え、その後に肩こり対策法を実践していきましょう。


○群発頭痛
〈おもな特徴〉
・強烈な痛みがある
・男性に多い
・片側の目の奥周辺が痛い
・目が充血したり、涙が流れたりする
・1回の頭痛で、15分〜3時間程度痛みが続く
・ひとたび起こると、1〜2カ月の間、連日ほぼ決まった時間に起こる
(「群発」といわれる所以です。)
・夜間・睡眠中に起こりやすい

また、頭痛が出る直前に目がかすんだり、首が張ったりする前ぶれがあります。

〈きっかけ〉
どういうメカニズムから群発頭痛が起こるのかは諸説あり、はっきりしていません。
ただ、群発頭痛の期間中にお酒を飲むと必ず頭痛が起きることがわかっています。

〈予防法〉
予防薬があります。まずはお医者さんに相談してみましょう。

〈痛くなった!そんなときは…〉
トリプタン系薬剤のスマトリプタン皮下注射を行うことが理想的ですが、この頭痛は夜間に起こりやすいため病院にいくのが難しいことがあります。お医者さんに相談して、予防薬・痛みが起こった時の治療薬を処方してもらいましょう。


○病院で受診するときは
かかりつけのお医者さんに、頭痛の状況について詳しく話しておきましょう。
☆ポイント
・いつごろから痛いか
・どんなふうに痛いか
・どんな時に痛いか(季節・時間帯など)
・月にどのくらい頭痛が起きるか
・痛みを感じる部分
・頭が痛くなる前に前ぶれ症状があるか
・普段、どんな薬を飲んでいるか
また、いつもの頭痛と違う場合は必ずお医者さんに伝えましょう。
頭痛の予防薬が欲しいときは、それも伝えるとよいでしょう。


☆参考資料
『これで治す 最先端の頭痛治療』日本頭痛学会/編 保健同人社
『図解 めまい・耳鳴り・頭痛の正しい直し方と最新治療』
清水俊彦/著 日東書院本社
『慢性頭痛とつきあう法』寺本純/監修 講談社
☆監修・協力 新田内科医院院長様




☆第6回(9月号):「お口のトラブル」


「最近歯がしみるんだよなあ」「ちょっと歯が痛いかも」…など、
口の中の気になるトラブルはありませんか?
芸能人じゃなくても、歯は命!
今月は歯や口の中の健康について調べてみました。

○むし歯
・むし歯ができる原因は?
口の中にはたくさんの細菌が住みついています。その中にはむし歯を引き起こす菌もいます。このむし歯菌は、口の中に残った砂糖など甘いものを食べ、グルカンという物質を作ります。
【グルカンの特徴】
 ・ねばねばして歯に貼りつきやすい
 ・水に溶けない(そのため、うがい程度では落ちない)

グルカンにいくつかのむし歯菌が結びつくと「歯垢」になります。
この歯垢の中にいる菌は、食べ物のかすを栄養として増えていきます。その過程で、糖分やでんぷんが分解されるときに酸が発生し、歯の表面を溶かしていくのです。
よって、むし歯の第一の原因はこの歯垢ということになります。
そのほか、
・むし歯菌の栄養となる食べ物(特に砂糖の入ったもの)をとる
・個人の歯の性質(歯の質が弱い、歯並びが悪いなど)
・歯垢がついたまま放っておく(時間経過)
という要因が重なって、むし歯はできていくのです。

【むし歯のできやすいところ】
奥歯周辺や歯と歯の間、歯茎との境目など、歯みがきで歯垢が取りにくいところには、むし歯ができやすくなります。歯の治療で詰め物やかぶせものをした周りも要注意です。

【むし歯予防法その1〈歯みがき編〉】
むし歯予防には、何を置いてもまずは歯垢を落とす歯みがきが重要です。
まずは歯みがきのポイントを押さえていきましょう。
◆ブラッシング法いろいろ
 歯磨きのブラッシング方法は色々なものがあります。一例を紹介します。
ローリング法…歯の表面の汚れや、歯垢を落とすブラッシング法です。

側面をあてる
〈歯並びがよく、歯茎の健康な方向き〉
 歯ブラシの側面を歯と歯茎に当てる。
毛の側面を歯と歯茎に押さえつけながら、
歯ブラシを半回転させる。
 (上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ)
 歯垢を落としやすくするため、かための歯ブラシを使います。

バス法…歯と歯茎の間の歯垢を取り、歯茎をマッサージするブラッシング法です。
〈歯周病の予防・治療をしたい人向き〉
 毛先を歯と歯茎の間にななめ45度の角度で当て、

歯ブラシを小刻みに動かして磨きます。
 硬い歯ブラシだと歯茎を傷めてしまうので、
やわらかめの歯ブラシを使います。
歯ブラシの毛先は10mm以下の
短いものを使いましょう。

◆ふつう〜かための歯ブラシで
 上で紹介した通り、歯垢はねばねばして歯に貼りついています。これを落とすには、ふつうか硬めで弾力のある歯ブラシを使うとよいでしょう。ただし、歯周病など歯茎に問題があるときは、毛のやわらかいものを使いましょう。

◆磨きにくいところ対策
 歯垢は磨きにくい所にたまります。磨き方も工夫してみましょう!
 〈歯と歯茎の間〉
  毛先の横端をななめ45度の角度で当てて磨きます。
 〈歯と歯の間〉
  歯ブラシの横端の毛を使って、毛を少し歯と歯の間に入り込むようにして一本一本丁寧に磨いていきます。

↑ワンタフトブラシ
  また、歯間ブラシやデンタルフロスを使うのも効果的です。
 〈奥歯周辺・歯並びの複雑なところ〉
ワンタフトブラシ(毛束がひとつのブラシ。右図参照)を
使うと磨きやすいです。仕上げ磨きに使うのもいいですね。

◆力を入れすぎない
 歯垢を取ろうと躍起になって、力を入れて磨くと歯茎に傷がついてしまいます。
 歯ブラシは軽く持ち、ブラッシングは軽い力で行いましょう。

◆歯ブラシの毛先に気を付ける
 毛先が開いた歯ブラシでの歯磨きは、歯についた歯垢を落としにくくなるだけでなく、歯茎に傷を付けかねません。
 毛先が開いてきたら、早めに取り替えましょう。

【むし歯予防用その2・生活習慣編】
・「いつも何か食べている」状態を避ける
 「ちょっと小腹が空いたから」と、お菓子を少しずつ、ずっとつまんでいることはありませんか?
 それはむし歯菌に絶えずエサをあげているのと同じ。食事の時間・間食の時間を決めて食べましょう。
 また、間食の回数が多いと、結局「いつも何か食べている」ことになります。回数は一日1〜2回にしておきましょう。

・のどが渇いたときの飲み物は、お茶や水を飲む
 ジュースには糖分がいっぱい。のどが渇くたびに、水代わりに飲んでいれば、むし歯菌はどんどん増殖していきます。砂糖を入れたコーヒーなどでも同じことですね。
普段はお茶や水を飲み、ジュースは食後・おやつの時間に飲むようにしましょう。

・食後はすぐに歯みがきを
 むし歯は歯垢が付いたまま時間が経つことで進行していきます。歯垢がついたまま放っておかず、すぐに歯みがきをしましょう。

・うがい薬について
職場などで、昼食後に歯みがき代わりとしてうがい薬を使う方もいらっしゃるかもしれません。しかし上で紹介した通り、歯垢は水で流した程度では落ちないものです。むし歯・歯周病予防には十分ではなく、あくまでも口臭予防・ちょっとした消毒作用程度のものだと認識しておきましょう。

・キシリトールについて
むし歯予防のできる甘味料として注目されているキシリトール。この甘味料には、
・むし歯菌がエサにすることができず、酸が発生しない
 (エサにしようとすると、かえってむし歯菌は弱り、菌の数が減る)
・キシリトールを長期的に摂ることで、むし歯菌が発生させる酸を作りにくくする
・唾液の分泌を促進する
 (唾液には、むし歯菌が発生させた酸を中和する効果があります)
・歯の再石灰化(酸で溶けた歯を元の状態に戻す)を助ける
などの効果があります。
 普段の歯みがきに加えて、キシリトールガムをかむなどの習慣も取り入れてみましょう。

・定期健診を受ける
 どんなに気を付けていても、取りきれない歯垢はあるものです。歯医者さんではむし歯がないか調べてくれる上、歯垢のたまった箇所を色々な器具を使ってクリーニングしてくれます。つまり、定期的に歯医者さんにかかっていれば、少なくともひどいむし歯になることはありません。「行きつけの歯医者さん」を作っておき、歯と気分のリフレッシュに歯医者さんを利用するのもいいかもしれませんね。

○歯周病
 歯周病も、むし歯と同様お口のトラブルの代表格です。歯周病の原因は、むし歯と同じ菌から生まれる歯垢です。歯周病が進んでいく過程をみていきましょう。
 【歯肉炎】
歯の表面にくっついた歯垢を放置することで、歯の周りを包み込んでいる歯肉に炎症が起きてしまいます。歯茎が腫れて充血し、硬いものを噛んだときや、歯みがきのときなどに出血してしまいます。ただ、痛みを感じない場合も多く、放置されがちです。
   ↓
 【歯周病(初期)】
 歯肉炎が進むと、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」というすき間ができます。また、歯を支える骨である歯槽骨が破壊されはじめてきます。
   ↓
 【歯周病(中期)】
 歯槽骨が破壊されて、歯周ポケットも深くなり、歯がグラグラするようになってきます。
 硬いものが噛みにくくなり、歯肉から膿が出て、口臭もひどくなります。
   ↓
 【歯周病(重症)】
 歯槽骨はほとんどなくなり、歯の根がむき出しになってしまいます。歯はグラグラして、ものが噛めなくなります。歯肉から血・膿が出るため口臭がひどくなります。歯周ポケットにいる歯周病菌が血液に入りこみ、別の病気を引き起こすこともあります。
 ここまで進行すると、もう歯を抜くしかありません。

・予防しよう!歯周病
 歯周病は、歯を失うだけでなく別の病気の要因にもなる怖い病気です。
 でも歯周病の予防も基本はむし歯予防のときと同じ。歯みがきを行い、歯垢を取り除くことです。そして、取り除けない歯垢・歯石(歯垢が石灰化したもの、ブラッシングでは取れなくなります)は歯医者さんで取ってもらいましょう。
 また、喫煙やストレスも歯周病の要因となります。心当たりのある方は、「歯茎が赤くなっていないか(黒ずんでいないか)」「歯みがきの時血が出るか」など、歯茎をチェックしてみてください。

○口内炎について
 気が付くとできている、痛い口内炎。一般的なものは「アフタ性口内炎」とよばれる、白い2mmくらいの浅い潰瘍です。その原因はよくわかっていませんが、
・口の中を噛んでしまったときの傷
・過労気味でビタミンBが不足している
・口の中の免疫力が低下している
などが原因ではないかとされています。
口内炎ができてしまったときは、コーヒーや辛いものなどの刺激物を避け、口の中をいつもより清潔にしておくよう心がけましょう。
1週間以上たっても治らない時などは、歯医者さんに行って薬を処方してもらいましょう。

○口臭について
 「私の口、臭ってないかしら…」「接客業だから、口臭があったら困るなあ」と、
口臭を気にする方は多いはず。また、人から「口が臭い」と言われるとショックですよね。
〈口臭が強くなるとき〉
・朝起きたとき・空腹時
・緊張しているとき(唾液の分泌が少なくなるため)
・口の中が不潔になっているとき
・においの気になるものを食べた
・むし歯や歯周病のとき

 口臭を消すには、やはり歯みがきをすること。
 うがい薬、口臭を消すガムも有効です。また、食間・食後に緑茶を飲むのも有効ですよ。
 ただ、むし歯や歯周病から起こる口臭は、自分では臭いに気づかない場合があります。歯茎が腫れていないかを確かめて、歯医者さんに行ってみましょう。

☆参考資料
『歯と口の悩みを解決する本』 坂本貴史/著 法研
『歯のケアと最新治療が分かる本』 沢辺 治/著 主婦と生活社 




☆第5回(8月号):「熱中症にご用心」

暑い日が続きますね。
今年も各地で熱中症のニュースが報道されています。
「屋内での仕事だから大丈夫」「いつも運動をしているから自分は平気」
…という過信は禁物!
今回は、熱中症について詳しくみていきましょう。

○熱中症ってどんな病気?
蒸し暑い環境や体を動かす活動によって、体には熱によるストレスがかかります。
こんなとき、体は体温調節機能を働かせ、皮膚血管を広げて汗をかき、
体温を一定範囲に保つようになっています。
しかし、非常に高温・多湿である場合や、もともと体調不良のときなどに熱によるストレスを受けた場合、
体内の水分・塩分のバランスが崩れて、体温を維持できなくなってしまうことがあります。
これによって生じる様々な症状のことを「熱中症」といいます。

【暑いときの体温調節の仕組み】
 気温が高い
  ↓
 体に熱がたまってくる
  ↓
 体温を調節するために、汗をかく
  ↓
 からだの表面の汗が蒸発し、気化するときに体の熱を奪って体温を調節する
【蒸し暑いとき、熱中症になりやすいのは】
 気温・湿度が高い
  ↓
 体に熱がたまってくる
  ↓
 体温を調節するために、汗をかく
  ↓
 湿度が高いと、汗が蒸発しにくいため、熱が放散されない
  ↓
 熱を下げようと、さらに汗をかく
  ↓
 汗には水分・電解質(イオン:ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)が含まれているので、
 汗をかいた分だけそれらが失われる
  ↓
【熱中症の症状が起こる】
 水分がなくなる…脱水症状となり、さらに熱が上がる
 電解質がなくなる…筋肉の収縮に必要な塩分(ナトリウム)が不足し、けいれんを起こす

○熱中症になりやすい環境
 ◆気温・湿度が高いところ
屋内・屋外を問わず蒸し暑い環境や、直射日光の入るところ、
または直射日光で暖められたコンクリートの表面、
加熱炉など高温の物体のある環境では、熱中症になりやすくなります。
節電の叫ばれるこのごろですが、蒸し暑い状態で締め切った屋内にいても
熱中症になってしまうことがありますので、エアコン・除湿機を効果的に活用しましょう。

 ◆風のないところ(または、暖かく湿った風の吹くところ)
風があると、かいた汗が蒸発しやすくなり、体にたまった熱が放散されやすくなります。
したがって、風のない場所や、暖かく湿った風が体に当たるところでは、
なかなか発汗による体温調節がうまくいきません。

 ◆急に暑くなったとき
暑さに慣れていない時期(4〜6月など)に急に気温が上がると、
暑さに対する抵抗力がまだ十分でなく、熱中症になりやすくなります。
また、夏にずっと冷房の効いた部屋にいると
暑さへの抵抗力が十分でなく、外での作業時などに熱中症になってしまう場合があります。

 ◆体に負荷の大きい作業を行うとき
体にきつい作業を休憩なく行い、
適度な水分・塩分(ナトリウム)の補給ができない環境では、熱中症になりやすくなります。

 ◆熱を放散しにくい服を着ているとき
仕事で着る作業着やスーツによっては、体にたまった熱を放散しにくいものもあります。
また、ヘルメットやマスク、手袋や安全靴などを着用しなければならないときも、
汗の蒸発が妨げられ、熱中症を発生しやすくなる条件のひとつとなります。

そのほか、体調の悪いときは体の抵抗力が低下しており、熱中症になりやすいので
注意しましょう。


○予防しよう!熱中症
 ◆しっかり体調管理
十分な食事や睡眠をとり、日ごろから体調を整えておきましょう。
夏バテのとき、病み上がりのときなどは、体の抵抗力が弱く熱中症になりやすくなります。

また、アルコールの飲み過ぎや、下痢を起こしているときは
脱水状態になっているため、熱中症になりやすくなります。
暑い夏ですが、お酒の飲み過ぎには注意してくださいね。

 ◆温度の調節
・職場の発熱物の対策
 職場にある熱を持つ機器の熱が、
 仕事をする人に伝わらないように工夫する(電源の切れるものは、こまめに切る)
 発熱源と仕事をする人の場所との間に衝立・仕切りを置く
 パソコンなども、座る場所から離す
・エアコン・除湿機の使用
 部屋全体を冷やすエアコンの設定温度が適温に設定されていても、
 実際に仕事をしている場所ではそれより温度が高くなっている場合があります。
 (空調の性能が不十分、熱を持つ機器が近くにある、日差しが入るなど)
 実際に仕事をする場所に温度計を置いて確認してみましょう。
 また、エアコンの風が届かないときは扇風機・送風機などを活用して
 部屋全体に冷気が行きわたるよう工夫しましょう。
・日差し対策
 直射日光が部屋に入らないよう、すだれやブラインドなどを設置しましょう。
 屋外で仕事をする場合は、日の差す時間帯などを考え、
 なるべく日陰で作業を行うことができるよう工夫します。
 外での休憩の際は日陰の風通しの良い場所を休憩所として確保しましょう。

 ◆仕事のやり方にも工夫を
上手にスケジュールを組む
 暑い日や暑い時間帯には、あらかじめ激しい仕事を組まないようにしましょう。
 また、暑い職場に勤めはじめたときは無理をせず、なるべくこまめに休憩を取りましょう。
 (職場の人も、無理のない作業量となるよう配慮しましょう)

休憩と水分・塩分(ナトリウム)補給
 冷房・除湿機のある場所または日陰で風通しの良い所を選んで、休憩をこまめに取りましょう。
 また、水分と塩分(ナトリウム)の補給も忘れずに行いましょう。
 ☆作業をはじめる前から補給し、少量をこまめに補給しましょう。
  200mlの冷水を一時間に2〜4回の頻度で飲む
  (汗を大量にかいたときは、0.1~0.2%食塩水など)
☆食塩入り特製スポーツドリンクのつくりかた 1リットルの水+約2グラムの食塩+30〜60グラムの砂糖(お好みで)

○熱中症になると、どんな症状が出るの?
 ◆熱失神
蒸し暑い環境にいるときや運動をしたとき、体は熱を下げようとして、
体表面の皮膚血管を広げ、汗をかこうとします。
このとき血圧が低下し、脳に回る血液量が減少してしまいます。
これによって、顔色が悪くなったり、心拍数が増えたり、呼吸数が増えたりします。
また、めまいや数秒間の失神を起こすこともあります。

 ◆熱けいれん
汗をかくと、水分とともに塩分などの電解質も一緒に排泄されます。
たくさん汗をかいた後、水だけを飲んで水分を補給すると、血液の塩分濃度が薄まってしまうため、
筋肉の収縮に必要な塩分が不足して、けいれんを起こしてしまいます。
高めの体温、吐き気、手や足・腹部などの局部的なけいれんといった症状が起こります。

 ◆熱疲労
蒸し暑い環境で長時間運動したとき、たくさん汗をかいた後、水分・塩分を補給しないでいると、
水分量の低下・電解質の損失が起こります。
すると、血液循環の悪化、体を循環する血液量の減少による血圧低下などが起こります。
これにより、めまい、疲労感、頭痛、失神、吐き気、血圧低下、高体温(40℃以下)などの
症状が引き起こされます。

 ◆熱射病
熱疲労の症状を放っておいた場合などに至る、危険な状態です。
頭痛やめまいなど、熱疲労の症状に加えて、おかしな言動や過呼吸、全身のけいれん、
40℃以上の高体温などの症状が発生します。
また、体温調節機能が働かなくなり、汗をかくことができなくなります。
命にかかわることもありますので、一刻も早く応急処置と救急車を!

○熱中症の応急処置
≪基本・まずはこの処置を行う≫
まずは直射日光を避けて風通しの良い場所に寝かせ、衣服をゆるめあおむけに寝かせます。
頭ではなく足(下肢)を枕などで高くして、脳に行く血液を多くします。
水分が補給できる場合には、少量ずつ飲ませます。
意識障害のあるときは、すぐ救急車を呼び、病院で治療を受けましょう。

≪熱けいれんのあるとき≫
軽いものであれば、塩分を含んだ飲み物(0.9%食塩水など)で回復します。
吐き気などで水を飲めないときや、飲んでもけいれんが治まらないときは
すぐに救急車を呼び、病院で治療を受けましょう。
☆0.9%食塩水=1リットルの水に食塩9グラム

≪熱疲労が疑われるとき≫
意識の確認、気道の確保、呼吸の確認、脈の確認を行います。
これらに問題があるとき→ただちに救急車を呼びます
☆心肺停止状態の場合は、救急車を呼ぶと同時進行で
気道の確保を行った後人工呼吸、心臓マッサージを行いましょう。

意識などに問題がないときは、体温を下げるために氷のう・アイスパックなどで
首、わきの下、足の付け根などを冷やします。
(皮膚温だけ低下するのを防ぐため、冷却する部位にタオル・ガーゼを挟む)
回復したように見える場合でも、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。

≪熱射病が疑われるとき≫
まず意識の確認、気道の確保、呼吸の確認、脈の確認を行います。
一刻も早く救急車を呼び、同時に熱疲労の応急処置と同様の方法で体を冷やします。
意識のない場合は、気道を確保して横向けにし、吐いたものを飲みこまないように注意します。
必要に応じて、気道の確保を行った後人工呼吸、心臓マッサージを行います。

○救急車を呼ぶときは

・救急車を呼ぶ人、応急処置をする人と役割を分けておきましょう。
・まず「救急です」と伝え、オペレーターの指示に従って返答します。
・救急車の来てほしい場所、いつ、だれが、どのようになったかを伝えます。
 ☆熱中症の疑いのあることを必ず伝えましょう。
・特に携帯電話で連絡した場合は、救急車が到着するまで電話を切らないようにします。
・救急車が近づいてきたら、近くまで誘導します。
・救急隊に具合が悪くなった状況や容態、どんな手当てをしたかを伝えます。
 (わかれば、容体が悪くなった人の持病なども伝えます)
・具合が悪くなった状況・経過が分かる人が、病院まで付き添いましょう。

☆参考資料
 『熱中症を防ごう 熱中症予防対策の基本』堀江正知/著 中央労働災害防止協会
 『知って防ごう熱中症』田中英登/著 少年写真新聞社




☆第4回(7月号):「夏の疲れに負けない体づくり」

梅雨が明ければ、いよいよ夏本番!
毎年、暑さで夏バテになってしまう人もいるのでは?
今月は、夏の疲れに負けない体づくりをテーマにしました。

◆夏の疲れはなぜ起きる?
≪疲れとは→体が休息を要求している状態≫
季節を問わず、仕事などで肉体・精神を使う活動を休みなく続けていると、「なんだか体がだるいなあ…」「ちょっと横になりたいなあ…」といった不快感や、休みたいという気持ち(体からの要求)が湧いてきます。そしてそれに伴って、集中力・注意力が乏しくなったり、病気にかかりやすくなってしまったりするなど、体の機能も低下してきます。

疲労回復のためには、
まずぐっすり寝る。休養が第一ですね。
また、体に必要な栄養を取る必要があります。

さて、暑い夏によくある場面を思い浮かべてみましょう。

暑さで食欲がなくなり、食事を抜く
(または素麺など、偏った食事が多くなる)→活動に必要なエネルギーが体に入らない
冷たいものの食べ過ぎ・冷房で体を冷やす →自律神経システムの調子が悪くなる
体温の調節機能が乱れる
熱帯夜で寝苦しくなり、寝付けない    →寝不足で休養が足りなくなる

⇒疲れにつながる

など、夏は疲れにつながりやすい要素がたくさんあることがわかります。

◆予防しよう!夏の疲れ
夏の過ごし方をちょっと工夫して、夏バテを予防しましょう。

○暑さ対策(冷房は控えめに)
外温と室温に5度以上温度差があると、身体の温度調節がうまく働きません。
冷房は控えめに、室温28度を目安にしましょう。
また、全国規模で節電・省エネが呼びかけられている昨今、
いかに冷房を控えめにしつつ、暑さを上手にしのぐかがポイントとなります。

【服装】
・通気性の良い服装
 政府・官公庁の一部でも、クールビズ(夏場の軽装化)が実施されています。
 仕事の際は品位を保ちつつ、通気性を良くしたシャツ、肌着などを着て涼しく過ごしましょう。最近では、通気性の良い素材によるビジネスウェアや肌着なども販売されていますので、それを活用するのもよいですね。

【自宅の部屋】
・風通しを良くする
・すだれ・よしずなどで直射日光を防ぐ
・部屋の敷物に、涼しい素材のものを使う
・エアコンを「除湿」に設定し、扇風機を併用する
 湿度の高い状態を解消するだけでも、ずいぶん過ごしやすくなります。
 扇風機は、風を直接浴び続けないよう、首振り機能を活用しましょう

○しっかり安眠
・ぬるめのお風呂にじっくりつかる
 お風呂にゆっくりつかり、汗を流してリラックス。
 お風呂のあとは、ストレッチを行うとより
 
・寝るときは冷房にタイマーを
 一晩中冷房のかかった部屋に寝ていると、体がすっかり冷えて体調を崩してしまいます。
 入眠後1〜2時間程度で電源が切れるよう、タイマーをかけておきましょう。

・局部を冷やす
 冷房を控え目にする代わりに、氷枕、冷却シート、保冷剤などを使って頭・首の後ろ・脇を冷やすと涼しく感じます。

・シーツにも工夫を
 さらさらとした質感の夏用シーツを利用すると、寝心地がよくなります。
 ガーゼ、竹のシーツなど、吸水性のあるもの・涼しさを感じるものがおすすめです。


○食事について
・ビタミンB群でエネルギー代謝改善
 食事で摂取した糖質をエネルギーに変えるには、ビタミンB群(特にビタミンB1)の働きが必要となります。
 そんなビタミンB1を含んでいる食べ物は、

豚肉/うなぎ/レバー/玄米/豆類/豆腐/ごま 

など。「土用の丑の日」で、夏にうなぎを食べる理由もうなずけますね。
でも「仕事が忙しくて、どうしても3食食べる暇がない!」「暑くて食欲がないから、あんまり食べられない…」というときは、補助的にビタミン剤を摂取するのも良いでしょう。

・食欲のないときの工夫
食欲のないときは、あっさりした素麺などをどうしても食べがちですね。
そんなときはちょっとひと工夫!なるべく食事は抜かないよう、心がけましょう。
・ごまや豚肉、野菜などを上に乗せて、栄養もとれる「ぶっかけそうめん」に
・ビタミンB1を含むお豆腐で冷奴に
・酸味を料理に取り入れて、さっぱりと食べやすく
・しょうがを取り入れて、胃の消化を助ける

○冷たい飲み物・アイスクリームなどを摂り過ぎない
 冷たい飲み物をたくさん飲んだり、アイスクリームなどの冷たい食べ物を摂り過ぎたりすると、胃腸の機能が落ちて、食欲がなくなってしまいます。
 「今日は冷たい飲み物が続いているかも…」というときは、意識的に氷を抜いた飲み物・暖かい飲み物に替えてみましょう。

 また、ジュース・炭酸飲料などに含まれる糖分はかなりの量。糖質を摂り過ぎすぎると、体内のビタミンB1をその分大量に消費してしまい、体内のエネルギー代謝が滞ってしまうため、かえって疲れやすくなってしまうことも。ジュースの飲み過ぎは禁物です。

とはいっても、大量の汗をかく夏に、水分補給は欠かせません。
 ミネラルと水分を含んだ飲み物(麦茶など)で水分補給をこまめに行いましょう。
 (スポーツドリンクにも糖分は含まれています。飲み過ぎには注意を!)

○適度な軽い運動
 体力を構成する要素のうち、筋力・持久力・柔軟性を鍛えることにより、疲れにくい体をつくることができます。

・筋力 …腹筋を鍛える運動や、下半身を鍛えるスクワットを行うなど、衰えやすい、
      姿勢を保つために使う筋肉を鍛えます。

・持久力…ウォーキング、ジョギングなど、長時間続けることのできる有酸素運動を行うことで、
      血液の循環を促し、体内の疲労物質をエネルギー源として再利用する作用を促す事が
      できます。
      暑い季節、プールでの水中ウォーキングや水泳などもおすすめです。

・柔軟性…ストレッチを行うことで血液循環が良くなり、肩こり・腰痛などの筋肉の
      こわばりなども改善します。お風呂上りに行うと、体も良く伸びるのでおすすめです。

○いろいろやっても疲れがとれない、そんなときは…
 心身になんらかの異常があり、そこから疲れが起こっている場合もあります。
 まずはかかりつけのお医者さんを受診し、相談してみましょう。


☆コラム作成に、以下の資料を参考にしました。
 『健康づくりの食卓』 宗像伸子/著 永岡書店
 『疲れたときは、からだを動かす!』 山本利春/著 岩波書店





☆第3回(6月号):「肩こり」

 「なんだか最近、肩がこるなあ…」と首回りをボキボキ鳴らしている方必見!
 今月は肩こりとその解消法について調べてみました。

◆肩こりはなぜ起こる?
≪人体の構造上の問題+α≫
 2足歩行をするようになった人間は、その過程で首や頭(体重の約10〜13%)・腕(体重の約8%)の重みを肩周辺の筋肉で支えることになりました。これらの重さを支えながら、肩の筋肉は腕の上げ下げ、回すなどの複雑な動きを行っているのです。また、首も重い頭を支えながら、頭を上下左右に幅広く動かす役目を担うことになりました。
 そのため、肩・首にある筋肉には、横にならない限り、常に負担がかかっています。この状態に+αとして、以下に挙げるような要因が加わり、肩がこるわけです。

◆あなたの肩こりの原因は?
○肉体労働による筋肉の使い過ぎ
 重いものを持ち上げる仕事などを続けていると、ただでさえ負担のかかっている肩・首の筋肉がさらに疲労し、肩がこってきます。

○運動不足
 とはいえ、運動不足になると血流が滞ってしまい、肩周辺の筋肉の水分バランスが崩れ、筋肉がこわばり、肩こりとなります。休日、一日中家でゴロゴロしていても肩こりは起こるのです。

○長時間同じ姿勢をとっている
 パソコンでのデスクワークなど、長い時間同じ姿勢で仕事をしていると眼精疲労と運動不足が重なって肩がこってきます。また、前かがみの姿勢など、同じ姿勢を続けると、それだけ首や肩など、体の後ろ側の筋肉を使うことになり、コリや痛みとなって現れます。

○肩のこりやすい体型
・なで肩
 筋肉の発達が不十分で、筋肉が疲労しやすい。
 肩の関節が腕の方に下がり気味に傾いているので、腕を持ち上げるとき筋肉に負担がかかりやすい。
・猫背
 背中が丸まっている(肩や頭を前に出すような姿勢)ため、首や背中の筋肉が引っ張られ続け、肩がこる。
・やせている
 筋肉の発達が不十分で、筋肉が疲労しやすい。
・太っている
 体重の重みから、背骨に大きな負担がかかり、肩がこる。

○ストレス
 ストレスを感じると、交感神経が緊張を強いられて血行が悪くなり、肩こりを悪化させることがあります。また、悩んで落ち込んでいるときは、何をするのも億劫になるため、結果運動不足となり、肩こりを起こすことがあります。

○体の冷え
 冬の寒い時期や、夏に冷房の効いた室内に長時間いると、筋肉や血管が収縮し、血行が悪くなり、肩こりや痛みを強める要因となります。

○体内の異常のサイン
 眼精疲労や頭痛、腰痛などから、肩こりが引き起こされることがあります。
 また、内臓の病気に関連して、肩こりが起こることがあります。


◆家でできる肩こり解消法
○全身を温める
 ぬるめのお風呂(38〜40℃程度)にゆっくりつかり、血行を良くします。

○こっているところを温める
 肩こりの原因の一つである冷えを解消するため、こっているところを温めるのも効果的です。蒸しタオルをこっている所に広めにあてて、タオルが冷えてきたら再度熱くし、10〜15分ほど温めます。熱すぎる場合はビニール袋に入れ、乾いたタオルの上からあてます。
  ≪蒸しタオルの作り方≫
 熱湯につけてしぼればできあがり。やけどしないよう、ゴム手袋などを使ってしぼると良いです。水を含ませたタオルをラップで包み、1分ほど加熱してもできます。

○簡単な体操
 肩こりを軽くする体操は色々あります。
 職場での休憩時間など、ちょっとした時間に簡単に行えます。

1、ゆっくり首を前後に倒す
 首の後ろの筋肉を伸びたり縮んだりするのを意識しながら、ゆっくりうなずくように、首を前後に5回ほど大きく倒します。


2、肩をすくめて落とす
 肩をすくめて、肩先を耳に近づけたあと、息を吐きながら一気に肩の力を抜いて、肩を落とします。
 これを5回繰り返します。

3、腕を開いて閉じる
 肩と同じ高さまで腕を挙げ、ひじを90度に曲げます。
(このとき、二の腕は肩と水平にします)
 ひじの角度と、二の腕の水平を保ったまま、観音開きの扉を閉めるように両ひじをつけます。

4、両手を後ろで組んで腕を伸ばす
 目と手からくる肩こりに効く運動です。
 同時に、肩甲骨を内側に引き寄せたり、組んだまま上に引き上げたりするようにしたりすると効果アップ!



5、首のストレッチ
 首の肩こりに効く運動です。
 首をゆっくりと、大きく回します。
 回していて筋の張るところがあれば、そこで止めて、伸ばします。
(肩を少し下げるようにすると、自然とこった部分の筋が伸びます)

○市販薬の有効利用
・ビタミン剤
 こっている部分の血行・代謝を促すため、食事のほかに補助的にビタミン剤を使ってもよいでしょう。
 ☆肩こりに関係するビタミン…ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンE

・痛み止めの薬(内服薬)
 肩こりそのものを治すものではありませんが、「ひとまず、この肩の痛みをすぐに何とかしたい!」というときに。
 痛みがひどくならないうちに早めに服用することで、最小限の服用で効果を得られます。

・湿布・塗り薬など(外用薬)
 これも、肩こり・痛みを一時的にしのぐために使います。
 鎮痛薬が入ったものと配合されていないものがあるので、とりあえず痛みをすぐに取りたい場合は、鎮痛薬が配合されたものを使うとよいでしょう。

○マッサージ
外側からもんだり叩いたりすることで刺激を与え、筋肉の緊張をほぐします。
ご家族や友達などに頼んでやってもらえるとよいですね。
☆マッサージする際のポイント
 ・力は入れすぎず、手のひら全体を使ってもみほぐす
 ・こったところだけでなく、肩全体をもむ
 ・腕⇒背中⇒肩の順に、体の先から心臓に血液を送り込むことを意識してもむ・叩く
 ・肩たたきは、力を抜いて軽くリズミカルに叩く
 ・後頭部のこりは、額に手を当てて頭を支えてから反対側の手の親指・人差し指で、首の後ろを
  つまんだり押したりする

◆肩こりを予防するには?
○正しい姿勢
 猫背・前かがみは肩こりの原因になります。
 背筋を伸ばして生活することを意識しましょう。

○1時間に1回、休憩と体操を
 集中して仕事をしすぎると、どうしても肩に力が入ってしまいます。
 肩がこってしまう前に、1時間に1回は少し休憩をとりましょう。
 そのとき簡単な体操も行うとよいですね。

○デスクワークのしやすい環境を整える
【目を疲れさせない】
 眼精疲労から肩こりとなる場合もありますので、目の疲れない環境を整えることも大切です。
 ☆ポイント
  ・パソコン画面が眩しすぎないように調節する
  ・外の光がパソコンに映り込まないようにカーテンをする
  ・パソコン画面からは40cm以上顔を離して見る
  ・パソコン画面をみるとき、視線が下向きになるようにする

 また、眼鏡の度が合っていないときも目が疲れやすくなります。
 「視力が落ちたかも…」など、心当たりのある場合は
 眼鏡屋さんや眼科などで視力を測り、眼鏡を新調することをおすすめします。

【椅子・机まわりにも気を遣う】
 椅子は、座った時に足が完全に床に着く高さに調節します。
 (座った時、股・ひざ・足の関節がそれぞれ直角に曲がっている高さがちょうどいい)
 机の上はすっきりさせて、作業スペースを広く取りましょう。机の高さは65〜70cmくらいがちょうどいいです。
 また、足元に荷物を置くと窮屈になり、足に無理な姿勢をさせてしまいます。
 足元に荷物を置かないようにしましょう。

○意識的に体を動かす
 水泳、エアロビクスなど、腕を肩よりも上に挙げる運動で
 自分に合ったものを楽しんでみましょう。
 上で紹介した体操、ラジオ体操などを生活のなかに取り入れてみるだけでも肩こりの予防につながります。

○寝床に気を遣う
 首や肩の負担を軽くするには、横になる寝床もポイント。
 背骨がまっすぐ伸ばせる柔らかさのベッド・敷布団にします。
 枕は、あおむけに寝て首の骨がわずかに山形に湾曲した状態になる高さのものを選びましょう。

◆こんなときは病院へ
 ○肩こり解消法をいろいろやってみても治らない
 ○こり・痛みがずっと続く、強くなってきた
 ○動作・姿勢に関係なく肩が痛み、安静にしていても痛む
 ○別の症状を伴う(腰が痛い、手がしびれる、力が入らないなど)
    ↓
 何らかの体の異常から、肩こりが起こっていることもあります。
 まずはかかりつけのお医者さんに相談してみましょう。
 相談の際は、いつごろ、どのあたりが、どんな風にこっているのか、思い当たる原因の他、肩こりのほかに気になっている心身の症状についてもお話しておきましょう。


☆記事作成に、この本を参考にしました。
 『首と肩の痛みをとる本』 青木正美/監修 講談社
 『首と肩 こりと痛み』黒田栄史/監修 双葉社
 『がんこな肩こり』信原克哉/著 小学館





☆第2回(5月号):睡眠について

最近、よく眠れていますか?
なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、ぐっすり寝た気がしない…など、
睡眠のことでお悩みの方のために、今回は健やかな睡眠について調べてみました。

○ 不眠症について
長期間(1ヶ月以上)にわたり夜間の不眠が続き、そのために日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭重、めまい、食欲不振などの不調を起こしてしまう病気です。
〈不眠症のタイプ〉…4つに分けられます。
 ・寝つきが悪い
 ・眠りが浅く夜中に何度も目が覚める
 ・起きる時間の大分前に目が覚めてしまう
 ・寝たのに、ぐっすり寝た気がしない

○ 眠れない原因は?
・生活リズムの乱れ
休みの日にお昼まで寝ていたら、夜よく眠れないということがありますよね。長い休み中に夜型の生活をしていると、休み明けに夜眠れなくなってしまうことがあります。
また、交替制勤務などで寝る時間がバラバラになってしまうと、寝るべき時間に眠れなくなってしまうことがあるようです。

・コーヒー、たばこなどの刺激物
コーヒー・お茶などに含まれるカフェインに、眠りを妨げる作用があります。利尿作用もあるので、夜は特に飲みすぎ注意!
また、たばこに含まれるニコチンには、覚醒作用・鎮静作用の両方が含まれています。
このうちより強く現れるのは覚醒作用なので、寝たばこは眠りを妨げることになってしまいます。

・ストレス
心配事が気になって眠れない、ということはよくあります。
また、2、3日眠れない日が続くと、「今日も眠れないのでは…」とストレスになり、ますます眠れないという悪循環になってしまうことがあります。

・体の不調
肌がかゆい、咳が止まらない、鼻が詰まるなど、体の異常から結果眠れないこともあります。この場合は、体の不調を取り除くことが先決です。

・心の不調
うつなどの心の不調から、眠れないこともあります。早朝に目覚めて眠れない・良く寝た気がしない・朝無気力になり、夕方にかけて元気になるなど、症状に思い当たるところがある方は、早めに心療内科・精神科医の診察を受けてみましょう。

・環境
いつもと違う場所だと眠れない、ということがあるように、自分にとって寝やすい環境でないと眠れないことがあります。音や光が気になって眠れないこともあります。

○ 不眠対処法…まずはこれをやってみよう!
・就寝・起床時間を一定にする
休日の夜更かし・寝坊を避け、平日と同じくらいの時間に起床・就寝する生活を心がけましょう。
 
・刺激物を避ける
カフェインが入った飲み物を摂るのは寝る4時間前まで、たばこは寝る1時間前までにしておきましょう。

・寝る前のリラックスタイムをつくる
ぬるめのお風呂にゆっくり入る、好きな本や音楽を楽しむなど、一日の緊張をほぐす時間を作ってみましょう。ラベンダーの香りなど、気持ちを落ち着けてくれる香りをかぐのも効果的です。

・ストレスをためない
★ 健康維持情報第一回の「ストレスと上手に付き合おう」もご参照ください
 http://www.refrepla.sakura.ne.jp/contents030.html

・睡眠時間は自分に合ったもので大丈夫
大人の場合、睡眠時間は人それぞれ。日中に不調が出なければよいので、「○時間寝なければいけない」と考えず、自分に合った睡眠時間を見つけましょう。

・眠たくなってから床に就く
「眠らないと明日がつらい、眠らないと」と思えば思うほど、逆に眠れなくなるものです。眠れないときは一度布団から出て、リラックスタイムの続きを楽しんでみましょう。
よく眠れなくて次の日つらいときは、昼休みを利用して10分程度昼寝をすると楽になります。

・適度の運動を心がける
日中軽く汗ばむ程度の運動をして、ほどよい肉体的疲労を得ると心地よく眠りやすくなります。無心で体を動かせば、ストレス解消にもなって一石二鳥です。
ただし、激しい運動・寝る前の運動は逆効果なのでご注意を。

・「光」に気を配る
太陽の光など、強い光には体内時計を調節する働きがあるそうです。
光を浴びてから14時間以降に眠気が生じてくるため、朝光を浴びると夜眠くなる、という具合になっています。夜に強い照明を浴びたり、パソコンなどの明るい画面を見すぎたりすると、体内時計が狂って眠れなくなってしまいます。
朝は日の光を取り入れ、夜は強い光を避けてみましょう。

・寝酒をしない
お酒を飲むと寝つきは良くなるように思えますが、深い睡眠が減り、途中で目が覚めてしまうなど、ぐっすり寝ることには逆効果です。眠れないからといってお酒に頼ってはいけません。

・眠りやすい環境を作る
自分に合った枕、布団を用意するなど、寝室の環境を整えてみましょう。
寝室の色合いを落ち着いた色(ベージュ・茶)などでまとめると外からの騒音が気になって眠れないときは、厚めのカーテンをかけたり、好きな音楽を流したりして、騒音を気にならなくするのもよいでしょう。

○ それでも眠れないときは…
心身の不調が不眠を引き起こしている場合も考えられますので、まずはかかりつけのお医者さんに相談してみましょう。抱えている不調に応じた対処を受けることができます。

☆記事作成に、こちらのサイトを参考にしました。
e-ヘルスネット
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・All About 健康・医療
http://allabout.co.jp/r_health/





☆第1回(4月号):心の健康

4月、就職・部署の変更など、職場環境の変化の多い時期ですね。
慣れるまでは心身ともに疲れやすいとき。
そこで今回は、心の健康維持のためのお役立ち情報を集めました。


○新しい職場になじもう!
職場で誰も頼る人がいない状況では、不安が募って心への負担が大きくなるだけでなく、
仕事もうまくいかなくなってしまうことがあります。
いち早く、新しい職場になじんでいきたいところですね。

【コツ】
・あいさつ
 自分から積極的にあいさつしましょう。
 相手の目を見て、笑顔で元気にあいさつをすることで相手によい印象を与え、
 相手との距離を縮めることができます。

・相手の名前を覚える
 早いうちから自分の名前を覚えてもらえていると、嬉しいものです。
 相手の名前を呼んで、名前を覚えていることを示しましょう。

・自己開示
 人は、わからないものに不安を感じる性質を持っています。
 何を考えているのかわからない人とは、信頼関係を築きにくいですよね。
 「こんなことがあって、それについて私はこう感じている」と、自分の
 考えていることを表現してみましょう。

・職場のムードメーカーの人・面倒見の良い人とまず仲良くなる
 職場全体に良い影響力を持つ人と信頼関係を築けば、すでにその時点で
 好意的な印象を周囲の人たちに与えることができ、その後の関係構築が早く、
 楽になります。


○月曜日を乗り切ろう!
日曜日の夕方から、明日の仕事のことを考えるとゆううつ…という方も多いのではないでしょうか。
「ブルーマンデー」とも言われる、月曜日を乗り切るコツを調べてみました。

・月曜日に大事な仕事を入れないようにする
 休み明けから本調子で仕事をするのは難しいもの。
 会議や、大事なお客様との面会など、気の重くなる仕事や重要な仕事は、
 なるべく休み明けを避けて日程を立てておきましょう。

・今日一日のことだけ考えて、早めに帰る
 月曜日に一週間のことを考えると、ゆううつになりやすいものです。
 今日一日を乗り切ることだけを考え、終業時間になったら余力を残して早めに帰りましょう。

・週の真ん中にお楽しみを
 週の中ごろに自分の楽しみとなる予定(サークル活動・習い事・友人と会う約束など)を
 入れておけば、「その日までがんばろう」と週の前半を乗り切りやすくなります。
 生活にもメリハリが生まれ、より充実した一週間を過ごすことができるようになります。

・休日の寝だめを避ける
 休日はつい夜更かしをしたり、昼まで寝てしまったり…なんてこと、ありますよね。
 睡眠時間のリズムが乱れてしまうと、月曜日の朝起きるのがつらくなってしまいます。
 なるべく休日も基本的な睡眠時間は同じにしましょう。


○ストレスと上手に付き合おう
 新しい環境にうまく適応できず、あるいは適応しようと頑張りすぎていると、
 ゴールデンウイーク後あたりに「5月病」になってしまうことがあります。
 通常、5月病は一過性のものですが、そのままうつ状態をひきずることのないよう
 ストレスと上手く付き合っていきましょう。

・完璧にできなくてもいいと考える
  新しいことを始めたとき、最初から失敗しないほうがおかしいのです。
  失敗をしたことで仕事を覚え、成長していくことができると考えましょう。

・自分の状態を冷静に見つめなおす
  自分が感じているストレスを書き出し、その内容からどんなことがストレスになり、
  何に対して無理をしているのかを把握します。
  ストレスに感じた状況を思い出し、何が嫌だったのか自分自身に尋ね、
  無理をして頑張っていた自分を認め、ねぎらいましょう。
 ・ストレスの「良い面」を見つける
  ストレスに感じた状況を「○○があったことで、少し成長できた」など、
  別の見方でとらえてみましょう。今起きていることにも良い面があるのだと
  考えることで、ただただ辛いと思っていたことへの認識が変わります。

・「できません」を伝える
  1人でできないときは、早めに誰かに「できません、手伝って下さい
  (別の方にお願いします)」と伝えましょう。
  1人で無理をして、どうにもならなくなってしまうより
  よほど迷惑もかからず、建設的です。

・不満を口に出してみる
  車の中で叫ぶもよし、愚痴を友人に話すもよし。口に出すことで、
  体の中からストレスを追い出してみましょう。

・生活のリズムを整える
  夜はあまり考え事をせずに、とりあえず早く寝ましょう。

・自分なりのストレス解消法を見つける
  好きな音楽を聴く、体を動かす、お笑いのDVDを観て思いっきり笑う…など、
  自分に合った方法でストレスを解消していきましょう。

○朝起きるのがつらくなってきた。そんなときは
1、「仕事に行きたくないなあ」という程度のとき
 ・まずは早寝早起きの朝型生活に切り替えてみる
  単純に、夜寝る時間が遅いために朝起きるのがつらいという場合があります。
  帰宅後は早く寝て、その分朝の時間をゆっくり過ごせるような生活に切り替えてみましょう。
  好きな音楽を聴いたり、シャワーを浴びたりする時間もでき、リフレッシュしてから
  出勤することができます。

2、強い疲れや腹痛など、体に症状が現れているとき
 ・まずはかかりつけのお医者さんに行ってみましょう
 頭痛や腹痛など、体が出勤への拒否反応を起こしている場合は赤信号!
 まずはかかりつけのお医者さんを受診してみましょう。
 検査をしても異常が見られないのに症状が続くときは、
 心療内科・精神科への受診をおすすめします。
 (お医者さんが紹介状を書いてくださるところもあります。)


○お医者さんに行ってみよう
 夜眠れない、何もする気が起きない、何をしても楽しくないなどの症状が続くときは
 まずはかかりつけの病院へ行ってみましょう。

1、まずはかかりつけのお医者さんへ
 不眠やだるさなどの症状の原因が、身体の異常にある場合もありますので、
 まずはかかりつけのお医者さんに行ってみましょう。
 検査などで異常が見られず、症状が続く場合は
 かかりつけのお医者さんに紹介状を書いてもらい、心療内科・精神科を受診してみましょう。

☆自分で予約を取って心療内科・精神科に行くときは
2、病院のHPで診察時間・曜日などをチェック
 自分の住んでいる周辺の病院で、心療内科・精神科のある病院をインターネットなどで調べます。
 各病院のHPを確認して、診察時間・曜日、治療の方針などを確認しましょう。
 予約制の病院の場合は、病院に電話で問い合わせ、予約を入れましょう。

3、来院・受診
 (予約した場合は予約の日に、)病院に来院します。
 他の病気と同様、どんな症状があるのか、いつから始まったかなどの診察が行われます。
 その中で必要に応じて抗うつ剤・睡眠導入剤などのお薬が処方されます。

4、次回の予約
 受付で処方箋・診察券をもらい、次回の予約をしておきます。
 他の病気で病院に行くのと同じですね。

5、再診
 症状によりますが、だいたい最初に処方された薬が切れるころに再診日が来ます。
 再診では、経過を訊ねられた後、また薬が処方されるという流れで、
 10分ほどで診察が終わることもあります。
☆ポイント
心療内科・精神科は、ただ患者さんの身の上話を聞く癒しの場ではなく、
 科学的な見地に立って心の病気を治療するところです。
 医師へは、身の上話ではなく、睡眠、食欲、意欲、体調の変化、
 薬の効き目や副作用などを正しく伝えましょう。
「じっくり自分の話を聴いてもらいたい」という要望があれば、
 医師や最寄りの総合事務所福祉保健局、市町村の保健センターなどに相談してみましょう。
 同じ悩みや症状を持つ人のグループなど、話のできる場を紹介してもらえることがあります。

6、その他
 ・症状が悪化して、休職しなければならないときなどには、担当医に診断書を書いても
  らうことができます。
 ・お医者さんにも相性がありますから、どうしても話しづらいなどの問題があれば、担
  当医や病院を変えてみるのも手です。
 ・薬(特に抗うつ剤)は、飲んだ翌日にすぐ効くものではありません。(だいたい1〜
  2週間で徐々に効果が表れてきます。)
  仕事を続けながら投薬治療を、と考える場合は、症状が切羽詰った状態になる前に
  病院を受診しましょう。


○ひとりで抱え込まない
 一番問題なのは、ストレスがたまった状態のまま、一人で悩み続けることです。
 早い段階で家族・友人・職場の親しい人などに打ち明けましょう。

ただ、せっかく相談しても、全く的外れなアドバイスをされたり、
「気合が足りない」などの精神論的な反論を受けたりして、
かえって落ち込んでしまうということもあります。
親しい間柄であっても心の病気について理解のない人はいるので、
その人に相談するのは避けましょう。

また、同じ相手だけに相談をし続けると、相手も疲れてしまいます。
相談先は複数作っておき、いろんな人にちょっとずつ悩みを打ち明けていきましょう。
「仕事のことはこの人、家庭のことはあの人」と、
分野別に相談先を選べるようにできればよいですね。

身近に頼る人がいない場合は、職場の産業保健スタッフ、カウンセラー、
最寄りの市町村の健康福祉課、保健センターや男女共同参画センターなどに設置されている
悩み相談を利用してみましょう。
 公的サービスの場合は無料で利用できるところもありますので、
 病院での通院費が気になる方にもおすすめです。

<こんな相談窓口もあります>

【いのちの電話】
◆鳥取いのちの電話(毎日 12:00〜21:00)
  0857−21−4343(有料)
 ☆自殺予防いのちの電話(毎月10日 8:00〜翌日8:00)
  0120−738−556(フリーダイヤル)
 ☆鳥取いのちの電話(毎月20・30日 12:00〜21:00)
  0800−200−4344(鳥取県内発信のみ無料)

【こころの相談窓口】
◆鳥取県立精神保健福祉センター(平日8:30〜17:15)
               0857−21−3031
◆最寄りの総合事務所福祉保健局(平日8:30〜17:15)
 東部総合事務所福祉保健局  0857−22−5616
 中部総合事務所福祉保健局  0858−23−3147
 西部総合事務所福祉保健局  0859−31−9304
 日野総合事務所福祉保健局  0859−72−2036

【自殺防止センター】
◆東京自殺防止センター
(毎日20:00〜翌日6:00※火のみ17:00開始)
               03−5286−9090
◆大阪自殺防止センター(毎日 24時間)
               06−4395−4343

☆記事作成に、こちらのサイトを参照しました。
・うつ病のここカラダ
http://utsu.cocokarada.jp/index.html
・All About 健康・医療
http://allabout.co.jp/r_health/
・健康と医療の総合情報サイト 健康Salad
http://www.k-salad.com/
・gooヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/
・ITmediaエンタープライズ
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/

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